高年齢化社会の家族を描いた映画『海辺の家族たち』のあらすじと、ゲディギャン作品をご紹介!

海辺の家族たち

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心の傷は、時間が癒やしてくれるのか!?

実家を離れて暮らしていると、久しぶりに合う両親に「歳をとったなぁ」と感じることはありませんか?

時が過ぎるとともに、家族のこと、そして自分のこれからのことも気になる、という方にぜひ見ていただきたいのが『海辺の家族たち(La Villa)』です。

父親が倒れたことがきっかけで、集まった「子どもたち」も「定年」を迎える年齢。

そんな高年齢化社会の家族を描いた映画『海辺の家族たち』は、ロベール・ゲディギャン(Robert Guédiguian)監督が、人生の新たな局面を迎える同世代に贈った映画です。

こんにちは!中年真っ盛りのカタクリです!

この記事では、映画『海辺の家族たち』のあらすじと、南仏の普通の人の生活を描き続けるゲディギャン監督の代表作をご紹介します。

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中高年世代に贈る映画『海辺の家族たち』のあらすじ

マルセイユから電車でトコトコ揺られて1時間ほどのところにある、小さな町メジャン(Méjean)。

この町に住んでいるモーリス(Maurice)は、のんびりと老後生活を送っていました。

ある冬の日、自宅のベランダでプカプカとたばこを吸っていたモーリスは、激しい心臓発作に襲われ、その場にバタっと倒れ込んでしまいます。

このことがきっかけで、離れ離れに暮らしていた子どもたちが集まることに。

モーリスが経営していたレストランを引き継いだ、コツコツ型の長男アルマン(Armand)

教員を定年したあと、歳の離れた若い婚約者ベランジェール(Bérangère)とともに、悠々自適に生活を送っていた次男のジョセフ(Joseph)

パリで舞台女優として活躍する、末っ子のアンジェル(Angèle)

これからのことを話し合うために集まった兄妹ですが、どこかよそよそしくギクシャクしてしまい、なかなか話し合いは進みません。

幸い一命を取り留めたモーリスですが、ぐったりと寝たきりで表情もウツウツし、意識がほとんどない状態です。

一見、何もかもうまくいっているように見える3人でしたが、実はそれぞれ「過去の問題」を解決できないままだったのです。

そんなある日、難民を乗せた船がメジャンの入り江に不時着した、と警察から連絡が入るのですが……

2021年に日本で上映された『海辺の家族たち』の予告編はこちらです!

普通の人を描き続けるゲディギャン監督

1980年の監督デビュー以来、コンスタントに作品を発表し続けているゲディギャン監督

残念なことに、ほとんどの彼の作品は本邦未公開なんです!

ここでは、ゲディギャン監督と日本語字幕で見ることができる彼の作品をご紹介します!

ゲディギャン監督とは?

映画監督であり脚本家のゲディギャン監督は、映画制作会社も経営しているフランス映画界を引率する映画人の一人です。

工場で働いていたアルメニア人移民の父親とドイツ人移民の母親を両親にもつゲディギャン監督は、南仏、マルセイユの下町に生まれました。

思春期に入ると映画に目覚め、エクサンプロヴァンス大学へ進学。

そこで、本作品でアンジェルを演じたアリアンヌ・アスカリッド(Ariane Ascaride)と出会います。

日本語字幕で見られるゲディギャン作品!

「自分のアイデンティティ」である、南仏の普通の人の生活にこだわったゲディギャン監督

パリのアーティスト一家出身の監督が多いフランスで、ゲディギャン監督の作品は異色です!

ここでは、日本字幕で見ることができるゲディギャン監督の作品をご紹介します。

キリマンジャロの雪(Les Neiges du Kilimandjaro)2011年

結婚30年周年を記念して「キリマンジャロ旅行」を子どもたちにプレセントされた仲睦まじい夫婦。

ある日空き巣に入られ、旅行の航空券や費用を盗まれてしまうのですが……

ゲディギャン作品でお馴染みの俳優陣の演技が光る感動作品です!

マルクス・エンゲルス(Le jeune Karl Marx)2017年

ジャーナリストのマルクスと工場経営者の御曹司のエンゲルス

理由は異なるものの、お互い祖国のプロイセン(現ドイツ)を離れた二人が、真の平等を目指してフランスの労働組合にコンタクトを取るのですが……

監督としてではなく製作側に入って作った作品ですが、左思想の強いゲディギャン監督の思いが込められた大ヒット作品です!

まとめ

ゲディギャン監督の代表作『海辺の家族たち』は、2017年にフランスで、2021年に日本で上映されました。

「普通の人」の姿を描くことにこだわる作品は、デビュー作から多くのフランス人に支持されている、数少ない監督の一人と言っても過言ではありません。

年齢を重ねることの大切さを表現するため、デビュー作からほぼ同じキャスティングをしており、作品とともに等身大の俳優陣の姿を描いてます。

本作品では、1985年に発表した『Ki lo sa ?(本邦未公開)』の映画のワンシーンが、「家族の思い出ムービー」のような役割を果たしています。

1980年のデビュー作から同じ俳優を使い続けているゲディギャン監督にしかできないノスタルジーシーンです!

日常会話で使われている自然なフランス語が使われており、フランス語学習には最適の作品です。

中級以上の方は、ぜひ本邦未公開の作品にも挑戦してみてください!

『海辺の家族たち』に関するゲディギャン監督とアリアンヌのインタビューも併せてご覧ください!

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