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外国語を勉強していて「言いたいことが言えない時」って、ものすごい歯がゆさを感じますよね。
例えば、1年間ホストファミリーとして留学生を受け入れていたとして、毎日留学生のために美味しいご飯を作り、日本語を教え、色んな日本の観光地に連れて行ってあげて……
思い出いっぱいの留学生との別れの日、その留学生がたった一言「アリガトウ、サヨナラ」とだけ言って帰国してしまったら、口には出さなくても、絶対心の中で「え〜!」って思いますよね。(笑)
この記事では、逆の立場になった時、フランス語できちんと心のこもったお礼が言えるように、感謝の意を色んな表現でご紹介します。
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「大変ありがとうございます」はフランス語ではなんと言う?
“Merci”を少し丁寧に、日本語でいう「どうもありがとう」や「大変ありがとうございます」にあたる言葉は、
Merci beaucoup.
Je vous remercie.
になります。
フランス留学していたときの話ですが、フランスに到着したその日、パリのメトロに乗ろうとしたら、まぁ大変。
当時フランスでは、日本のようにエレベーターがそこら中にあるわけではないので、30Kg近くあるスーツケースを担いで階段を登るはめに。
その時、優しいパリジャンが何も言わずに「ひょい」と私のスーツケースを持ち上げ、階段を登って行きました。
失礼なことに、私はそんな状況でも「やばい、盗まれる!」と警戒心バリバリ。
しかも、スーツケースを盗られないかハラハラして必死だったためか、助けてもらってとても助かったのでお礼を伝えたかったのですが、“Merci.”しか出て来ませんでした。
と、心で叫んだのを今でもよく覚えています。
さて、フランス語できちんと心のこもったお礼を伝えるには、“Merci beaucoup.”や”Je vous remercie.”を基本形として、どんどん進化させることができます。
フランス語で「ありがとう」をより丁寧に言う方法とは
ただ単に「ありがとう」と言うよりも、お礼を言いたい人の名前や愛称を入れると、より気持ちが伝わるようになります。
Merci Monsieur!
(ありがとう、ムッシュー!)
さらに、「優しいんですね」と付け加えてみたり。
Merci beaucoup. C’est gentil!
“C’est gentil”という表現は、“Merci”とセットで使われることが多いのですが、「ありがとう」という気持ちを込めて、“C’est gentil”単独で使われることもよくあります。
この“gentil(優しい/親切な)”という単語ですが、「お礼」の時に使う場合は、“Vous êtes/Tu es gentil”とは言いません。
主語は、“優しくしてくれた行為”になるので“C’est gentil.”となるわけです。
“Vous êtes/Tu es gentil”だと、「あなたは優しい人ですね」という意味になり、行為に対するお礼ではなく、相手の人柄を表現するフレーズになります。
もちろんお礼を言うシチュエーションで“Vous êtes/Tu es gentil”と言っても分かってくれるでしょうが、上手に使い分けられるようになると良いですね。
女性に「ありがとう」と言う時、より丁寧に言う方法とは?
上記は、相手が男性を想定した表現でした。
女性に対してフランス語で丁寧にお礼を言う場合は、"Monsieur"を"Madame" や "Mademoiselle"に置き換えて言えばOKです。
なお、「あなた」というのを強調して感謝を伝えたい場合は、
Je vous remercie beaucoup. C’est très gentil à vous!
C’est gentil de votre part.
と言うことができます。
さらにもう1つ、「気を遣わせて申し訳ない」という気持ちを込めて言うなら次のフレーズです。
Merci mais il ne fallait pas!
(ありがとう、でもそんなの良かったのに!)
さぁ、どんどん行きましょう!
「ありがとう」と共に「嬉しい気持ち」を伝える表現
お礼を伝えるとともに、「嬉しい!」と自分の気持を一緒に伝えるのが一つの手です。
Merci! Ça me fait plaisir.
(ありがとう!嬉しいです)
とっても嬉しかった場合は、「嬉しい」の度合いと強く表現すると良いでしょう。
Merci! Ça me fait très plaisir.
(ありがとう!とっても嬉しいです)
もっと嬉しいときは、ちょっと大げさですが「énormément」を付けてると良いです。
Merci! Ça me fait énormément plaisir.
(ありがとう!この上なく嬉しいです)
「énormément」はbeaucoup の絶対最上級で、「非常に、甚だしく、この上なく」などの意になります。
具体的に何に対して「ありがとう」と感謝しているのかを伝える
「手伝ってくれてありがとう」とか「プレゼントをくれてありがとう」とか、具体的に何に対してお礼を言っているのかはっきりさせると、表現力が豊かになります。
“Merci”に、“pour”もしくは“de”+名詞 で表現することができます。
Merci pour votre aide.
(手伝ってくれてありがとう)
Merci beaucoup de votre cadeaux.
(プレゼントをくれてどうもありがとう)
Je vous remercie pour tout.
(色々とありがとう)
Je vous remercie de votre gentillesse.
(親切にしていただき感謝します)
また、相手の「行為」に対してお礼を言うときは、“Merci de”+ 動詞の表現が便利です。
Merci d’être venu chez moi.
(うちに来てくれてありがとう)
Merci d’avoir pensé à moi.
(私のことを考えてくれてありがとう。)
- 友達が誕生日にメッセージをくれた時
- 「日本で大きな地震があったと聞いたけど大丈夫?」といった心配の連絡をくれた時
それにしても、Merci に“pour”をつければ良いのか、“de”をつければ良いのか、迷ったりしますよね。それぞれ違いについては下記の記事で紹介しています。
よかったら、あわせて読んでみてくださいね!
Merci de と Merci pour の違いとは | de と pour で感謝のニュアンスはどう変わる?
友達に「ありがとう」の気持ちをカジュアルに伝える時に使える口語フランス語表現
お礼は、丁寧に言えることはもちろん大事なのですが、友人同士の場合、堅苦しいお礼は逆に変な感じになってしまいます。
親しい友達に「ありがとう!」の気持ちを伝えるのであれば、上記で紹介した堅苦しい表現ではなく、もう少し軽いトーンで言うのが良いですね。
具体的には、vouvoiementにせず、tutoiementにすると良いでしょう。
vouvoiementとtutoiementの違いについては、下記の記事でご紹介しています。
vouvoiementとtutoiementの違いと使い分け方法を詳しく解説!フランス語の敬語表現も紹介
さて、これまでにご紹介した例をtutoiementに変換させると、次のようになります。
Je vous remercie.
→Je te remercie.
Je vous remercie beaucoup. C’est très gentil à vous!
→Je te remercie beaucoup. C’est très gentil à toi!
C’est gentil de votre part.
→C’est gentil de ta part.
Merci pour votre aide. (手伝ってくれてありがとう)
→Merci pour ton aide.
Merci beaucoup pour votre cadeaux. (プレゼントをくれてどうもありがとう)
→Merci beaucoup pour ton cadeaux.
Je vous remercie pour tout. (色々とありがとう)
→Je te remercie pour tout.
Je vous remercie de votre gentillesse. (親切にしていただき感謝します)
→Je te remercie pour ta gentillesse.
一度vouvoiementとtutoiementのコツを掴んでしまえば、1つの例文でカジュアル・フォーマル両方のフレーズが簡単に使い分けられるようになります!
vouvoiementとtutoiementの違いと使い分け方法を詳しく解説!フランス語の敬語表現も紹介
「メルシー」以外の表現で「ありがとう」をフランス語で伝える方法
日本語の場合、言い方やトーンで異なるニュアンスの感謝の意を伝えることが出来ます。
友達同士であれば、「ありがと!」「あんがと!」「ありがとうね!」「ほんっとにありがとう!」など、「ありがとう」のバリエーションは豊富です。
でも、Merciにさらに一言添えると、ニュアンスを付け加えることができますのでご紹介します。
ニュアンス別のありがとうの表現
Merci bien!
(カジュアルにありがとうと言いたいとき)
Merci du fond de cœur.
(心からありがとうと言いたいとき)
Merci d’avance.
(何か頼みごとをしたりして、先にお礼を言いたいとき)
Merci quand même.
(何かをしてくれようとしたけど、結局できなかった相手に対してのお礼表現)
Merci encore!
(すでにお礼は言っている上で、さらにもう一度感謝を伝えたいとき)
Merci mille fois! Mille mercis!
(熱意を込めて感謝を伝えたいとき)
まとめ
「ありがとう」と感謝の意を表現するためのフランス語フレーズを色々とご紹介しました。
あのスーツケース事件の時、「私も“Merci pour votre aide, Monsieur! C’est très gentil!”くらい言えていたらなぁ」と、今でも思います。
お礼の気持って、きっちり伝えることができないと、それはそれでモヤっと感が残ってしまいますよね。
あの時のムッシュー、今更ですが本当にありがとう!
あのときの男性がこの記事を読むことはないでしょうが、改めて感謝の意を伝えたいと思います。
フランス文学部出身|DELF B2、仏検準一級
仏検準1級にはフランス語を勉強し始めて2年で合格。
大学卒業後はワイン商社でフランス産ワインを担当。
嫌なことは寝て忘れるオプティミスト。
好きなことや将来の夢などについては、詳しいプロフィールでご紹介しています。