※当ブログにはプロモーションを含みますが、記事内容は公平さを心がけています。
Netflixドラマの『ル・シャレー 離された13人(原題:Le Chalet)』をご存知でしょうか?
2018年にフランスのテレビ局「France2」にて放送さたNetflixオリジナルドラマで、中毒性のある連続ドラマとして大変評判になりました。
この記事では『ル・シャレー 離された13人』のあらすじと見どころをネタバレなしでご紹介します。
Ce soir, les 2 derniers épisodes du Chalet ⛰️
___
📺 A suivre dès 20h55, sur France 2 ! pic.twitter.com/aewzNyrczu— Le Chalet (@LeChaletFrance2) April 9, 2018
※当ブログにはプロモーションを含みますが、記事内容は公平さを心がけています。
フランスドラマ『ル・シャレー 離された13人』のあらすじ
この物語は、アルプスにある人里離れた村「バルモリン村(Valmoline)」を舞台に、2017年と1997年の2つのタイムラインを交互に混ぜながら進んでいきます。
2017年、ひと夏を過ごすために久しぶりに再会した同郷の男女数人と、その恋人や家族が「ル・シャレー(le chalet=山小屋)」に集まりました。
しかし別荘へ向かう道中、その村と町の唯一の交通手段である橋が、彼らが通過したあとの落石によって絶たれてしまいました。
Un nouvel épisode à suivre sur @France2tv maintenant #LeChalet pic.twitter.com/dxyavQ5NFh
— Le Chalet (@LeChaletFrance2) April 2, 2018
別荘に集まった彼らは、どうにかして街と連絡を取ろうと試みますが、電波がなく携帯は通じず、電話線が引かれているはずの電話機も応答しませんでした。
ここから、集まったメンバーが一人、また一人と消えたり殺されたりしていくミステリーサスペンスです。
そして1997年のパートでは、その同じ別荘に別の家族が移り住んでくるシーンから始まっていきます。
一つの村で起こる失踪・殺人事件はどのように関連し、その犯人の目的は何か?
緊張感が常に張り詰める寝不足必須のサスペンスドラマですが、全6話完結なのでイッキ見も可能です。
『ル・シャレー 離された13人』の見どころは難しさと面白さ
このドラマには一つ注意があります。
まず観始めた方全員が思うこととして、きっと「登場人物が多すぎる」ことが難点として上げられるでしょう。
どのシーンも、別荘や村の中でのシーンとなるのですが、登場人物が多い上にタイムラインも前後していくため、初めは名前と顔を一致させるのに苦労するかもしれません。
また、時代パートが変わったことに気付きにくいので、2017年だと思って観ていると1997年だったということもあります。
1度では全てを理解しにくい点も、物語を難しくしている要因のように思います。
そのため、動画を視聴する際には『ル・シャレー 離された13人』の登場人物を予めグループに分けて覚えておくと分かりやすいでしょう。
『ル・シャレー 離された13人』の登場人物
ポイントとしては、下記3つのグループを把握しておくとストーリーへの理解が深まると思います。
- 2017年の別荘に集まった若者達(マニュやアデル、アリスなど)
- 1997年に越してきた一家(ロディエファミリー)
- バーの店員と常連客(ムリエル、フランソワーズ、フィリップなど)
⛰️ Découvrez l'Arbre Généalogique du Chalet ! pic.twitter.com/NfMZx4E9Tu
— Le Chalet (@LeChaletFrance2) March 28, 2018
BGMもどこか物悲しく、壮大な自然の背景が村の小ささが際立たせ、より孤立感や不気味さの臨場感をシーンに与えています。
#LeChalet en #replay sur @France2tv 👉 https://t.co/DU3ELwAClC pic.twitter.com/zWLoNeaCRx
— Le Chalet (@LeChaletFrance2) March 26, 2018
「un village ou une ville?」村の魅力とは
フランス語の教材には、時折目にするテーマとして2つの異なる物事について「どちらが好きか?」を記述させる問題があります。
例えば、
「un villageとune villeのどちらが好きか?それぞれのメリットやデメリットを述べよ」
といった感じです。
un village | 村、地方 |
une ville | 都市、街、都会 |
un village は、une campagne(田舎)とも同じような意味でも使われます。
フランス映画や他のドラマを観ていても、このテーマにまつわるセリフは特に多いと感じます。
実際、『ル・シャレー』のバルモリン村をモデルに、「村」についてのメリット・デメリットを劇中に出てきたセリフと共にご紹介しようと思います。
ちなみにフランス語で、メリットは「 Les avantages」 、デメリットは 「Les inconvénients」 と訳されます。
村の Les avantages(メリット)とは
地方や田舎の魅力は、やはり自然の美しさでしょう。
ドラマ『ル・シャレー』の中では、下記のようなセリフで表現されています。
- Repos, zéro stress, air pur.
(休息、ストレスなし、いい空気)- C’est calme.
(静かだ)- C’est tranquille.
(穏やかだ)- C’est beau.
(美しい)出典:Netflixドラマ『ル・シャレー 離された13人』
実際ドラマの背景に映るアルプスの大きな山並みは壮大ですし、森や湖のシーンは木漏れ日が美しく、今にも川のせせらぎや鳥のさえずりが聞こえてきそうなほどに鮮明です。
人生に一度はドラマのロケ地のようなところでバカンスを過ごしてみたいものですね!
村の Les inconvénients(デメリット)とは
村には魅力的なメリットがある一方で、とてもシビアなデメリットもあります。
ドラマ『ル・シャレー』の中では、下記のようなセリフで表現されています。
- Il faut des heures de route pour venir jusqu’ici.
(ここに来るのに車で何時間もかかる。)- C’est pour ça que les gens sont partis quand il n'y a plus de travail sur place.
(村人たちが出て行ったのは、現地には働き口がないからからだ)- Un village sans commerce, sans école.
(仕事も学校もない村)- Ça n’intéressait plus personne.
(誰からも興味を持たれなかった)出典:Netflixドラマ『ル・シャレー 離された13人』
どのメリットもデメリットも、日本の田舎のそれと共通していると分かります。
フランスではバカンスが3週間以上取れるので、多くの人々がこの期間に地方へ行き、自然の中でのスポーツや休息に時間を充てているイメージです。
村では、バカンスの時期のみにしか営業をしていないホテルや飲食店も多く、それ以外の時期は閉店していたりします。
バカンスの時期以外の期間、村で生活している人たちはがどのようにして生計を立てているのかも気になるところです。
束の間の癒しアイテム「プティ・デジュネ」
ジャンル的にもこちらのドラマは明るい話ではないので、終始緊迫感が漂っており、観ていて少し疲れてしまうかもしれません。
その中でも、毎朝、登場人物達が用意する朝食(un petit-déjeuner)の可愛らしさに、私は束の間ホッと癒されていました。
フランスの朝食は主に下記の1パターンです。
- バゲットまたはブリオッシュかパンオショコラ
(une baguette, une brioche, sinon un pain au chocolat) - ジャム
(une confiture) - バター
(un beurre) - オレンジジュース
(un jus d’orange) - コーヒーか紅茶
(un café ou un thé)
この伝統的とも言えるフレンチブレックファーストのセットを、月曜日から日曜日まで毎日飽きることなく彼らは食べています。
毎朝、ホテルや自宅で様々なバリエーションのある日本の朝食は、きっとフランスの方には驚かれるはずです。
"Je t’avais préparé un petit-déjeuner au lit."
(ベッドでの朝食を用意したよ。)出典:『ル・シャレー 離された13人』
と、マニュもトレイに載せたバゲットとコーヒー、そしてオレンジジュースを寝室まで運んでいるシーンがありました。
後半にはバスケットの中に各々が飲み物や焼きたてのブリオッシュなどを入れて持ち帰っており、可愛らしい小物にも目を引かれました。
個人的には、バゲットにつけるジャムはボンヌママン(Bonne Maman)というメーカーのルバーブ(Rhubarbe)味がお気に入りです。
ルバーブ(Rhubarbe)の和名は「食用大黄」です。
この投稿をInstagramで見る
日本ではあまり見かけないですが、欧米ではポピュラーな食材です。
日本でもボンヌママン(Bonne Maman)のジャムは手に入れることができます。
ただ輸入元のエスビー食品株式会社のホームページを見る限り、残念ながらルバーブ味は販売していないようです(2021年6月現在)。
- レモンマーマレード
- ストロベリー
- ブルーベリー
- オレンジマーマレード
- アプリコット
- ラズベリー
- チェリー
- カシス
- イチジク
- ミルク
- マロンクリーム
ボンヌママンは瓶がとっても可愛いので、空き瓶は取っておいて、『チョコとカシスジャムの瓶ケーキ』なんてものを作るのもおしゃれですね!
この投稿をInstagramで見る
まとめ
海外ドラマを観始めると、決まってその中毒性の高さから寝不足気味な週末を何度も過ごしてしまいます。
翌日の仕事や学校に影響すると分かっていても、「次のエピソード」をクリックせずにはいられないもどかしさを感じたことがある方も多いでしょう。
今回ご紹介しましたNetflixドラマの『ル・シャレー 離された13人』も、そんな中毒性の高いドラマです。
(個人的にはNetflixが「オリジナル作品」と定義しているものには高確率で「ハマる」作品が多いと感じています。)
ミステリーサスペンスでは人が失踪したり死んだりする展開が多いため苦手意識がありましたが、この作品はその辺りをテンポよく進めてくれます。
そのため失踪や死亡シーンが苦手な私も、大きなダメージを引きずることもなく最後まで観ることができました。
キャラクター設定もしっかりしていて、「嫌な奴は徹底的に嫌な奴」という救いどころがないあたりも、観やすさにつながっているかなと感じます。
そして、閉鎖的な村を舞台にしている点も、この残酷な事件の原因やそれに関わる人々の縁深さにも説得力を与えていて、これが都市や開かれた街では成り立たなかったストーリーであるところも見どころです。
なお、文中でご紹介した「村か街か論争」はどんな質問にも応用できます。
「海か山か」、「パンかお米か」などテーマを変えて、その Les avantages と Les inconvénients を書き出してみると単語の勉強にもなります。
しかもこの勉強法を繰り返すと物事の良し悪しを両面から整理できるので、議論好きのフランス人との会話でも役立ちます。
きっと多くのシーンで役立つ勉強法なので、ぜひお試しください。