自由すぎる?映画『タキシード』のあらすじと、80年代フレンチカルチャーのアイコン達をご紹介

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破天荒にも程がある!

出会いによって「人生が大きく変わってしまった」という経験はありませんか?

たった一人の存在によって「常識が覆ってしまった」……

そんな経験をお持ちの方に、ぜひ見ていただきたい映画、それが『タキシード(Tenue de soirée)』です。

こんにちは!カタクリです!

「68年世代」ど真ん中のベルトラン・ブリエ(Bertrand Blier)監督の代表作の一つで、1986年に上映された『タキシード』

本作品は、同年の第39回カンヌ国際映画祭と第12回セザール賞で複数の賞にノミネートされ、80年代を代表するフレンチ・コメディ映画の一つと言えるでしょう。

『タキシード』は舞台化されていますが、『ザ・カンニングIQ=0』のジディ監督の娘が演出を手がけました!

早速映画のあらすじと、映画を理解するために80年代フレンチカルチャーを担った3人をご紹介します!

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常識が覆される?!とにかく自由な映画『タキシード』

ダンスホールがある、パリのレストラン。

音楽に合わせてカップルが仲睦まじく踊る中、険悪なムードが漂う1組のカップルがいます。

妻であるモニク(Monique)は、優柔不断で仕事もしない夫アントワン(Antoine)にガンガンと罵倒を浴びせ続けていました。

そんな二人の前に、身体も態度も大きなボブ(Bob)がズンズンと近づいてきて、突然、モニクをドカンと殴り倒し、札束を投げつけたのです。

突然のことに驚きつつも、アントワンはスッとナイフを取り出し、ボブを威嚇。

ところが、ボブは怖がりもせずに、アントワンにさらにズンズンと近づいていくのです。

一方、叩かれたにも関わらず、大金を手にしてウキウキと喜んでいるモニク

お金に目が眩んだモニクアントワンをなだめ、ボブに誘われるまま、レストランを出て閑静な住宅街へ向かうことに。

その時2人は、ボブがお金持ちを狙う空き巣だと知ります。

一軒の豪邸に堂々と入っていくボブの後を、コソコソついていく2人。

豪華な室内ではしゃぐモニクを横に、なんとボブは、アントワンに体の関係を迫るのです。

その場を逃げ出したアントワンは、モニクにそのことを訴えますが、彼女は信じません。

口が達者で自信家のボブに、次第にモニク、そしてアントワンすらも引かれるていくようになるのですが……

予告編も過激です!
こちらは貴重なメイキングシーンです!

映画を理解するために知っておくべきポイント3つ!

想像もできないようなキャラクター設定とストーリー展開に、「なんだこれは!?」と思ってしまう方も多いと思います!

ここでは、「80年代のフレンチカルチャー」がぎゅっと詰まっている本作品を理解するために、80年代フレンチカルチャーを担った3人をご紹介します。

常識破りが大好き!?ベルトラン・ブリエ監督

『タキシード』は、そのあまりにも下品な会話と自由奔放すぎる内容で、1986年の上映当時は、13歳未満の鑑賞は禁止になったほどです。

1990年に年齢制限が排除され、誰でも見ることができるというのも驚き!これぞフランス!

戦後から80年代まで活躍した名俳優ベルナール・ブリエ(Bernard Blier)を父に持つ、ブリエ監督は、幼い頃から映画界に携わり、24歳で監督デビューを果たします。

70年代から本格的に映画制作に入り、1974年に発表した超問題作『バルスーズ(Les Valseuses)』をはじめ、80年代を中心に数々の名作を世に送り出しています。

『バルスーズ』のすごい予告編はこちら!

音楽はセルジュ・ゲンズブール(Serge Gainsbourg)が担当

映画『タキシード』の音楽を担当しているのが、あのセルジュ・ゲンズブール

60年代から90年代まで、フランスの音楽シーンのトップを走っていたゲンズブールも、まさにスキャンダルだらけのアーティストなんです。

本作品のムードにぴったりな曲!さすがゲンズブール!

特に80年代は、泥酔した状態でテレビに頻繁に出演し、社会や政府を強く批判。

そのタブー知らずの発言に、フランス国民から支持を得て、ゲンズブールはさらに人気を博します。

国の税金の使い道を批判したこのパフォーマンスは、今でもフランス人に語り継がれています!

80年代フランス映画界のミューズ、ミウ・ミウ

ブリエ監督の映画に欠かせない女優ミウ・ミウ

中学卒業後、タピストリーの職人になるべく働いていましたが、コリューシュと出会い、女優の道を歩き始めます。

ミウ・ミウという芸名もコリューシュがつけました!

どんな役でもこなすミウ・ミウは、70年代には自由奔放な女性の代表として、そして80年代にはフランス映画界のミューズとして大活躍します。

2021年には2本の映画に出演し、テレビドラマにも出演している、まさに国民的スターの一人です。

自分のキャリアを振り返ったミウ・ミウのインタビューも興味深いです!

まとめ

破天荒すぎる内容から、1986年上映当時は13歳未満は鑑賞禁止だったら映画『タキシード』

ブリエ監督ミウ・ミウ、そしてゲンズブールがタッグを組むという、80年代のアイコンたちが終結した大ヒット作品です。

かなり下品できわどいセリフの中に、知的な言葉遊びがふんだんに盛り込まれているため、フランス映画の名作の一つとして残っています。

フランス語の面白さが詰まっている本作品は、日本語字幕では面白さが半減してしまうため、フランス語で理解できる中級から上級の方にオススメの映画です。

常識や固定概念を気持ちよく壊してくれる映画『タキシード』

ぜひ頭を柔らかくしてご覧ください!

『タキシード』再上映時のブリエ監督のインタビューも必見!

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