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2017年に公開されたフランスのロマンティック・コメディ映画『おとなの恋の測り方(Un homme à la hauteur)』。
女性なら誰もが夢見る『白馬に乗った王子様』が、あまりにも想像とかけ離れた姿で現れた!
もしも本気で好きになった男性の身長が136cmしかなかったら… あなたはどうしますか?
オトコの価値は何で決まるのか?幸せを決めるものとは一体何なのか?
この記事ではフランス映画『おとなの恋の測り方』のあらすじ、キャストと見どころをご紹介します。
ぜひ「自分に問いかけながら」本編を観て頂ければと思います。
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フランス映画『おとなの恋の測り方』のあらすじ
敏腕弁護士のディアーヌ(Diane)は毎日仕事に明け暮れる日々。
3年前に離婚した元夫は仕事のパートナーをしているが、オフィスで顔を合わせれば喧嘩ばかりでウンザリ。
そんなある日、ディアーヌの携帯を拾ったという男性 アレクサンドル(Alexandre)から、自宅に電話がくる。
知的でユーモラスな彼との会話を楽んだディアーヌは、携帯を受け取るためにアレクサンドルと会う約束をする。
ドキドキしながら待つ彼女の前に現れたのは、なんと自分よりも40cmも身長の低い男性だった!
期待はずれで動揺を隠しきれないディアーヌだったが、魅力的な彼の人柄に惹かれ、デートを重ねる関係に。
いつの間にか本気になっていくが、どうしても身長のことが気になって頭から離れない!
果たして2人の恋はうまくいくのか?!
『おとなの恋の測り方』の主演キャストは『アーティスト』のジャン・デュジャルダン
この映画の主人公、超低身長のアレクサンドル役を演じたのは、あの『アーティスト(The Artist)』で主演男優賞を受賞した ジャン・デュジャルダン(Jean Dujardin)です。
ジャン・デュジャルダンは、実際は182cmもの長身の持ち主ですので、この作品では色んな方向から撮影したり加工することで体を小さく見せていたそう。
正直、最初見たときは本当に小柄な俳優を起用してつくられた映画なのだと信じ込んでいたくらい不自然さがなく、実はあのジャン・デュジャルダンだったと知った時には驚いたほどです。
彼の演技力にはもちろんですが、監督や、撮影に関わったスタッフたちにも脱帽です。
ちなみにですが、ジャン・デュジャルダンは『アーティスト』で主演男優賞を受賞した際にスピーチで、興奮のあまり公式の場で“Putain!”と叫んでしまったことで少し有名になりましたよね。
「ジャン・デュジャルダンって誰だっけ?」と思っている方も、この話を聞いて思い出したのでは?
フランス語の“Putain”には良い意味もあるって本当!?“Merde”や“pute”との違いを例文付きで紹介
フランス映画『おとなの恋の測り方』の見どころ
身長差カップルのラブストーリーなんて、ありがちな恋愛映画に感じませんか?
私も最初はそう思い、何気なく観ていたのですが、知らない間に一緒に悩み、深く考えさせられている自分がいました。
日常の気がつかないところで向けられる偏見の目。
他人基準でつくられる自分の理想。
誰かと比べないと幸せを見つけられない、そんな人生を歩む私たちみんなに向けたメッセージがたくさん詰まっています。
そんな中、アレクサンドルの息子 ベンジ(Benji)の存在は、観ている人に衝撃を与えます。
後半、身長のせいでディアーヌとの関係がうまくいかず落ち込むアレクサンドルは、ベンジに問いかけます。
Comment tu me vois? Ça t’a jamais dérangé ma taille?
「お前に俺はどう見える?俺の身長が気になったことはないのか?」出典:フランス映画『おとなの恋の測り方』
ベンジはまっすぐにアレクサンドルの目を見ながらこう言います。
Quand j’ étais petit, on n’était pas compte. J’ai commencé à voir regarder des gens sur toi à l’adorésance.
Mes copain, leurs parents, les élèves de ma class… Mais je m’en foutais. Parceque toi, tu t’en foutais.
「小さかった頃は分からなかった。父さんに向けられる目に気づき始めたのは10代の頃。友達やその親、クラスの子達… でもそんなのどうでもよかった。だって父さんが気にしてなかったから。」出典:フランス映画『おとなの恋の測り方』
更に、今度はベンジがアレクサンドルに「体が小さいことで苦しんできたのか」と問うと、こう答えるのです。
Evidemment ça me fait souffrir. Parfois on me regarde tort, parfois on me voit pas. Je suis comme si je m’en foutais mais je mens.
Je mens à moi-même, aux autres, à toi.
「もちろん辛いさ。みんなから奇異の目で見られたり、小さすぎて見えていないこともある。気にしていないように振舞っているけど、それは嘘をついているんだ。自分自身にも、みんなにも、お前にも。」出典:フランス映画『おとなの恋の測り方』
父親の本心を知ったベンジは、こう言います。
C’est pas de mensonge. C’est de courage, papa. Et la dignité, c’est ça que je vois chez toi. La dignité.
「それは嘘じゃない。勇気だよ、父さん。品位、これこそ俺が父さんの中に見えるものだよ。品位さ。」出典:フランス映画『おとなの恋の測り方』
最初はこのベンジ、無職でどうしようもないやつなのかな、と思っていたのです。
所々でアレクサンドルからお金を借りたりするし…
しかし、初対面のディアーヌに対してアレクサンドルのことを誇らしげに話す姿や、空港でのシーンでは、親子2人の計り知れない深い愛情と、アレクサンドルの父親としての頼もしい姿に思わずハッとさせられます。
更に最後にこのシーンでベンジの美しい心を見せられ、2人を見ていると心が洗われるような、本当に気持ちが安らかになる不思議な感覚を覚えます。
この作品はただの恋愛物語ではなく、親子の愛や、人間の心の中に潜む見えない葛藤など、様々なことに触れられた深い話なのです。
観ていて一緒に考え、成長させてくれるストーリーになっています。
まとめ
フランス映画『おとなの恋の測り方(Un homme à la hauteur)』のあらすじと見どころをご紹介しました。
ただのありきたりな恋愛映画と思って侮ることなかれ、本当に深く心が暖かくなるストーリーです。
コメディタッチなので、暗い気持ちにもならず楽しみながら観ることができますよ。
みんなとても聞き取りやすいフランス語で話しているので、フランス語の勉強にももってこいの映画となっています!
フランス文学部出身|DELF B2、仏検準一級
仏検準1級にはフランス語を勉強し始めて2年で合格。
大学卒業後はワイン商社でフランス産ワインを担当。
嫌なことは寝て忘れるオプティミスト。
好きなことや将来の夢などについては、詳しいプロフィールでご紹介しています。