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「思いつくお笑いグループは誰ですか?」とフランス人にインタビューしたら、必ず名前が出るであろう伝説のお笑いグループ「レザンコニュ(Les Inconnus)」。
非フランス語圏ではあまり馴染みがないグループですが、人種差別、女性蔑視、同性愛差別、移民差別など、「タブー視されるあらゆる問題を笑い飛ばしてやれ!」をテーマとしたコントで、90年代に絶大的な人気を誇った三人組です。
この記事では、90年代に絶大的な人気を誇ったレザンコニュ(Les Inconnus)のベルナール・カンパン(Bernard Campan)、ディディエ・ブールドン(Didier Bourdon)、パスカル・レジティミュ(Pascal Légitimus)が主演を務めた、1995年の大ヒット映画『おかしな三兄弟(原題:Les Trois Frères)』をご紹介します。
同作ではレザンコニュメンバーの内の、ベルナールとディディエが共に監督と脚本を務めました。
こんにちは!80年代から90年代のフレンチ・コメディー映画が大好きなカタクリです。
『おかしな三兄弟』のあらすじに加え、もっとこの映画を楽しめるように、レザンコニュのメンバー紹介、本編で使われていた元ネタのコントを合わせてご紹介しますね。
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「タブー」を笑い飛ばす大ヒット映画『おかしな三兄弟』のあらすじ
デパートに務めるディディエ、店頭販売員やセクシー男優として仕事を転々としているベルナール、スタートアップ系の広告代理店でおしゃれな生活をしているパスカル。
この三人の男は、ある日突然「遺産相続」の件で公証人からの手紙を受け取りました。
公証人との面談当日、事務所の待合室にディディエ、ベルナール、パスカルが初めて顔を合せます。
「あなた方の母親は歌手で、先日アメリカで亡くなりました。その相続総額3,000,000フラン(約460,000ユーロ)を三人兄弟で分ける事になります」と交渉人に言われた三人。
彼らは生まれてすぐに孤児院に預けられたため、母親の顔も知らなかったばかりか異父兄弟の存在も知りませんでした。
相続手続きをするため、10日後に再度公証事務所に集まる約束をします。
大金の遺産が入るとわかった三人は有頂天になり、ディディエは気が進まなかった上司の娘との婚約を破綻。
ベルナールは友達に借金を頼んで高級車を購入。
そしてパスカルは大金を何に使おうかと考えました。
10日後、再び集まった三人を前に公証人は「アメリカの法律に基づいた相続手続きの期限切れのため、あなた方の相続権が破棄されました」と告げます。
三人の前に残ったのは、公証人への高額な手数料のみ。
ここから三兄弟は、予想もつかないトラブルに次々と巻き込まれていくのでした。
伝説のお笑いグループ、レザンコニュとは
2021年になった今でも愛され続けているお笑いグループのレザンコニュは、1990年に始まった『La Télé des Inconnus(ライター訳:レザンコニュ・テレビ)』で大ブレイクしました。
その後、90年代後半に元マネージャーとの確執によりレザンコニュが実質上「解散状態」になるまでの約10年間は、テレビや舞台で絶大的人気を誇っていました。
人数が増えた時期もありますが基本メンバーは下記の3人です。
ベルナール・カンパン
トゥール出身の「地方から来た普通のフランス人」
ディディエ・ブールドン
アルジェリア出身の「ピエ・ノワール(1830年頃からフランス領地時代のアルジェリアに移住しはじめ、1962年のアルジェリア独立以前にヨーロッパに引き上げてきたヨーロッパ人)」
パスカル・レジティミュ
芸術一家に生まれた「肌が黒い生粋のパリジャン」
映画『おかしな三兄弟』の元ネタコント
レザンコニュの人気絶頂時に制作された映画『おかしな三兄弟』には、映画が上映された1995年のフランス人がみんな知っていた「元ネタコント」がいくつか散りばめられています。
ここでは、元ネタコントを一つご紹介します!
『Les sous sous dans la popoche』
タイトルにある「Les sous」とは「お金・銭」を意味する「un sou」の複数形です。
「お金ちゃん」のようなふざけたニュアンスで、「Les sous sous」と二回繰り返しています。
「la popoche」は「la poche」を同じようにふざけて言ったいい方で、「ポケット」の意味です。
「dans la poche」というと、通常「ポケットの中」と言う意味ですが、ここでは「自分のもの」と捉えた方がわかりやすくなると思います。
元ネタコントの「元」になっているのは、1991年から2009年にかけて放映されていたテレビ番組『ミリオネール(Millionnaire)』です。
映画のストーリー同様、スクラッチカードでテレビの絵が三つ揃うとテレビ番組『ミリオネール』の出演権が与えられ、大金が当たるルーレットに挑戦できるというものです。
一般の人が出演するのですが、典型的な「ミリオネールに出演する地方から来たおじいちゃん・おばあちゃん」を演じるディディエとパスカルに対し、典型的な「気取った司会者」をベルナールが演じています。
レザンコニュの公式Youtubeチャンネルでは、その他にもたくさんのテレビ・舞台コントが楽しめます。
フランス語を学習し始めの方や、フランス文化に興味を持ち始めたばかりの方には少し難しく感じるかもしれませんが、一本あたりが短いので是非ご覧ください。
まとめ
1990年に始まったお笑い番組『La Télé des Inconnus(レザンコニュ・テレビ)』で大ブレイクしていたベルナール、ディディエ、パスカルの三人組み「レザンコニュ」が出演した映画『おかしな三兄弟』は、1995年の大ヒットのフレンチ・コメディー作品です。
2021年の現在であれば放送コードに確実に引っかかるであろう人種差別、女性蔑視、同性愛差別、移民差別などをテーマに大胆に笑い飛ばそうとする彼らのコントは「表現の自由の国、フランス」を感じさせられます。
映画自体は「言葉遊び」や「スラング」がふんだんに使われているため、フランス語の学習には適していませんが、気取らないフランス人のエスプリに触れることができるのがコメディー映画の魅力だと思います。
レザンコニュのコント動画も合わせて、是非『おかしな三兄弟』をご覧ください!
フランス・パリ在住の、気分は二十歳の双子座。
趣味はヨーロッパ圏内を愛犬と散歩することと、カフェテラスでのイケメンウォッチング。
パリ市内の美術館ではルーブル美術館、オルセー美術館とポンピドーセンターがお気に入り!
好きな映画は70代80年代のフレンチ・コメディ。
オススメや好きな作品は詳しいプロフィールで紹介しています。