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「その日」は突然やってくる!
みなさんは常日頃、家族や身近な人に感謝の言葉を伝えていますか?
分かっていてもなかなかできない、照れ臭くて言えない、と言う方におすすめするのが、今回ご紹介させていただく映画『Fantôme avec chauffeur(読み方:ファントム・アベック・ショフール)』です。
「運転手付きの幽霊」というタイトルから想像できるように、コメディ仕立てになっている『Fantôme avec chauffeur』は、1996年にフランスで公開され、興行成績としては振るわなかったものの、テレビでの放送でじわじわと人気を高めていった作品です。
主演は、シリアスからコメディまでこなすフィリップ・ノワレ(Philippe Noiret)。
フランス映画界では珍しく、俳優業一筋のノワレは、フランスとイタリアの合作映画『ニュー・シネマ・パラダイス(Nuovo cinema Paradiso)』で、英国アカデミー賞とヨーロッパ映画賞の主演男優賞を受賞、その他にも2回のセザール賞主演男優賞を受賞している、名優中の名優です。
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それでは早速映画のあらすじと、本作品の監督でありフレンチコメディ映画界の巨匠ジェラール・ウーリー(Gérard Oury)をご紹介します!
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愛する人のその一言が聞きたかった!映画『Fantôme avec chauffeur』のあらすじ
大手企業の最高経営責任者であるフィリップ(Philippe)は、この日もパリの本社で朝からバリバリと会議をこなしていました。
ところが持病のせいかゴホゴホと咳が止まらず、体調が悪くなったため、仕事を早めに切り上げて帰宅することに。
その頃、本社の前では運転手のジョルジュ(Georges)が車の中でいつものように待機しながら聞いていたラジオ番組で、自分がロトの当選者だと気がつくのです。
そのことを知らないフィリップは、いつものようにスッと車へ乗り込もうとするのですが、ジョルジュは「ロトで大金が手に入ったから、こんな仕事やめてやる!」と、15年間の運転手生活の愚痴をブツブツと言い始めます。
車の前で揉めていた二人の前に、突然、バイクに乗った黒づくめの男が近寄り、銃弾をバンバンと複数放ちました。
突然のことに驚きバタッと倒れたジョルジュは、ムクッと立ち上がってあたりを見回すと、なんとフィリップが「自分の身体」を抱きかかえていたのですが……
フレンチコメディ映画界の巨匠ジェラール・ウーリー
日本語での情報が少ないウーリー監督ですが、フランスではコメディ映画界の巨匠として、2022年の現在でも大変人気があります。
ここでは、より本作品『Fantôme avec chauffeur』を楽しんでいただくために、監督ジェラール・ウーリーについてまとめました。
コメディ・フランセーズの俳優として活躍
ロシアからフランスに移民としてやってきたユダヤ人を両親に持つウーリー監督は、1919年にパリで生まれました。
若い頃からお芝居が大好きで、20歳の時に国立劇団コメディ・フランセーズ(Comédie-Française)に入団します。
映画界へ進出
コメディ・フランセーズ入団の1年後、第二次世界大戦の影響でユダヤ人の迫害を受け、パリを離れてマルセイユやモナコを経由してスイスのジュネーブにたどり着きます。
状況が落ち着いた1945年頃から俳優活動を再開。
同じ時期に映画の制作側にも携わるようになります。
ゴールデントリオ:ウーリー、ブールヴィル、フュネス
ウーリー監督は、脚本も担当した『大追跡(Le Corniaud)』の主演を喜劇俳優ブールヴィル(Bourvil)とルイ・ド・フュネス(Louis de Funès)に依頼。
60年代当時、すでに大スターだった二人への交渉は困難を極めましたが、なんとか共演が実現します。
そして1965年に制作された映画『大追跡』は、フランス空前の大ヒット作品に!
さらに翌年に制作された映画『大進撃(La Grande Vadrouille )』は爆発的ヒットに!
公開から31年間、フランス国内での映画の興行収入1位という伝説のコメディ映画となり、ウーリー、ブールヴィル、フュネスは「ゴールデントリオ」と呼ばれるようになりました。
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ゴールデントリオの次なる作品として期待されていた映画『大乱戦(La Folie des grandeurs)』でしたが、1970年、ブールヴィルは53歳という若さで癌により他界してしまったため実現されませんでした。
新たなゴールデントリオ誕生
フュネスとの仕事が続いたウーリー監督ですが、80年にはジャン=ポール・ベルモンド(Jean-Paul Belmondo)やコリュシュ(Coluche)など、スターを次々に起用していきます。
90年代に入ると体調不良により作品発表のペースが落ちていきますが、1996年に作成した『Fantôme avec chauffeur』では、ノワレとジュニョを起用したことで、新たなゴールデントリオの誕生かと期待されました。
まとめ
1996年に劇場公開された『Fantôme avec chauffeur』は、フランスではテレビでの放送でじわじわと人気を高めていった作品です。
フレンチコメディ映画界の巨匠ジェラール・ウーリー、フランスの名優フィリップ・ノワレ、そしてフランスの国民的コメディ俳優ジェラール・ジュニョがタックを組み、フランス映画界のゴールデントリオの再来と期待された作品です。
日本では残念ながら未公開のため、日本語字幕バージョンはありませんが、全編78分という短さに加え、サクサクと見ることができる軽いタイプのコメディ映画なので、フランス語を学び始めたばかりの人でも、十分楽しめる内容になっています。
家族みんなが楽しめるフランス映画の一つです!
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フランス・パリ在住の、気分は二十歳の双子座。
趣味はヨーロッパ圏内を愛犬と散歩することと、カフェテラスでのイケメンウォッチング。
パリ市内の美術館ではルーブル美術館、オルセー美術館とポンピドーセンターがお気に入り!
好きな映画は70代80年代のフレンチ・コメディ。
オススメや好きな作品は詳しいプロフィールで紹介しています。