※当ブログにはプロモーションを含みますが、記事内容は公平さを心がけています。
学校で何を教えることができるのか?
観光客をはじめワーキングホリデーの若者や語学留学、そして大学進学の日本人留学生が少しずつフランスに戻ってきている2023年現在。
これからフランス留学や移住を目指す方に超おすすめするのが、この記事でご紹介する映画『パリ20区、僕たちのクラス(原題:Entre les murs)』です。
移民の両親を持つ子どもたちの多種多様な考え方や人との接し方、授業内での教師とのやりとりを通して、フランスの授業風景を垣間見ることができます。
フランスで2008年に日本では2010年に劇場公開された本作品は、第61回カンヌ映画祭で最高賞とされるパルム・ドールを受賞。
それでは早速、映画『パリ20区、僕たちのクラス』のあらすじと、生徒たちのその後についてご紹介します。
※当ブログにはプロモーションを含みますが、記事内容は公平さを心がけています。
それはフランスに突きつけられている課題だった!映画『パリ20区、僕たちのクラス』
さまざまな人種と文化が交差するパリ20区。
そこに位置する中学校で行われた、教師を対象としたオリエンテーションの日。
この学校で教鞭をとって4年目になるフランス語教師のフランソワ(François)やその同僚たちが、和気あいあいと担当授業のある曜日を確認しながら生徒たちの情報を伝え合っています。
一見、普通と思える中学校ですが、実はZEP(zones d'éducation prioritaire)という、通常の授業についていくことのできない生徒たちのサポートをする「特別クラス」の設置が指定されている学校なのです。
いよいよ新学期。
24人の特別クラスの生徒たちは、教室に入ってくるなりぺちゃくちゃとおしゃべりを始めます。
授業が始まる時間になっても一向にガヤガヤと騒がしい教室内で、フランソワはある行動に出るのですが……
映画『パリ20区、僕たちのクラス』の生徒たちの「その後」
フランスで話題となった映画『パリ20区、僕たちのクラス』は、限りなくドキュメンタリーに近い「フィクション」。
原作となった『教室へ(Entre les murs)』は、作家フランソワ・ベゴドー(François Bégaudeau)が教師時代の経験をもとに発表した小説です。
スクリーンでリアルな演技を見せたのは、なんと演技経験の全くない普通の中学生たち!
ここでは、生徒役で出演していた子どもたちの「その後」を一緒に見ていきましょう。
2人のスターが誕生!
映画『パリ20区、僕たちのクラス』の出演をきっかけに、24人の生徒の半分近くが何らかの形で芸能界へ携わるようになっています。
ラバ・ネ・ウフェラ(Rabah Nait Oufella)
映画『パリ20区、僕たちのクラス』でラバ(Rabah)役として出演していたラバ・ネ・ウフェラ。
2012年から本格的に俳優の道を歩き始め、脇役として話題作に出演しながらキャリアを順調につんで行きます。
そして、2016年には映画『RAW少女のめざめ(Grave)』で、主人公が恋するゲイのルームメイト「アドリアン(Adrien)」を演じ一躍スターダムに踊りでます。
映画『RAW少女のめざめ』のあらすじと法規制されているフランスの問題伝統行事「ビズタージュ」とは
2023年現在、フランスのテレビ局Canal+の人気ドラマ『B.R.I』に出演。
最も注目される若手俳優の1人と言われています。
ルイーズ・グランベルグ(Louise Grinberg)
映画『パリ20区、僕たちのクラス』でクラス委員長を勤めたルイーズ(Louise)。
彼女もまた、本作品の出演をきっかけに女優の道を歩みます。
2011年からコンスタントに映画出演を果たし、2016年の映画『Tour de France(日本未公開)』でフランスの名優ジェラール・デュパルデュー(Gérard Depardieu)と共演を果たします。
ドキュメンタリー映画『Les Marches de Belleville』
映画『パリ20区、僕たちのクラス』では、演技経験のない子ども達の指導にあたっていた女優のブリジット・ティジュー(Brigitte Tijou)。
彼女がその「子どもたち」の10年後を追ったドキュメンタリー映画を制作。
それが『Les Marches de Belleville』です。
出演者の多くは、映画の舞台となったベルビル・メニルモンタン(Belleville-Ménilmontant)地区で生活をしているとのこと。
2019年に制作されたこのドキュメンタリー映画は、2023年現在、残念ながらネット上での公開は打ち切りとなってしまいました。
まとめ
フランスで2008年(日本公開2010年)に劇場公開され、第61回カンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞した映画『パリ20区、僕たちのクラス』。
全く演技経験のない実際の中学生がスクリーンの中で生き生き演じている姿は、まるでドキュメンタリー映画のように感じるでしょう。
子ども達の話すフランス語はかなり独特なので、語学学習の教材としては中級者以上の人が対象となります。
ただし、2023年の現在も抱えているフランスの問題が理解できるだけでなく、フランスで生徒たちがどのように授業に参加し、講師がどのように授業を進めていくのかを垣間見ることができるので、これからフランス留学や移住を目指す方に超おすすめの映画です!
その他、2000年以降に米国アカデミー国際長編映画賞のフランス代表作として出展された作品の関連記事はこちらをご覧ください。
フランス・パリ在住の、気分は二十歳の双子座。
趣味はヨーロッパ圏内を愛犬と散歩することと、カフェテラスでのイケメンウォッチング。
パリ市内の美術館ではルーブル美術館、オルセー美術館とポンピドーセンターがお気に入り!
好きな映画は70代80年代のフレンチ・コメディ。
オススメや好きな作品は詳しいプロフィールで紹介しています。