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時代に立ち向かう!
世間の常識が目まぐるしく変わっている2023年現在。
「あれ、これはおかしいんじゃないかなぁ……」と思っても、他者からの批判を恐れて、なかなか口にできないという人もいるのではないでしょうか?
そんな人におすすめなのが、この記事で紹介する2018年のフランス映画『あなたはまだ帰ってこない(La Douleur)』です。
原作は、1985年に出版されたマルグリット・デュラス(Marguerite Duras)の小説「苦悩」。
第二次世界大戦中の1944年、反ナチスを掲げて活動していたデュラスの体験をもとに描かれた作品を見事に映像化。
米国アカデミー国際長編映画賞のフランス代表として出品されました。
それでは早速、映画『あなたはまだ帰ってこない』のあらすじと、デュラスの小説を扱った映画作品4選をご紹介します。
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できることを私はやるだけ!映画『あなたはまだ帰ってこない』のあらすじ
1944年6月、ドイツの占領下にあったパリ。
作家のロベール(Robert)は、こっそりレジスタンスの活動に協力していた際に、ナチスの秘密警察ゲシュタポにガッと捕まってしまいます。
同じくレジスタンスを支持していたロベールの妻で、同じく作家のマルグリット(Marguerite)は、夫の国外追放後、パタっと連絡が途絶えてしまったことに苦悩するのです。
そんなある日、彼女はフランスのゲシュタポ捜査官であるラビエ(Rabier)という男性と知り合います。
マルグリットはなんとかロベールの消息を知ろうと、レジスタンス仲間の反対を押し切りラビエに近づいていくのですが……
マルグリット・デュラスの小説を扱った映画作品4選!
1940年代から亡くなる直前の1990年代までに、小説だけで約40作品も発表しているマルグリット・デュラス。
そのうち、映画『あなたはまだ帰ってこない』を含め、11作品が映画化されました。
ここでは、比較的わかりやすいものを中心に、おすすめの4作品をご紹介します!
1992年「愛人/ラマン(L' Amant)」
1984年に発表された小説「愛人 ラマン」は、フランス領のインドシナで育ったデュラスが16歳の時に出会った華僑の若者と実体験を元に書いた作品で、世界中で大ベストセラーとなりました。
発表から12年後、映画『薔薇の名前(Le Nom de la Rose)』を制作し、世界的に有名になったジャン=ジャック・アノー(Jean-Jacques Annaud)監督により映画化された本作品も大ヒット。
1950年「太平洋の防波堤(Un barrage contre le Pacifique)」
1950年に発表した小説「太平洋の防波堤」は、デュラスが母親の晩年の姿を描いたベストセラー作品。
名作『禁じられた遊び(Jeux interdits)』を手がけたルネ・クレマン(René Clement)監督により1958年に米伊合作で一度映画化され、2008年カンボジア人監督のリティ・パン(Rithy Panh)によりリメイクされました。
イザベル・ユペール(Isabelle Huppert)やギャスパー・ウリエル( Gaspard Ulliel)といったスターが勢ぞろいしたパン監督の作品は、フランス国内で大ヒットしました。
1960年「夏の夜の10時半(Dix Heures et demie du soir en été)」
1960年に発表されたサスペンス小説「夏の夜の10時半」は、1966年にヨーロッパを代表する大女優ロミー・シュナイダー(Romy Schneider)などの豪華キャストを集め、アメリカの映画監督ジュールズ・ダッシン(Jules Dassin)によって映画化されています。
その後、2015年にタイトルを『ORAGE』としてリメイク。
主演にマリナ・フォア(Marina Foïs)やサミ・ブアジラ(Sami Bouajila)、ヴァレリー・ドンゼッリ(Valérie Donzelli)などの実力派俳優をそろえ話題となりました。
1957年「タルキニアの子馬(Les Petits Chevaux de Tarquinia)」
イタリアの村でバカンスを過ごす友達グループを描いた1957年の作品「タルキニアの子馬」。
隠れた名作とされる本作品を現代風にアレンジしたのが2022年に公開された映画『AZURO』です。
映画やテレビで活躍する俳優マチュー・ロゼ(Matthieu Rozé)の監督デビュー作である本映画作品は、慣れない暑さの中、毎日何をするかで悩むバカンス期間がフランス人によって「人生を見直す機会」になっていることを映し出しています。
まとめ
第二次世界大戦中、反ナチスを掲げて活動していたデュラスの体験をもとに描かれたフランス映画『あなたはまだ帰ってこない』。
世間の流れに逆らって、自分の信念を貫いていく主人公マルグリットの姿に、思わず胸が熱くなります。
映画の原作である、1985年に出版されたデュラスの小説「苦悩」は、比較的読みやすいフランス語で書かれているため、中級以上のフランス語学習者におすすめです!
デュラス作品を知らない方にもぜひ見ていただきたい、おすすめの名作の一本です!
そのほかの米国アカデミー国際長編映画賞のフランス代表作品もチェック!
マルグリット・デュラスが脚本を手がけ、世界的ヒットとなった映画『二十四時間の情事』。
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若きマルグリット・デュラスを演じたメラニー・ティエリー。
フランスではお騒がせ俳優として知られているブノワ・マジメル(Benoît Magimel)。
フランス・パリ在住の、気分は二十歳の双子座。
趣味はヨーロッパ圏内を愛犬と散歩することと、カフェテラスでのイケメンウォッチング。
パリ市内の美術館ではルーブル美術館、オルセー美術館とポンピドーセンターがお気に入り!
好きな映画は70代80年代のフレンチ・コメディ。
オススメや好きな作品は詳しいプロフィールで紹介しています。