フランス人が日本のことを好きなのはなぜ?アニメや漫画以外の魅力とは?

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フランス人をイメージする時、「自己主張が強い」「個性的」「おしゃれ」「グルメ」という言葉がパッと浮かびますね。

そしてフランス人は、ワインでも観光地でも何でも「フランスが世界で一番!」なんて、まじめな顔をして言うくらい、「Chauvin(e):盲目的な愛国主義者」とも言われます。

でも、そんな彼らをうならせるのが「JAPON」。

この記事では、フランス人が日本を好きになる理由と、私たちが見過ごしている日本の魅力をご紹介します。

こんにちは!フランス人と結婚したエミレーヌです。

たくさんのフランス人と出会う機会が増えて気がついたことは、日本や日本人を好きな人が多いことです。

私が日本人だとわかると、日本式にお辞儀して挨拶をしてくださったり、カタコトの日本語を使ってくださったりして、その言動には尊敬と親近感が込められている印象を受けました。

きっとそういう方たちは日本のことが好きで、興味を持ってくださるからなのでしょう。

では早速、「フランス人が日本を好きな理由」を考察してみたいと思います。

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訪日フランス人動向から考察!フランス人が日本を好きな理由とは?

一見、保守的に見えるフランス人ですが、実は好奇心が旺盛な人も多いです。

日本が好きなフランス人は、日本のどんなところに好奇心をかきたてられ、日本を好きになっているのでしょうか?

フランス人の興味の対象を、フランス人観光客の動向から分析してみました。

増加し続ける訪日フランス人

日本が好きなフランス人の中には、実際に訪日して「日本を体験したい」と思う人が年々増えています。

訪日するフランス人観光客の推移をご覧ください。

出典:JTB総合研究所データよりFétude作成

2011年は東日本大震災、2020年はパンデミックで落ち込んでいますが、2004年あたりからフランス人観光客が増え、2019年は1990年の約12倍、27万人のフランス人が日本を観光しました。

これはフランス人が日本に興味を持っていることに加えて、日本政府が「インバウンド政策」、つまり「観光」を産業として経済活性化を図る政策を打ち出したからです。

航空運賃の値下がりや、ネットで情報が取りやすくなったことなどもあり、フランス人が気軽に日本に旅行できるようになりました。

フランス人に人気の訪日時期は「桜」の季節

フランス人の訪日が最も多い季節は4月で、「」が目的だそうです。

インスタなどのSNSで発信される見事な「SAKURA」を知って、「実際に自分の目で見たい!」と、わざわざ桜の時期に合わせる人が多いとのことでした。

初めての観光先は大都市、二度目以降は地方が人気!

フランス人観光客の特徴はリピート客が多いということです。

フランス人が再来日するということは、日本を好きになってくれた証明とも言えるのではないでしょうか?

最初は「東京」「京都」「大阪」の定番を観光し、二度目以降は「金沢」「高山」「白川郷」「広島」「宮島」などの地方に足を伸ばしています。

(出典:データでわかる訪日フランス人観光客 | 訪日ラボ

フランス人の旅行は「体験型」

日本の伝統文化に興味を持つフランス人には、書道、茶道、着付け、料理などが体験できるアクティビティが好まれるようです。(出典:日本政府観光局インバウンド最新リポート 30

夏の京都では浴衣姿の観光客が多く見られますね。

また、歌舞伎などの芸術鑑賞も「体験」の一つに数えられています。

ここ数年は、例えば飛騨の伝統的な民家に宿泊して布団で寝たり、家庭料理を食べたりして、日本人の普通の生活を体験することも人気とか。

もちろん「旅館:Ryokan」で過ごすことも日本文化の体験の一つとして挙げられています。

それから、日本食はもちろん、フランスにはない「コンビニ」も人気があって、「お菓子」が一番買われているそうです。

「Bento」は今ではフランス語になっていて、エミレーヌは一時帰国した時に、フランス人の友人に「日本っぽいお弁当箱を買ってきて。」と、頼まれました。

日本好きのフランス人には欠かせない!?日本のアニメや漫画の魅力とは

日本が好きになるフランス人には「日本の漫画やアニメが好きだから」という人がたいへん多いです。

フランスにおける日本アニメ事情

フランス人の義理の家族の話によると、フランスでは70年代ごろから日本のアニメが放映されていたようです。

グレンタイザー:(仏題『ゴールド・ラック』)』『キャンディ・キャンディ』の視聴率は非常に高かったそうです。

その後も『ドラゴンボール』『キャプテン翼』など、切れ目なく日本のアニメはフランス人を魅了していったとか。

このことを危惧したフランス政府は、一時「欧州の文化的価値の保護」という名目で、アメリカや日本アニメの放映に規制をかけたようです。

90年代の半ばには、日本のアニメがほとんどテレビで放映されなくなった時期もあったとのこと!

当時のフランス政府のフランス文化離れへの危機感が相当なものであったことを感じさせますね。

しかし、90年代後半からは『ポケモン』が放送され、結局はテレビの放映が再開されました。

その後も「宮崎アニメ」や『ONE PIECE』などが続いて人気を博し、今では日本のアニメやマンガ関係のイベントなども行われています。

フランスにおける日本漫画:MANGA事情

「MANGA」は、フランス語にもなっています!

フランスで読まれる日本の漫画の値段は1冊約7ユーロ(2021年8月時点で約900円)で、少年・青年・少女漫画のうち、少年漫画が過半数を占めています。

フランスに最初に登場した漫画は80年代の『AKIRA』、その後『ドラゴン・ボール』で大ブレイクしたようです。

2020年の売上No1は『NARUTO』で、次は『鬼滅の刃』、また『呪術廻戦』も人気が上がってきており、年々仏訳される漫画の種類が増えてきました。(出典:Voici la liste des BD les plus vendues en France en 2020

そしてフランス人がアニメや漫画を好きになると、作品を通じて日本の食べ物、学校生活、日本語の響きに興味をもち、その結果、日本のことを好きになってくれたようで、フランス人の発信などからその様子がうかがえます。

フランス人YouTuberが語る、愛すべき日本とは

YouTubeで日本について発信する、YouTuberも注目されています。

その代表格は今や1400万人の登録者をもつ「Cyprien」で、2010年ごろに日本旅行の見聞記を面白おかしく取り上げて有名になりました。

ウォッシュレットや、日傘をさしてアームカバーをする女性、「いらっしゃいませー」とたくさんの店員さんが一斉に言うことなどが奇妙だと突っ込むシーンに、日本人のエミレーヌも大爆笑したものです。

また「ドラゴン・ボール」の発音は、「Do La Gon Bolou 」と発音すると、日本人の店員さんに通じるなど、お役立ち情報も話していました。

Cyprienに刺激を受けたのか、その後次々に日本旅行をして動画に上げるYouTuberが出始め、日本に移住して日本から発信するフランス人YouTuberも出てきています。

例えば、「bebechan-日本のフランス人」!

この「オレちゃん」こと、フランス人YouTuberのオレリアンは、最初、日本人の奥さんと恋愛などについて英語で発信していました。

その後2021年にフランス語に切り替えて、日本とフランスの文化の違いを発信し始めたところ、急激に登録者数が増えました。

その登録者のほとんどが日本人だそうです。

日本語で字幕がついているので、リスニングの勉強にどうぞ。

「オレちゃん」は動画の中で、よく日本が好きな理由を以下のようにあげています。

  • 現代的な部分と伝統的な部分が共存していること
  • 街がきれい
  • 家庭の照明が面白い
  • 電車が定刻
  • エアコンが標準装備
  • コンビニが便利
  • 安全性が高い
  • 日本人のサービスの良さ
  • 日本人の心の温かさ
  • ありったけのものを提供してくれる心の優しさ
  • などなど

また、日本にあってフランスにないものとして、下記をあげています。

  • アイスコーヒー
  • 無料で清潔な公衆トイレ
  • レストランの食券機
  • 飲み放題

まとめ

オルレアンのように、日本のことが好きなフランス人が日本のことを掘り下げてくれるのは、嬉しいことですね。

ところで、エミレーヌ家は漫画『鬼滅の刃』のファンです。

日本に遅れること8か月、待望の映画がフランスで公開された時には、住んでいるスイスのジュネーブからお隣のフランスまで張り切って遠征して観に行きました。

フランス人は映画を見る時「字幕を読むのが面倒なので吹き替えを好む」と言われているのに、なんと、予約が取りにくかったのは吹き替え版ではなくて、日本語版の方でした。

フランスの鬼滅ファンは声優さんにまで凝っているから、がんばって字幕を読む努力を払っても日本人の声優さんの声で観たいのだとか。

普通ならポリポリとポップコーンの音が聞こえるのに、しーんと静まり返って「全集中」。

エミレーヌ一家はそんなフランス人の姿勢に親近感を覚えて、ホワホワして帰りました。

日本は昔から歌麿や北斎などの芸術が、フランス芸術に大きな影響を与えてきましたが、今もこうやってサブカルチャーなどがフランス人の心に刺さっているのですね。

日本の外に出てみて、初めて気づく日本の良さを認識することがあるので、こういったお話を今後もお伝えできればいいなと思っています。

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