※当ブログにはプロモーションを含みますが、記事内容は公平さを心がけています。
古き良き時代の「カフェ」、ここにあり!
フランスのカフェと聞くと、みなさんはどのようなイメージを思い浮かべますか?
フランスを特集した雑誌やテレビ番組の影響で、次のような憧れを持つ人も少なくないでしょう。
- おしゃれなパリジャンやパリジェンヌが集うところ
- 心地よい空間
- 美味しいランチが楽しめる場所
世界に名立たる芸術家や文豪たちに愛されたカフェ・ド・フロールやレ・ドゥ・マゴは、2023年現在も観光地として世界中からたくさんの人が訪れています。
フランスのカフェ文化に触れてみたい!と思っている人にぜひ見ていただきたいのが、大人気のシリーズ短編小説を映画化した『Brèves de comptoir(読み方:ブレーヴ・ドゥ・コントワール)』です!
それでは早速、フランスで大ヒットした日本未公開(2023年1月現在)の映画『Brèves de comptoir』のあらすじと、原作にまつわるエピソードを紹介していきます。
※当ブログにはプロモーションを含みますが、記事内容は公平さを心がけています。
フランスのカフェ文化とはこのことだ!『Brèves de comptoir』のあらすじ
パリの郊外の小さなカフェ「イロンデル(Hirondelle、つばめ)」。
墓場の前に位置するこの昔ながらのカフェには、6時半のオープンとともに、
いつも酔っ払っている男性ラ・ムール(ムール貝)
何をやっても痩せないと文句を言いながらワインを飲む郵便配達の女性
毎日同じ時間に立ち寄ってビールを頼む若者
ロトで当たった試しがない!と文句を言う清掃員
など、次々と常連がやってきて、いつものようにコントワール(バーカウンター)を陣取ります。
初めてカフェにやってきた「訳あり」風なカップルを観察したり、テレビや新聞で見たニュース、そして人から聞いたうわさ話など、絶え間なくおしゃべりしてはカフェを出て、しばらくするとまた戻ってくる人々。
毎日何もないのに何かがあるこのカフェで、この日も22時半の閉店時間に「閉店できない」訳があるのですが…
原作にまつわるエピソードを紹介
原作となった短編小説をもとに映画化され、フランスで大ヒットした『Brèves de comptoir』。
ここではより映画を面白く見るために、短編小説「Brèves de comptoir」にまつわるエピソードを紹介していきます。
短編小説「Brèves de comptoir」
カフェの常連を描いた短編小説「Brèves de comptoir」。
数々の賞を受賞し大ヒットした本小説の原作者ジャン=マリ・グーリオ(Jean-Marie Gourio)は、1976年に創刊された伝説の月刊風刺雑誌「アラキリ(Hara-Kiri)」の立ち上げメンバーであり、2年後には同雑誌の編集長も務めていました。
表紙には、なんと赤い背景に切腹侍が描かれていたもあることほど、挑発的、嘲笑的でときには猥雑な風刺画を掲載した、かなり辛辣な風刺を盛り込んだ雑誌でした。
その「アラキリ」精神は、後に週刊誌「シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)」に受け継がれていきます。
そんな社会風刺を得意としたジャーナリストであるジャン=マリ・グーリオが、常連として通っていたカフェで出会う人々をモデルに描いたのが、小説「Brèves de comptoir」なのです。
テレビシリーズ、そして舞台
小説「Brèves de comptoir」は1987年に発表されるとたちまちベストセラーに!
翌年の1988年には、大人気テレビドラマシリーズ『Palace』の「Brèves de comptoir de Palace」というミニコーナーで映像化されます。
その後小説「Brèves de comptoir」は1994年から1999年まで舞台で上演されます。
2015年の最終巻
2015年1月、週刊風刺雑誌「シャルリー・エブド」の事務所が、イスラム過激派のテロ行為により編集長、風刺漫画家など合わせて12人が亡くなります。
行きつけのカフェに行くたびに常連たちの間でシャルリー・エブド襲撃事件が話題になり、次第にカフェ自体に行くことが苦痛になってしまったジャン=マリ・グーリオ。
カフェでの人間観察ができなくなったことを境に、彼は「Brèves de comptoir」を「閉店」することを決意しました。
まとめ
毎日何もないのに何かがあるカフェの開店から閉店の1日を描いた、フランスの大ヒット映画『Brèves de comptoir』。
アクションはほとんどなく、ただただカフェの常連たちがおしゃべりするというストーリー展開なので、本作品を理解するためにはある程度のフランス語力が必要です。
アンドレ・デュソリエやヨランド・モローなど、フランス映画界で活躍する豪華俳優陣が「カフェにやってくるちょっとおかしな登場人物」を見事に演じています。
映画の元になったのは、社会風刺ジャーナリストであるジャン=マリ・グーリオが、行きつけのカフェの常連たちをモデルに書いた大人気のシリーズ短編小説「Brèves de comptoir」。
ちょっとフランス語力が必要ですが、これからフランスへ留学・移住を目指す方におすすめの映画です!
・映画『Tanguy』のあらすじと、フランスで増えている「タンギー現象」とは
・フランス映画『Tout s’est bien passé』のあらすじと、世界の「安楽死」許可国とは
・アメリ(映画)は意味不明?内容がよくわからない方向けにあらすじ(ネタバレ有り)を最後の結末まで紹介
・フランス映画『I Feel Good』のあらすじと、フランス最大の非営利団体「エマウス」とは
フランス・パリ在住の、気分は二十歳の双子座。
趣味はヨーロッパ圏内を愛犬と散歩することと、カフェテラスでのイケメンウォッチング。
パリ市内の美術館ではルーブル美術館、オルセー美術館とポンピドーセンターがお気に入り!
好きな映画は70代80年代のフレンチ・コメディ。
オススメや好きな作品は詳しいプロフィールで紹介しています。