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だから描き続ける!
歳をとることに不安を感じたことはありませんか?
年齢を重ねることを悲観的に捉えている方にぜひ見ていただきたいのが、この記事でご紹介する2013年公開の映画『ルノワール 陽だまりの裸婦(原題:Renoir)』です。
映画の原作は写真家ジャック・ルノワール(Jacques Renoir)の伝記「Renoir Le Tableau amoureux」https://www.babelio.com/livres/Renoir-Le-Tableau-amoureux/401213。
日本でも大変人気のある彼の人生を通して、人間が生きていくということを描いた本作品は、カンヌ映画祭の公式セレクション「ある視点」で上映され話題となり、米国アカデミー国際長編映画賞のフランス代表作品にも選ばれました。
20世紀初頭の衣装やセットを見事に再現し、セザール賞では衣装デザイナー賞を受賞しています。
それでは早速、本作品のあらすじと、画家ルノアールの息子ジャン・ルノワール(Jean Renoire)について解説していきます。
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晩年の傑作「浴女たち」誕生秘話がここに!映画『ルノワール 陽だまりの裸婦』のあらすじ
1915年、南仏コート・ダジュールに位置する画家ピエール=オーギュスト・ルノワール(Pierre-Auguste Renoir )の自宅に、一人の美しく若い女性が訪ねてきます。
アンドレ(Andrée)と名乗るこの女性は「ルノワール夫人に絵のモデルをやらないかと言われてきた」といい、画家をドキッと驚かせます。
ルノワール夫人はつい先日、亡くなったばかりなのです。
失意の中にいたルノワールですが、運命を感じアンドレをモデルとして受け入れたのです。
彼女のハキハキとした性格やその美しさに惹かれていったルノワールは、筆を持つこともままならないリウマチ性関節炎のプルプル震える手で彼女の絵を描き始めます。
そんな中、戦争に行っていた次男のジャン(Jean)が、足を負傷し療養のため自宅に戻ってくるのですが……
画家ルノワールの息子ジャン・ルノアールとは
映画『ルノワール 陽だまりの裸婦』のキーパーソンであり、画家ルノワールのファンの方には「ガブリエルとジャン(Gabrielle Renard et Jean)」や「縫い物をするジャン(Jean Renoir cousant)」のモデルとして知られる息子ジャン・ルノワール。
ここでは、そんな彼の人生を見ていきましょう。
奥さんのために映画監督へ!
画家ルノワールの最後のモデルだったアンドレ・エスラン(Andrée Heuschling)と結婚したジャン・ルノワール。
もともと映画好きだった彼ですが、ハリウッド映画女優に憧れていた妻アンドレの夢を叶えるために、なんと映画監督になります。
そしてこの頃からアンドレはカトリーヌ(Catherine)という芸名を名乗り始めます。
フランスを代表する映画監督へ
映画『水の娘』の翌年にはエミーユ・ゾラ(Émile Zola)の小説をベースとしたアンドレ主演の映画『女優ナナ(Nana)』を発表。
その後も作品を発表し続けますが、残念なことに興行的ほとんど振るわずに終わります。
しかし、その前衛的で芸術性の高い作品から、フランスを代表するサイレント映画の巨匠となっていくのです。
トーキー映画と破局
1931年、フランスで初のトーキー映画となる『牝犬(La Chienne)』。
ジャン・ルノワールがヒロインにジャニー・マレーズ(Janie Marèse)という若手女優を起用しました。
自分を出演させなかったことに激怒したアンドレは、ルノワール監督に対して怒りをあらわにします。
ハリウッドへ進出
第二次世界大戦の戦火を避けるため、ルノワール監督をはじめ多くのアーティストがアメリカへ亡命します。
アメリカに到着後20世紀フォックス映画(現在の20世紀スタジオ)と契約し、1941年ハリウッド映画第一作目となる映画『スワンプ・ウォーター(L'Étang tragique )』が公開。
最後の映画
ハリウッドでの成功後、1952年、戦後間もないフランスに戻り映画を制作していきます。
しかしテレビが普及されていくと、次第に映画産業のシステムに疑問を持ち始め、テレビ映画に参戦していくのです。
『捕えられた伍長』(Le Caporal épinglé)
晩年はアメリカへ
晩年はアメリカへ戻り、父親である画家ルノワールにまつわる本や自伝を執筆し始めます。
1975年、彼の映画界への貢献がたたえられ米国アカデミー名誉賞を受賞。
米国アカデミー名誉賞を受賞から4年後、自宅があったビバリーヒルズで息を引き取り、フランスのオーブ県にあるルノワール家の墓に埋葬されました。
まとめ
老いと病に苦しみながらも、傑作を生み出した画家ルノワール。
彼の晩年を描いた映画『ルノワール 陽だまりの裸婦』は、米国アカデミー国際長編映画賞をはじめと、数々の国際映画祭にノミネートされた秀作です。
本作品のキーパーソンであるルノワールの次男ジャンは、映画監督としてフランスとアメリカに貢献。
フランス語の学習者だけでなく、これからフランスへ旅行される方にも、渡航前にぜひ見ていただきたいフランス映画の一本です!
その他、2000年以降に米国アカデミー国際長編映画賞のフランス代表作として出展された作品の関連記事はこちらをご覧ください。
ヌーヴェルヴァーグの道を開いたと言われるルノワール監督。
フランス・パリ在住の、気分は二十歳の双子座。
趣味はヨーロッパ圏内を愛犬と散歩することと、カフェテラスでのイケメンウォッチング。
パリ市内の美術館ではルーブル美術館、オルセー美術館とポンピドーセンターがお気に入り!
好きな映画は70代80年代のフレンチ・コメディ。
オススメや好きな作品は詳しいプロフィールで紹介しています。