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フランス語には、「大晦日」の表現がいくつもあります。
和仏辞典を引くと出てくる「大晦日」の仏訳は「le dernier jour de l'année」ですが、ネイティブは他の方法で「大晦日」を表現します。
この記事では、フランス人がよく使う「大晦日」の表現とその発音の仕方、さらにはフランス人の年越し・大晦日の過ごし方についてご紹介します。
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「大晦日」はフランス語で何ていう?
「大晦日」のフランス語訳は、下記のとおりです。
大晦日
- le dernier jour de l'année
- fin de l'année
しかし、フランス人は「fin de l'année」や「le dernier jour de l'année」と言わずに、「la Saint-Sylvestre」と表現することがあります。
フランス人が「大晦日」を「la Saint-Sylvestre」と表現する理由とは
「la Saint-Sylvestre」の和訳は「聖シルヴェストルの日」です。
フランス人が「大晦日」を「聖シルヴェストルの日」と表現する理由は、キリスト教のカトリック教会と関係があります。
カトリック教会では、毎日「聖~の日」という「聖人の祝日」があり、12月31日は「聖シルヴェストル」の祝日に当たるため、フランス人が「大晦日」を「la Saint-Sylvestre」と表現するのです。
ちなみに、聖人が関連付けられたカレンダーは「Calendrier des saints(聖人暦、聖人カレンダー)」と呼ばれ、フランスのカレンダーには聖人の名前が記載されていることがあります。
大晦日の「晩」はフランス語で何ていう?
12月31日の当日は上述の通り「le dernier jour de l'année」や「la Saint-Sylvestre」と表現されますが、大晦日の「晩」にフォーカスが当たると、表現がまた変わります。
大晦日の晩
- la veille du jour de l'an
- la nuit de la Saint-Sylvestre
「la veille」は「前日」を意味する女性名詞で、祭りなどの場合は「前夜」の意味合いが強くなります。
「la veille du jour de l'an」は「jour de l'an(元旦)」の「前夜」という意味です。
一方の「la nuit de la Saint-Sylvestre」は、12月31日を意味する「la Saint-Sylvestre」の「la nuit」なので、「聖シルヴェストルの日の夜」という意味です。
どちらも直訳で、日本語の「大晦日」に比べると長ったらしい表現になります。
もっと短い表現で「大晦日の晩」を表す表現がないかと言うと、あります。
「le réveillon」です。
フランス語の「le réveillon」の意味と使い方
「le réveillon」は、「真夜中の夜食」「夜通しの祝宴」を意味する男性名詞です。
主に大晦日とクリスマス・イブの夜食を表現する時に使われます。
大晦日の祝宴 | Le réveillon du jour de l'an |
クリスマス・イブの祝宴 | Le réveillon du jour de Noël |
フランス人はクリスマス・イブではなくクリスマス当日を家族と祝うことが多いため、「Le réveillon du jour de Noël」ではなく、「Le dîner de Noël(クリスマスディナー)」を行うことの方が多いです。
一方で大晦日は友人同士で集まりホームパーティーをしたり、街に繰り出して夜通し騒いだりするので、「le réveillon」といえば「大晦日」を意味することが多いです。
なお、「le réveillon」と関連する動詞と名詞がありますので、一緒に覚えておくと良いでしょう。
réveillonner | (クリスマスイブや大晦日の)祝の夜食をとる |
réveillonneur,se | (クリスマスイブや大晦日の)祝の夜食をとる人 |
「大晦日」を一語で表す単語はないのに、「(クリスマスイブや大晦日の)祝の夜食をとる」や「(クリスマスイブや大晦日の)祝の夜食をとる人」の動詞や名詞が一語であるのが不思議です。
フランス人の大晦日の過ごし方
日本では、クリスマス・イブを恋人や友人と祝い、年末年始を家族で祝う方が多いかと思います。
しかしフランスでは逆で、クリスマスを家族で揃ってお祝いし、年越しの大晦日は恋人や気心知れた友人たちと賑やかにパーティーして過ごします。
「大晦日はハメをはずしていい日」と思われているらしく、若者は一年で一番「はっちゃける」イベント日として捉えているようで、パリのシャンゼリゼ通りは若者でごった返しになります。
ハロウィンの渋谷の交差点以上の盛り上がりです。
新年を迎える前は恒例のカウントダウンが始まり、新年を迎えると「Bonne Année」と叫びながら周りにいる人と「新年のキス」をします。
恋人通しであれば「いわゆる」キスをしますし、友人通しであれば「挨拶のキス」をします。
フランスには元々挨拶のキスの文化がありますが、大晦日のすごいところは、見ず知らずの人でも、隣の人と「挨拶のキス」をしまくるところです。
新年直後、パリのシャンゼリゼ通りは文字通り「キスの嵐」となります。