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アニマルフリーを企業理念に掲げるファッションブランドが、具体的にどのような取組みを行なっているのかご存知でしょうか?
アニマルフリーの理念に賛同する消費者としては、そのファッションアイテムがどのように作られているのか、具体的な背景についても是非知りたいところですよね。
この度、フランスのアニマルフリー・ファッションブランド『LO NEEL(ロ・ニール)』のブランド代表兼デザイナーのFrédérique Muller(フレデリック・ミュラー)氏にお話を伺うことが出来ましたので、同社の地球環境への取り組みを中心に企業理念についてご紹介します。
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フランスのアニマルフリー・ファッションブランド「LO NEEL(ロ・ニール)」とは
LO NEEL(ロ・ニール)は、フランスのアニマルフリー・ファッションの先駆者的なファッションブランドです。
LO NEEL(ロ・ニール)会社概要
商号 | A.D.N.L.N (marque Lo Néel) |
設立 | 2019年6月 |
本社所在地 | 81 rue Brancion, 75015 Paris, France |
従業員数 | 4名 |
事業内容 | 服飾品のデザイン、販売管理 |
公式サイト | https://www.loneel.fr/ |
LO NEEL(ロ・ニール)沿革
2019. 06 | Frédérique/Loane Mullerの母娘によりパリでブランドを設立 |
2019. 06 | リッツ・パリのオリエンタルファッションショーに参加 |
2019. 10 | ロサンゼルス・ヴィーガンファッションウィークに参加 |
2020. 09 | イタリア・フランス製の作品を加えたカプセルコレクションを発表 |
2021. 04 | 2021年春・夏コレクションの発表 |
下記はLO NEEL(ロ・ニール)の企業イメージビデオです。
LO NEEL(ロ・ニール)の企業名は、Frédériqueの娘Loane(ロアンヌ)の愛称”Lo(ロー)”とベルギーとフランスの探検家Alexandra David-Néel(アレクサンドラ・ダヴィッド=ニール)へのオマージュに由来します。
FrédériqueはLO NEEL(ロ・ニール)のブランド代表であると同時に、デザイナーとしてクリエーションを担当しています。
Frédériqueの娘Loaneは2021年5月現在ビジネススクールの学生です
LO NEELの企業理念
FrédériqueとLoaneは、日々ファッション業界の課題に取組み、「そういうものだから(注)」という今日のファッション規範に抵抗し、自然、動物、人、全てが快適に共存できるように探究心を欠かさないことを企業理念として掲げています。
注:ファッション業界における「そういうものだから」とは、ファッションを追求する為に、「アニマルレザーがありきで、人工的なものづくりとその流通によって地球環境に影響を及し、ビジネスの為に人びとの労働環境が損なわれるのは仕方ない」という考え。
LO NEEL(ロ・ニール)が掲げる「アニマルフリー・ファッション」とは、動物由来の素材を使用せず、製造工程からその流通に至るまで、人・動物・地球環境に配慮したファッションです。
アニマルフリーのファッションアイテムは、植物由来の素材や植物繊維を原料にして人工的な素材やリサイクル素材をベースに製作されています。
LO NEEL(ロ・ニール)のManifeste全文は下記のとおりです。
LO NEEL, c’est la marque des êtres humains qui s’engagent pour un monde meilleur, dont le mantra est le respect.
C’est la marque qui respecte la nature en utilisant des matières innovantes 100% vegan ou recyclées et en prônant le slowfashion en produisant des pièces en quantité réduite afin d’éviter tout gaspillage.
LO NEEL, c’est l’histoire d’un engagement pour la planète, notre Terre-mère qui nous accueille et nous héberge. Faire partie de la communauté LO NEEL c’est adopter un style de vie éthique et éco-responsable et les pièces de nos collections sont la preuve que le luxe et le mode de vie vegan et éco-responsable sont compatibles.
LO NEEL, c’est la marque qui respecte les êtres vivants. Nous refusons d’utiliser et d’heurter les animaux dans le but de nous parer et grâce à cela avons obtenu le label PETA.
LO NEEL respecte ses client.e.s en proposant des matières douces, pures et éthiques qui embrasseront leur peau.
LO NEEL, c’est la marque qui respecte ses collaborat.eur.ices en Inde, en s’assurant de la qualité de leurs conditions de travail et en s’engageant pour leur bien-être.
LO NEEL, c’est l’histoire de l’engagement d’une mère et sa fille et de toute une équipe de femmes douées, dévouées à la cause environnementale.
Faire partie de la communauté LO NEEL, c’est agir pour la planète.Rejoignez-nous, agissez avec nous. Il n’est pas trop tard.
Act for change. Act with style. Be LO NEEL.
LO NEEL(ロ・ニール)の地球環境への取り組み
LO NEEL(ロ・ニール)は地球環境への取組みとして、製造から流通に至る全工程にて、動物に配慮したオーガニックやリサイル素材を使用しています。
例えば、アニマルレザーの代わりに使用している素材の例として、ピニャテックス(Piñatex)があります。
ピニャテックスとは、パイナップルの葉からできたヴィーガンレザーです。
従来パイナップルの葉は廃棄されていたものですが、植物由来のレザーとして生まれ変わり、アップサイクル品(リサイクルにアイディア、デザインなど、更に価値を加えたもの)として活用されています。
パイナップルは痩せた酸性の土地でも育つ為、その耕作過程においても、水や薬品に頼る必要がありません。
技術革新により、環境に配慮した素材を使用することが可能となった今日、適切な素材を選択すれば、製造過程を含め、人や動物を「苦しみ」から回避させることができる、とLO NEELは考え、次のような見解を表明しています。
アニマルレザーは、どんなに厳しい基準に則って管理されていたとしても、環境破壊につながります。
例えば、鞣(なめ)しの工程に必要な水は化学製品の使用と共に多くの公害を出し、川や土壌等、地球を汚染しますし、皮革の染料は人体に影響を及ぼすものです。
パイナップルの繊維に、環境に配慮した染色を施すとアニマルレザーの10倍もの耐久性のある植物由来のレザーができます。
アニマルレザーに代わる素材があるにも関わらず、動物の命を搾取する理由はありません。
LO NEEL(ロ・ニール)の生産過程
LO NEEL(ロ・ニール)は、使用する素材に関してトレーサビリティ(使用する素材が辿る来歴の追跡)を徹底することで、見えない問題や状況を作らないようにしています。
LO NEEL(ロ・ニール)のファッションアイテムが生産されているアトリエは、下記3ヶ所です。
フランス・パリのアトリエ
Rue d'Alexandrie à PARIS(パリ2区のアレクサンドリー通り)に所在。
丹念で質の高い仕事からとても評判の小さなアトリエで、40年の経験があります。
動物の代替レザー「桑の繊維」のパイロットジャケット(裏地はリサイクルポリエステルのファー)、オーガニックコットンやリサイクルポリエステル、メタリック繊維を使用したコレクションやアップサイクリング素材(キルティングコットン)のオートクチュールを生産しています。
インド・デリーのアトリエ
デリーのアトリエでは、LO NEEL(ロ・ニール)の刺繍全般を担当しています。
ブランドのシンボルである孔雀や花々の刺繍を施しており、写真の刺繍は新商品のための施策段階のものです。
オーガニックパイナップル繊維、オーガニックコットン100%のガーゼやポプリン、認証(Viscose Forest certified)のあるビスコース、インドの特別なZARI刺繍を施したアイテムや、オーガニック大豆の繊維素材で手結びしたフリンジのアイテムを生産しています。
長距離輸送の環境負荷を考慮し、生産の大部分をインドのアトリエで行なっています。
イタリア・フィレンツェ近郊のアトリエ
1968年からある家族経営のアトリエで、工場はエコ・レスポンシブル(商品を製造する過程の化学薬品、水の使用から輸送の際にかかる排出ガスへの配慮まで全工程にて公害を排除し、地球の限りある生態系に対して責任を持つこと)に指定されています。
エネルギーはソーラーパネルで賄っており、横編みニットを生産。
写真の編み機は島精機製作所のものだそうです。
オーガニックコットン、認証(Viscose Forest certified)のあるビスコースを使用したニットアイテムを生産しています。
LO NEEL(ロ・ニール)の労働環境の問題への取り組み
ファッション業界における労働問題は深刻です。
先進国の人々が安価な洋服を買えるのは、法的最低賃金を大きく下回る労働者の犠牲の上に成り立っていることをご存知でしょうか。
国際労働機関(ILO)によると、世界には1億5200万人あまりの児童労働者がいると推定しており、「しかも、そのほぼ半数は最悪の形態に属している」と報告しています。(出典:児童労働報告書(2017年))
そしてファッション業界にはスキルがなくてもできる仕事がたくさんある上、大人より手の小さい子供の方が向いている仕事が多いため、児童労働が蔓延しがちだと言われています。
インドやフィリピンなどのアジア諸国では、ファッション業界に携わる労働者のうち50%以上が法的最低賃金すら受け取ることができずにいるようです。
LO NEEL(ロ・ニール)は、こうした労働環境問題への取り組みの一つとして、30年間ファッション業界にて培ってきた経験とアトリエとの信頼関係を基軸に、労働者の給与体型を見える化し、「ファッション透明性」を高い水準で維持しています。
まとめ
あなたが普段ファッションアイテムを購入する際の購買基準は何でしょうか?
デザイン、好きなブランド、それとも価格でしょうか?
私はフランスのアニマルフリー・ファッションブランドLO NEEL(ロ・ニール)と出会い、ファッションを選ぶ際の選択肢の中のひとつとして、素材や製造背景を考える大切さに気が付きました。
地球に住む一員として、ひとり一人が動物や人、地球環境に配慮してファッションアイテムを購入していくことが大切だと思います。
今後ファッションアイテムを選ぶ際にはアニマルフリー素材が使われているか気にしてみてはいかがでしょうか。
2021年5月現在、日本では実際に商品を直接手に取って見れる機会はありませんが、中期的には日本での店舗展開も検討されているとのことです。