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皆さんは、“tutoiement” と “vouvoiement”、もしくは、“tutoyer" と “vouvoyer”という単語を聞いたことがありますか?
フランス語を勉強している人なら一度は聞いたことがあると思うのですが、フランス語では会話をする相手との「親しさ」によって主語が “Tu” になる場合と “Vous” になる場合があります。
ここでは、実際にどのようなシチュエーションで使い分ける必要があるのかなどを、詳しく説明していきたいと思います。
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“tutoiement” と “vouvoiement” の違い
まず最初に、“tutoiement” と “vouvoiement” の単語の意味を理解しておきましょう。
“tutoiement” = “Tu” を使った話し方。主に友達同士や家族間など親しい相手との会話で使われる。「君」と訳されることが多い。
“vouvoiement” = “Vous” を使った話し方。主に初対面の人や年の離れた人、先生などあまり親しくない相手との会話で使われる。親しさは関係なく、相手が複数人いる場合にも使われる。「あなた / あなたたち / 君たち」と訳されることが多い。
Tutoyer | “tutoiement”の動詞。 |
Vouvoyer | “vouvoiement”の動詞 |
このように、相手との「関係性」や「親しさ」によって “Tu” を使うか “Vous” を使うかがかわってきます。
“tutoiement” と “vouvoiement” の使い分け
この “tutoiement” と “vouvoiement” は、日本語でいう「タメ口」と「敬語」に似ているところがあります。
もちろん全く同じものではありませんが、 「“tutoiement” はタメ口で話せる相手との会話で、 “vouvoiement” は普段敬語で話すような相手との会話で使用する」と覚えておくとわかりやすいでしょう。
しかしフランス人と日本人の感覚はもちろん違いますし、国籍に関係なく、個人の感覚もそれぞれです。
同じ学校の友達や、明らかにタメ口で大丈夫だとわかる相手以外には失礼のないように、まずは“vouvoiement”で話し始め、相手に「“tutoiement” で大丈夫だよ!」と言われたら “tutoiement” に切り替える、という流れが無難だと思います。
私も留学中にホームステイをしたことがあるのですが、ホストマザーとの会話は最初は “vouvoiement” で始め、彼女が「“Tu” でいいよ」と言ったのをきっかけに “tutoiement” に切り替えました。
もしくは “On peut se tutoyer?”(Tuで話してもいい?)と確認してみることをオススメします。
主語が変わると動詞の活用も変わるのがフランス語の厄介なところ。できれば言いやすい簡単な活用の方で話したいですよね…。
Tuの活用の方が、Jeの活用と音が同じでシンプルなので、できれば “tutoiement” で会話したいというのがフランス語学習者の本音ではないでしょうか。
フランス語の敬語表現 “vouvoiement” と条件法
上述したように、年上や初対面の相手には敬語を使うのと同じように、主語を “Vous” にすることで言葉を丁寧にし、敬意を表すことができます。
例えば、誰でも知っている “S’il vous plaît” も “vouvoiement” の良い例です。
レストランやカフェでオーダーする時には、“Un Café, s’il vous plaît.” と言いますよね。
“Un Café, s’il te plaît.” だと、店員と友達なのか?と、かなり馴れ馴れしく感じてしまいますので注意しましょう。
さらに、“vouvoiement” だけでなく、動詞を条件法にすることで語気が緩和され、より丁寧な言い方になるので一緒に覚えておくと便利です。
例文:
Pourriez-vous m'aider, s'il vous plaît ?(手伝ってもらえませんか?)
J'aurais un service à vous demander.(あなたにお願いがあるのですが…)
まとめ
フランス語の “tutoiement” と “vouvoiement” の違いと使い分けについて説明しました。
日本語に敬語や丁寧語があるように、フランス語でも “vouvoiement” を使うことで相手に敬意を示したり、言葉を丁寧にすることができます。
フランス人と実際に会話をする機会がある場合は、相手との心の距離を考えて “tutoiement” と “vouvoiement” を使い分けれるようにしましょう。
さらに条件法を使うことで、より丁寧な言葉になることも覚えておくと便利です。
フランス文学部出身|DELF B2、仏検準一級
仏検準1級にはフランス語を勉強し始めて2年で合格。
大学卒業後はワイン商社でフランス産ワインを担当。
嫌なことは寝て忘れるオプティミスト。
好きなことや将来の夢などについては、詳しいプロフィールでご紹介しています。