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突然ですが、みなさんに質問です。
「政治」に対してどのようなイメージを持っていますか?
日本では、家族や友達同士との会話でテーマになることは、ほとんどないですよね。
しかし、フランスでは避けて通れない話題の一つなのです。
「政治はむずかしい!」「よくわからない!」「そもそも興味がない!」
という方に是非見ていただきたいのが、今回ご紹介するフランス映画『アリスと市長(Alice et le Maire)』です。
主演は、高年齢化社会の家族の在り方を描いた映画『海辺の家族たち』に出演していたアナイス・ドゥムースティエ(Anaïs Demoustier)と、映画『Paris(パリ)』で女子大生に恋をするソルボンヌ大学の教授を演じたファブリス・ルキーニ(Fabrice Luchini)。
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大学を卒業して間もない主人公のアリス(Alice)が、リヨン市庁舎に勤めることをきっかけに政治の世界を垣間見る姿を映した本作品は、2019年にフランスで公開され大ヒットしました。
それでは早速、映画『アリスと市長』のあらすじと、映画をもっと面白く見るためにフランスを代表する6つの政党をご紹介します。
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「考える」を考える!映画『アリスと市長』のあらすじ
フランス文学と哲学を専攻し、大学卒業後、教師としてイギリスのオックスフィールドで暮らしていた、今時のごくごく普通の女性アリス・アイマン(Alice Heimann)。
学生時代を過ごしたフランス第二の都市リヨンの市庁舎で仕事が見つかったことをきっかけに、フランスに戻ってきました。
ウキウキと心を弾ませ出勤したアリスに言い渡された任務は「市の発展や活動を考える」こと。
仕事部屋とパソコンだけをポイッと渡されるのですが、具体的に何をやったらいいのかわからない彼女。
そんなある日、突然テラノー(Théraneau)リヨン市長と会見するように上司から言い渡されます。
戸惑いながらも市長室に通されたアリスの前にいたテラノー市長は、オドオドとしクタクタに疲れている様子でした。
そしてテラノー市長からポツッと思いもよらない「告白」を受けます。
それは「何も考えられなくなってしまった」というもの。
希望や野心を持って政治の世界に入り、40年近くに渡って活動をしているうちに、何が何だかわからなくなってしまったというのです。
そしてテラノー市長は「私の代わりに考えてくれないか」という任務をアリスに与えるのですが……
フランス学習者必見!フランスを代表する6つの政党の特徴とは
本作品でも重要なテーマになっている「政治」。
政党のカテゴリー
フランスの政党は大きく分けて下記の5つのカテゴリーに分けることができます。
-
- 極左
- 中道左派
- 中道
- 中道右派
- 極右
それぞれのカテゴリーを代表する政党とその特徴、そして党首を見ていきましょう。
極左:不服従のフランス(La France Insoumise、略称LFI)
2022年の大統領選挙で3位の投票結果を出したジャン=リュック・メランション(Jean-Luc Mélenchon)が設立した政党。
特徴は、民主社会主義(民主主義による社会主義)及び、グローバリズム(国単位ではなく、世界を一つの共同体とする考え)、反人種差別(人種による差別反対、そして移民受け入れを積極的に行う考え)そしてエコロジー。
党首はアドリアン・カテナンス(Adrien Quatennens)。
中道左派:社会党(Parti Socialiste)
第21代ミッテラン(Mitterrand)大統領と第24代オランド(Hollande)大統領を生み出した政党。
民主社会主義、グローバリズムの立場をとっています。
党首はオリヴィエ・フォール(Olivier Faure)。
中道左派:ヨーロッパ・エコロジー=緑の党(Europe Écologie - Les Verts、略称EELV)
中道左派の中で、2022年現在、一番勢いのある政党で、世界グローバルグリーンズ(環境を守ることを軸とした政治団体)に所属し、グローバリズム、エコロジーに加え欧州連合支持のポジションをとっています。
党首はジュリアン・バイウー(Julien Bayou)。
ちなみに、実際のリヨン市長選挙では、2001年から市長を務めていた社会党(のちに共和国前進)のジェラルド・コロンブ(Gérard Collomb)が敗れ、2020年からEELVのグレゴリー・ドゥーセ(Grégory Doucet)が市長になっています。
中道:共和国前進(La République En Marche!、略称: LREM)
第25代マクロン(Macron)大統領が立ち上げた新しい政党で、親欧州主義、自由主義、グローバリズムを進めています。
党首はスタニスラ・ゲリニ(Stanislas Guerini)。
中道右派:共和党(Les Républicains、略称LR)
第22代シラク(Chirac)大統領や第23代サルコジ(Sarkozy)大統領を輩出している政党。
保守主義、キリスト教民主主義(キリスト教の教えを軸にした民主主義)、ド・ゴール主義(国家資本主義)。
党首はアンヌ・ジェヌヴァール(Annie Genevard)。
極右:国民連合(Rassemblement National、略称RN)
2017年と2022年の大統領選挙でマクロン大統領と接戦したマリーヌ・ル・ペン(Marine Le Pen)が所属する党。
フランスナショナリズム、国民保守主義、グローバリズムを掲げ地方で根強い人気を誇ります。
党首はジョルダン・バルデラ(Jordan Bardella)。
まとめ
大学を卒業したての主人公のアリスを通して、新しい世代に移り変わっていくフランスの姿を描いた映画『アリスと市長』。
ストーリー自体は難しくありませんが、フランスの政治を知っていないとわからない部分が多いので、映画のテーマを理解するのは簡単ではありません。
高校生くらいからすでに政治的考えを持っている国、フランス。
この映画をきっかけに、フランス語と共にフランスの政治も一緒に学んでいきましょう!
フランス・パリ在住の、気分は二十歳の双子座。
趣味はヨーロッパ圏内を愛犬と散歩することと、カフェテラスでのイケメンウォッチング。
パリ市内の美術館ではルーブル美術館、オルセー美術館とポンピドーセンターがお気に入り!
好きな映画は70代80年代のフレンチ・コメディ。
オススメや好きな作品は詳しいプロフィールで紹介しています。