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これも神様から与えられた試練なのか?
みなさんは宗教に関してどのようなイメージを持っていますか?
2018年に行われたNHK調査によると(PDF)、日本で何らかの宗教を信仰している人は、38%という結果がでています。
しかし、日本での「宗教離れ」の現象は世界的に見ればごく少数派。
宗教と国家が結びついている国の方が多数派なのです。
これからますますグローバル化が進み、世界中から異なる価値観の人々を受け入れていく日本。
そんな2023年の今だからこそ見ていただきたいのが、この記事で紹介するフランス映画『神々と男たち(原題: Des hommes et des dieux)』です。
2010年、フランス国内で興行成績一位を記録した本作品は、翌年のセザール賞で作品賞、助演男優賞、撮影賞の3部門を受賞しています。
それでは早速、フランス映画『神々と男たち』のあらすじと、撮影エピソードを一緒にみていきましょう!
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信仰とは、そして人とは……映画『神々と男たち』のあらすじ
早朝。
シーンと静まり返った修道院で、いつものように修道士たちが朝の礼拝を終え、聖書を読んでいました。
しばらくすると、外ではアザーンが鳴り響きます。
イスラム教を国境とするアルジェリア(Algérie)のティビリヌ(Tibhirine)には、カトリック教会の修道会の一つであるトラピスト会の修道院が1938年に建てられ、8人の修道士が住んでいました。
修道士であり医師でもあるリュック(Luc)は、高齢でありながらも、毎日、朝から晩までどんどんと集まってくる村人たちを無償で診断。
他の修道士たちも修道院の敷地内の畑をせっせと耕し、蜂蜜を作り、村の市場で売りながら自給自足の生活を送る日々。
修道院長であるクリスチャン(Christian)は、相談役として村人に頼られている存在です。
お祝いがあれば参加するなど、修道士たちと村人たちは協力し合いながら暮らしていました。
そんなある日、ティビリヌから20キロも離れていない工事現場で、12人のクロアチア人キリスト教徒が殺害されてしまいます。
ピリピリと緊張感の高まる状況の中、アルジェリア政府より派遣された軍隊が、修道院の警備を申し入れるのですが……
実際に起こった事件が元となった!撮影エピソード
ここでは映画『神々と男たち』をより理解するために、撮影エピソードを3つ紹介します。
ティビリヌの修道士殺害事件
映画『神々と男たち』のモデルになった事件は、「ティビリヌの修道士殺害事件(L'Assassinat des moines de Tibhirine)」です。
1991年に始まった、アルジェリア政府軍と複数のイスラム主義軍によるアルジェリア内戦。
1996年3月26日から3月27日の夜中に、ティビリヌに住んでいたトラピスト会の修道士、7人が誘拐されてしまいます。
その2カ月後、主犯の武装イスラム集団GIA(Groupe Islamique Armé)により、修道士達の首を切って殺害したことが表明されました。
バチカンから祝福
映画『神々と男たち』はフランスで公開された直後、バチカンの日刊紙「オッセルバトーレ・ロマーノ(L'Osservatore Romano)」で次のような評価を得ています。
「この映画の最も美しい点は、修道士たちを普通の人間として表していることです。誰でも弱さや恐怖心を持ち、私たち人間は皆同様に弱く、苦しい日々によって祈りの中に勇気を見だしているということです」
撮影地はモロッコ
アルジェリア内戦は2002年に終結を迎えています。
しかし、2007年、複数あったイスラム主義軍が一つとなり、イスラーム・マグリブ諸国のアル=カーイダ機構(AQMI、Al-Qaïda au Maghreb islamique)と名前を変え、2023年の現在でもアルジェリア国内でテロ活動を行っています。
代わりにモロッコのアズロー(Azrou)近くに残っている、旧ベネディクト会修道院で撮影が行われました。
まとめ
宗教や人種を超え「人間としての選択」を描き、2010年フランスで大ヒットした映画『神々と男たち』。
1996年にアルジェリアで起こった、ティビリヌの修道士殺害事件がベースとなった本作品は、翌年のセザール賞で作品賞、主演男優賞、撮影賞の3部門受賞しています。
比較的聞き取りやすいフランス語が話されているため、中級者以上の方は字幕なしで挑戦してみてください。
改めて宗教とはそして信仰とは、を考えさせてくれる映画『神々と男たち』。
これからますますグローバル化が進む日本に住む方々に、ぜひ見ていただきたい作品の一つです。
修道士であり医師でもあったリュックを演じたマイケル・ロンズデール(Michael Lonsdale)。
惜しまれつつ2020年に他界してしまいましたが、晩年、俳優としての仕事やクリスチャンとしての信仰心を語ることも多くありました。
フランス・パリ在住の、気分は二十歳の双子座。
趣味はヨーロッパ圏内を愛犬と散歩することと、カフェテラスでのイケメンウォッチング。
パリ市内の美術館ではルーブル美術館、オルセー美術館とポンピドーセンターがお気に入り!
好きな映画は70代80年代のフレンチ・コメディ。
オススメや好きな作品は詳しいプロフィールで紹介しています。