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仏検2級合格を目指して勉強している方の中には、ディクテで苦労している方も多いのではないでしょうか。
フランス語を正しく聞き取るだけでも難しいのに、書き取るとなると、正しいフランス語文法や単語のスペルをきちんと習得していないと大変困難なので、どのように対策すれば良いのか悩んでいる方も多いでしょう。
この記事では、仏検2級に絶対合格したいと思う方のために、合格の要とも言える、ディクテ(書き取り)対策について詳しくご紹介いたします。
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仏検2級のディクテ(書き取り)問題が難しいのはなぜか?
ディクテ、つまり書き取り問題とは、フランス語の文章を聞き、聞き取ったものをそのまま文字にして書き取っていく形式の問題です。
ディクテでは、フランス語を正しく聞き取り、同音異義語に惑わされないように文脈をしっかり理解し、性数の一致などの文法力も問われ、総合的なフランス語力が試されます。
そのため仏検2級受験者の多くが、ここで点数を稼ぐことがなかなかできず、仏検2級の合格率が低く抑えられている要因の一つとなっています。
例えば、2019年度の仏検2級1次試験の合格率は、36%~37%です。(参考:APEF-2019年度 合格基準点・合格率)
同年の準2級の合格率が60%前後であることを考えると、難易度が急に上がると言えるでしょう。
仏検3級や準2級でも書き取り問題はありますが、仏検2級では、文章自体の難易度が上がります。
しかも、このディクテ(書き取り)問題は、1次試験では最も配点が高く、仏検2級ではなんと「14点」になります。
よって、ディクテを制するものが仏検2級を制すると言っても過言ではないのです。
仏検2級で出題されるディクテ問題の難易度とは
それでは、仏検2級ではどのような水準の問題が出題されるのか、準2級と比較して見てみましょう。
例えば、下記は2011年秋季の仏検2級のディクテ問題で読まれた文章です。
Dalia, notre petite-fille de 4 ans, est arrivée ce matin pour passer ses vacances avec nous.
Elle est charmante et très curieuse.
Elle n’arrête pas de nous poser des questions.
Ce matin, elle a demandé à son grand-père pourquoi les oiseaux volent.
Mon mari lui a répondu qu’ils n’aiment pas payer les billets d’avion.
Quand je lui ai demandé pourquoi elle demande toujours pourquoi, elle m’a dit : « Parce que c’est gratuit. »
仏検準2級の書き取り問題と比べてみましょう。
Ce matin, j’ai vu ma nouvelle voisine.
Elle est japonaise.
Elle parle bien français.
Elle a fait ses études à Paris il y a 6 ans.
Elle est venue dans cette ville avec son mari.
文の数だけ見てみますと、2級は6センテンス、準2級は5センテンスとなっています。
しかし、一文一文が長いため、仏検2級の書き取り問題は、仏検準2級の2倍以上の長さになっています。
しかも、綴りの難しい単語やより複雑な文法構文が使われているため、難易度がぐっと上がってしまうわけです。
もし、何の対策もせずに2級の書き取り問題に挑んでしまうと、残念な結果に終わってしまいかねません。
逆に、しっかり対策をして試験に挑戦すれば、書き取り問題だけで14点という高得点を取ることができるのです!
仏検2級の書き取り問題で高点数を取るためのポイントや注意点とは?
出題形式の確認が重要!
まずは、書き取り問題が出題される形式をしっかり確認し、慣れておくようにしましょう。
仏検準2級を受けたことのある方であればご存じだと思いますが、初めて仏検を受ける方のために簡単に主題形式をご紹介いたします。
試験では、全文が4回読まれます。
最初の2回は普通のスピードで、3回目はポーズを置きながらゆっくりとしたスピードで、4回目にもう一度、普通のスピードで音声が流されます。
3回目には、句読点などの記号もフランス語で読まれるので、特に注意が必要です。
ちなみに、先述した過去問題で言うと、virgule(,)、point(.)といった句読点に加えて、deux points(:)、ouvrez les guillemets(«)、fermez les guillemets(»)といった記号も出てきます。
4回読まれるディクテ、いつ何すれば良い?
最初の1回目では、全体の意味をつかむことに集中しつつ、可能な範囲で聞こえた単語の頭だけでも書き取っていきましょう。
センテンスごとに間を空けて、大きく余白を残しておくのがコツです。
2回目では、各センテンスの文章をできる限り書き取っていきます。まだ通常スピードなので全文は下記取れなくて当然です。
焦らず、落ち着いてかけるところをしっかり書きましょう。
3回目が勝負です。
ポーズを置きながらゆっくりとしたスピードで読まれるので、句読点や記号を含めて細かい部分をしっかり聴き取るようにしましょう。
4回目は、抜けがないか、最終確認として聞いていきます。
出題形式をしっかりと確認しておくことで、どのタイミングで何をするか、取るべきアクションの心構えができるので、自信をもって試験に臨むことができるようになるでしょう。
ディクテで高得点をあげるには、文法項目の理解が重要!
フランス語では、同じ音でも、文法の規則によってスペルが異なるということが多々あります。
書き取り問題では、文法の規則をしっかり押さえていないと間違えそうなポイントが出題されます。
先述した過去問題の1行目を例にあげてみましょう。
Dalia, notre petite-fille de 4 ans, est arrivée ce matin pour passer ses vacances avec nous.
Daliaは、4歳の女の子です。
したがって、「到着した」を意味する « est arrivée »では、きちんと過去分詞の性数の一致を行うことがポイントになります。
音声だけでは、主語が男性や男の子の場合の « est arrivé »と違いが分かりませんので、まずは、主語が男性なのか女性なのかをしっかり把握することが重要です。
この文では、「petite-fille(孫娘)」と言ってくれているので、Daliaが女性の名前だとわからなくても、「petite-fille」が分かれば、主語は女性だとわかります。
さらに、「複合過去の場合、過去分詞は主語と性数一致する」という文法規則をしっかり押さえていないと間違えてしまうので、この一文ではpetite-filleという単語の意味と、過去分詞の性数一致を理解しているかが問われています。
このように、書き取り問題で高得点を狙うには、リスニング力を高めるばかりではなく、文法の基礎をきちんと復習しておくことも重要です。
効果的な勉強法とお勧め教材
ディクテを勉強するにはどうすればいいのでしょうか。
基本的には、音源とフランス語の文章さえあれば、どの教材でも練習に使うことができます。
ただし、自分のレベルにあった文章を選ぶことが大切です。
自分にとって難しすぎる文章では、聞き取ることができず、ストレスがたまるだけになってしまいます。
これまでに勉強した教材を使って、ディクテしてみるのも良いでしょう。
ディクテに特化した参考書としては、仏検2級の対策本が有効です。
『仏検対策2級問題集[改訂版]』(モーリス・ジャケ、舟形真一、中川智子編)は、仏検の傾向を知り、試験形式に慣れるのに良いでしょう。
これを使えば、実際の試験と同じスタイルで練習することができます。
ディクテそのものを、もっとしっかり勉強してみたいという方には、『改訂版 完全予想仏検2級 書き取り問題・聞き取り問題編』(富田正二著)がお勧めです。
どちらも実際の試験と同じ問題形式で、実践を積むことができます。まとめ
今回は、仏検2級合格のカギともいえるディクテ対策についてご紹介しました。
ディクテ対策は難しそうに思えますが、実は単語力、文法力を底上げするのに役立つ、最強のフランス語勉強法でもあります。
仏検2級のディクテ対策をしていると、自然と本当に「使える」フランス語力が身に付きますので、大変だけど頑張っていきましょう!
仏検2級は大学受験、就職活動でも十分にアピールできるレベルですので、ディクテを克服して2級取得を達成されることを祈っています。
慶應義塾大学文学部出身|英語教師・日本語教師
趣味は旅行とカフェでゆっくり過ごすこと。
座右の銘は「どの雲にも銀の裏地がついている」。
どんなに辛い状況でも、その先には明るい光が待っていると思うと「もう一歩先に進もう」と思えます。
フランス語を勉強し始めたきっかけについては、詳しいプロフィールでご紹介しています。