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『レオン』はアメリカのハリウッドに進出したフランスのアクション映画です。
カナダのケベック州では『プロフェッショナル』(Le professionnel)というタイトルになっています。
一方で、ラブストーリー映画とも呼べるこの作品は、演じる役者の熱演もあって、大ヒットとなりました。
特にマチルダを演じた、ナタリー・ポートマンは、この時わずか12歳。
この映画がデビュー作で、2,000人の候補者の中から選ばれたそうですが、彼女が見せた演技はデビュー作とは思えない、堂々たるものでした。
後にナタリー・ポートマンは、スター・ウォーズのパドメ・アミダラ役でその名を不動のものにします。
『レオン』のナタリーは、恐怖、小悪魔的な妖艶さ、哀しみなどの感情を、セリフがなくても十分に醸し出し、大人顔負けの存在感を示しました。
『レオン』はハードなアクションとタブーに迫っていて、ややもすると重くなりがちですが、ところどころに笑いがちりばめられていて、ホッと息抜きさせてくれます。
また、二人のファッションがおしゃれで、今この映画を観ても古さを感じさせません。
『レオン』は劇場公開されたバージョンと、1996年に22分間の未公開シーンを加えたDVDの『レオン完全版』があります。
今回は『レオン完全版』を踏まえてご紹介します。
監督は『グラン・ブルー』、『ニキータ』でおなじみのリュック・ベッソン(Luc Besson)です。
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『レオン完全版』のあらすじと主なキャスト
レオンはニューヨークに住むイタリア系の移民です。
実はイタリア料理店を営むトニーから契約をもらう、掃除屋(殺し屋)でした。
普段は人目を避けた、孤独な生活していますが、アパルトマンの隣人の娘、マチルダと知り合ってから彼の生活は一変します。
ある日、マチルダの家族が惨殺されてしまうのです。
レオンは助けを乞うマチルダを迷った末に助けてしまい、これがきっかけで二人の奇妙な同居生活が始まりました。
マチルダは大好きだった弟の復讐を果たすために、レオンに弟子入りを申し込みます。
最初はマチルダを持て余していたレオンですが、だんだんマチルダに愛情を感じ始め、安らぎを知って、マチルダのために生きようと思うようになります。
二人に訪れた穏やかな日々。
しかし、とうとう復讐相手との戦いの火ぶたが切られます。
レオン(Leon)
Léon: The Professional
Léon (Jean Reno)
Mathilda (Natalie Portman) pic.twitter.com/tF7kRHxfbT— SALAZAR movie (@MovieSalazar) February 19, 2021
主役のレオンを演じるのは、ジャン・レノ(Jean Reno)。
「完全版」では、どうしてレオンがニューヨークに流れて来たのかという過去がわかりますが、映画ではその部分がカットされています。
レオンは自分を庇護してくれたイタリア料理店のトニーとだけ接点を持ち、ルーティンワークの中で生きています。
大量の牛乳を飲み、体を鍛え、観葉植物の世話をし、夜は非常に備えて肘掛け椅子で寝る日々、そして時々「掃除の仕事」。
このルーティンワークしかなかった彼の生活に飛び込んできたのが、突然孤児になってしまったマチルダでした。
マチルダにイニシアティブをとられ、しぶしぶ自分の「仕事」の練習をさせるレオン。
しかし、彼女の出現で、レオンにどんどん人間らしい感情が芽生えてきます。
その顔には笑顔も見えるようになります。
そのつかの間の幸せの場所が突然、戦場に変わってしまうのでした。
マチルダ(Mathilda)
Léon: The Professional
Natalie Portman’s first film was phenomenal. She bodied the role of Mathilda. All star cast that actually worked: Nathalie Portman, Jean Reno and Gary Oldman. Directed by Luc Besson. *chefs kiss* pic.twitter.com/B65gk4sawr— briseida (@nnieleida) July 13, 2020
マチルダを演じるのは幼き頃のナタリー・ポートマン(Natalie Portman)です。
マチルダの家族構成は、実父と継母とその連れ子たちで、年齢は12歳。
唯一弟とは心が通じ合っていますが、他の家族とうまくいかず、寄宿舎に入れられます。
家族が殺された直後に帰宅しかけて犯行に気づき、犯人に家族の一人と気づかれないように機転を利かしてレオンに助けを求めます。
この時のナタリー・ポートマンの演技は、たいへん印象的に残りました。
彼女の恐怖心がひしひしと伝わってきて、ハラハラして息をするのも忘れそうになるほどの迫真の演技でした。
行き場のなくなったマチルダはレオンと同居したいと言い出し、その条件として、家事をやり、文字をレオンに教えることを提案します。
レオンは字が読めなかったのです。
ある時は子供らしく、ある時は大人びた言動でレオンを翻弄します。
この、非常に頭の回転が早い少女が、たった12歳だということを、ついつい忘れそうになります。
ノーマン・スタンフォード(Norman Stansfield)
ベートーベンやモーツァルトを好む、麻薬取締局の捜査官を演じるのは、ゲイリー・オールドマン(Gary Oldman)。
実は、ノーマン・スタンフォードは、麻薬取締局の捜査官でありながら、麻薬常習者で裏の世界を牛耳っています。
ゲイリー・オールドマンが演じるスタンフォードの狂気は見ものです。
スタンフォードが麻薬に酔って変容していく様子は気味が悪く、観ている人の嫌悪感を募らせます。
とことん、人間として最低なスタンフォードですが、捜査官としての鋭い観察力は抜群で、レオンのことを見破り追い詰めていきます。
同じダークサイドにいるレオンを引き立たせる意味で、ゲイリー・オールドマンはしっかりとその役割を果たしています。
トニー(Tony)
トニーはニューヨークで表向きはイタリアンレストランを経営するマフィア。
演じているのはダニー・アイエロ(Danny Aiello)です。
レオンがアメリカにやって来たときに彼の面倒を見て、殺し屋に育てたのがトニーです。
時々ふらりとレストランにやって来るレオンに、父親のように色々と指南します。
イタリア人特有のおおらかな父性愛に富んだ外見を保ちつつ、どこか今ひとつ信用しがたいようなところがある人物ですが、レオンはトニーに全幅の信頼を寄せています。
トニーはレオンに秘密にしていることがありました。
結局、トニーはレオンのことをどう思っていたのでしょうか?
レオンは、トニーにとって仕事の駒の一つだったのか、それとも家族のような存在だったのか…
レオンとマチルダの愛のかたち
マチルダが最初にレオンと話を交わしたのは、殴られて顔を腫らし、アパルトマンの階段で煙草をくゆらせていた時でした。
マチルダが淡々と質問し、レオンも淡々と答えます。
"La vie, c’est comme ça ? Ou c’est seulement quand on est petit?"
「人生って、いつもこんな感じなの?それとも子供の時だけ?」"C’est comme ça tout le temps."
「ずっとこんな感じさ」出典:映画『レオン』
筆者が思うに、こういう状況でマチルダに優しい言葉もかけず、ただティッシュを差し出して去って行ったレオンに対して、勘の鋭いマチルダは、レオンが信頼できると見抜いたのかも知れません。
また、同居を始めてから、レオンが唯一大切にしている観葉植物についても質問します。
"Tu l’aime ta plante, hein?"
「ねえ、あんたは植物が好きなの?」
※「hein」は会話で使われ、疑問文を強調しています。出典:映画『レオン』
これ以外に、「n’est ce pas?」のように文末で同意を促す時などにも使われます。
例:「C’est vrai, hein ?」「それ、本当だよね。」
ただし、「hein」は会話の時に限られますが、「n’est ce pas?」は「hein」よりも丁寧なので文書に書いても問題ありません。
"C’est ma meilleure amie. Toujours de bonne humeur, jamais de questions.
Et puis elle est comme moi, tu vois, pas de racines."
「こいつはオレの親友さ。いつも機嫌がいいし、絶対に質問しない。それにほら、オレのように根っこがないのさ。」
マチルダは、観葉植物とレオンと自分の共通点「根っこがない」ことを発見します。
学問がなくても人生の経験から「真実」を悟っているレオンの言うことを、マチルダは素直に学びます。
レオンにとっては、知らない世界を見せてくれるマチルダが自分の観葉植物以上の大切な存在になり、マチルダの苦しみを解放するために、復讐を手伝うことを決意します。
そしてマチルダは自分を認めてくれるレオンに恋をし、性的に目覚めるのでした。
オリジナル版と完全版との違いとは?カットされたシーン
オリジナル版ではマチルダが少女であるために、下記のシーンがカットされていました。
- タブーの領域に関わるシーン
- 人殺しの訓練
- シャンパンを飲むシーン
- マチルダがレオンに女性の体験がしたいと話すシーン
- 同時にレオンの過去を語るシーン
筆者は「マチルダの恋は大人への憧れではなく、真剣だったのだ」という印象を強めたので、完全版を観ることによって、さらに深くこの映画が理解できたような気がします。
日本映画だと、こういう領域に踏み込むのはためらわれるかも知れません。
しかし、リュック・ベッソンはそんなタブーも人間のありふれた生活の一部のように描いており、年齢差のある二人に愛情が芽生える可能性を示唆しています。
「タブー」と嫌う観客もいたと思いますが、「根っこのなかった二人がようやく安心して根を下ろせるかもしれない。」と、二人の幸せを願った人が多かったのではないでしょうか。
何故ならこの映画は、フランスのみならず、ハリウッドでも大成功したからです。
ただし、ナタリー・ポートマンはこの役を演じたことで、性的な視線が向けられたために、自分を知性的で優等生のイメージを意識的に見せてきた、という悩みも明かしています。
実際、彼女は優秀だったので、ハーバード大学で心理学を専攻しました。
まとめ
2,000人の候補者からナタリー・ポートマンを見出したリュック・ベッソンは、ここまで彼女が結果を出すと予想していたでしょうか?
彼女の相手を射抜くような眼つき、くるくる変わる表情、度胸の据わった演技はどれをとってもパーフェクトでした。
対する不器用で哀しい殺し屋役を、渋く演じたジャン・レノは、以前から『グラン・ブルー』や『ニキータ』などのリュック・ベッソンの作品に出演していましたが、『レオン』の成功によってハリウッドでブレイクしました。
フランスのエスプリを感じさせる、タブーぎりぎりの愛のかたちを表現した『レオン』。
皆さんは、この二人の愛について、どのような感想をお持ちになるでしょうか?
ぜひ、「完全版」でご覧ください。
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スイス・ジュネーブ在住
スイス生まれのフランス人と結婚した、二人の娘の母。
趣味は料理。フランス料理は義母から教えてもらったブルゴーニュ料理が得意。
特技や趣味など、詳しいプロフィールはこちら。