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「不可能を可能にするコンビ」の最大ヒット作!
悲劇のイメージが強いため「第二次世界大戦をテーマにした映画は苦手」という方も多いのではないでしょうか?
そんな方に是非見ていただきたいのが、1966年上映の映画『大進撃(原題:La Grande Vadrouille)』です。
この映画、普通のフレンチコメディ映画ではありません。
フランスの喜劇王ルイ・ド・フュネス(Louis de Funès)とブールヴィル(Bourvil)の共演で爆発的ヒットを記録し、公開からなんと31年間、フランス国内の映画の興行収入で1位をキープした伝説のフランス映画なのです!
ルイ・ド・フュネスの『大混戦(Le Gendarme de Saint-Tropez)』も合わせてご覧ください!
第二次世界大戦を舞台のドタバタ劇の本作品は、2021年現在でもフランス人が好きな映画のトップに入っているんです。
主人公たちが使う「Le franglais」と言われるフランス語(français)と英語(anglais)を混ぜたセリフもお約束ギャグとして有名。
- フランスのコメディ映画が苦手
- フランス人の笑いのツボがよくわからない
- フレンチジョークが好きじゃない
早速映画のあらすじの紹介と、名場面『Tea For Two』の笑いのツボについて解説をします!
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喜劇俳優ルイ・ド・フュネスの最大のヒット作『大進撃』のあらすじ
第二次世界大戦下、ナチス軍に占領されていたパリ。
ピリピリと緊迫した状況の中、イギリス軍の飛行機がナチス軍の攻撃を受けてしまいます。
機内の5人の英国人パイロット達は、パラシュートで脱出し、着陸後はグランド・モスケ・ド・パリのハマムで落ち合うことに。
「Big Moustache」とあだ名のついたレジナルド隊長(Sir Reginald)は、パリ郊外にあるヴァンセンヌの森の動物園へゆらゆらと不時着し、待ち合わせ場所に向かいます。
一方、ピーター(Peter)は、塗装業を営むオーギュスタン(Augustin)の工事現場へギリギリの着地。
運が悪いことに、すぐ隣がナチス軍の司令部だったため、異変に気がついたドイツ兵がドドドドとやってきました。
気の弱いオーギュスタンでしたが、ドキドキしながらピーターをかくまってしまいます。
アラン(Alan)は、パリ・オペラ座の屋根に着いた後、オーケストラの指揮者であるスタニスラス(Stanislas)の楽屋へ潜り込みました。
リハーサルから戻ったスタニスラスは、部屋にいたイギリス兵をささっと追い出そうとしましたが、ここでも異変に気が付いたナチス軍が楽屋へ。
面倒なことに巻き込まれたくないスタニスラスでしたが、アランをささっと隠してしまったのです。
捕虜になる危険があるため身動きできない2人のイギリス兵は、オーギュスタンとスタニスラスに自分の代理として「Big Moustache」に会ってほしいと切願。
ガヤガヤと騒がしく危険なパリを離れ、ナチス軍に占領されていない「フランス南部の自由地区」に向かう打ち合わせをするのが目的です。
乗り気でなはないオーギュスタンとスタニスラスでしたが、最終的に手助けすることを決意。
顔も知らないイギリス人の「Big Moustache」に会うために、もくもくと湯気が立ち込めるハマムで試行錯誤する見ず知らずの2人。
果たして3人は無事に会うことができるのでしょうか?!
名場面「Tea For Two」の笑いのツボとは?
名セリフや名場面の多い映画『大進撃』。
中でもこの「Tea For Two」は、フランスでは全世代に知られるフランス映画名場面の1つ。
そもそも「Tea For Two」とは?
1924年に上演されてアメリカのミュージカル『ノー・ノー・ナネット(No, No, Nanette)』。
劇中で、ヒロインのナネットが恋人役のトムと一緒に、自分たちの将来を思い描いて歌う曲が「二人でお茶を(Tea For Two)」です。
この曲は大ヒットし、映画化の際には『二人でお茶を』がタイトルになったほどです。
なぜオーギュスタンとスタニスラスは「Tea For Two」を歌ったのか?
「Big Moustache」というニックネームだけで、顔がわからないレジナルド隊長。
ハマムにたまたま「大きなヒゲ」を蓄えている男性を見たオーギュスタンは、とっさに「イギリス人=紅茶」と思い、口ずさんだのが「Tea For Two」です。
ラブラブの恋人同士のためのラブソングを口ずさみながら、大きなヒゲの男性に近寄り、目で合図を送るオーギュスタン。
しばらくして、同じように「Tea For Two」を口ずさみながら、近づいていくスタニスラス。
英語を理解することができないフランス人が、意味もわからずに「Tea For Two」を歌う、という点も自虐ギャグの意味合いがあります。
つまり、このたった1場面で、英語があまり得意ではないフランス人が、「イギリス人=紅茶」という発想で「Tea For Two」という恋人同士の曲を、ハマムで相手を見つめながら歌っている。
これだけ詰め込まれている「Tea For Two」は、フランス人にとって爆笑場面の一つなのです。
まとめ
フランス喜劇俳優といえばルイ・ド・フュネス!
相方のブールヴィルもフランスでは大人気の俳優です。
公開から31年の間、あの『タイタニック』に抜かれるまで、フランス国内の映画の興行収入一位をキープしていました。
フランス語の教材というより、フランス文化やフランス人を知るために「欠かすことのできない作品」と言えるでしょう。
40周年記念はこちら!
50周年記念も大賑わいでした!
フランス人に愛され続ける映画『大進撃』、フランス好きの方にオススメです!
フランス・パリ在住の、気分は二十歳の双子座。
趣味はヨーロッパ圏内を愛犬と散歩することと、カフェテラスでのイケメンウォッチング。
パリ市内の美術館ではルーブル美術館、オルセー美術館とポンピドーセンターがお気に入り!
好きな映画は70代80年代のフレンチ・コメディ。
オススメや好きな作品は詳しいプロフィールで紹介しています。