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ただ自分らしく生きたい!
日常生活を送る中で、ふと「自分の居場所がない」と感じることはありませんか?
自分がいる「社会」に窮屈感を感じる人にぜひ見ていただきたいのが、この記事でご紹介するフランスのアニメーション映画『ペルセポリス(原題:Persepolis)』です。
ある出来事によって人生が一転してしまった8歳の少女マルジャン(Marjane)を中心に、それぞれの「自分らしさ」を求めた登場人物たちによってストーリーが展開していきます。
それでは早速、アニメーション映画『ペルセポリス』のあらすじと、より面白く見るために、本作品にまつわる3つのエピソードを一緒に見ていきましょう。
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自由とは?自分らしさとは?映画『ペルセポリス』のあらすじ
パリ郊外に位置するオルリー空港。
故郷であるイランの首都テヘランに戻るマルジャンは、搭乗ゲートを通る前にフーッとため息をつきながらお手洗いでヒジャブを装着していました。
搭乗待合エリアのベンチに座り憂鬱にタバコをスパスパ吸いながら、マルジャンは子どもの頃のことをフッと思い出します。
1978年。
幼い頃からフライドポテトとブルース・リーが大好きだったマルジャンは、マルジという愛称で家族から呼ばれ、何不自由なく幸せに暮らしていました。
自由な雰囲気が漂うテヘランでしたが、同じ頃、ホイメニ師(Khomeini)を中心としたイスラム教十二イマーム派と言われるシーア派および彼らを支持するイスラム教徒たちにより、親欧米派だった政府に反対したイスラム復古運動が活発になっていました。
周囲の大人の話から、ただ事ではない空気を感じていたマルジャン。
そしてついに多くの犠牲者を出したイラン革命が起こり、イラン・イスラム共和国が誕生します。
旧政府時代に共産党主義を唱えたため「反政府主義者」として投獄されていたマルジャンが大好きなアヌーシュおじさん(Anouche)が釈放され、変わっていく祖国へ幼いながらもワクワクと期待するマルジャンなのですが……
より面白く見るために、本作にまつわる3つのエピソード
可愛らしい絵柄からは想像できないストーリー展開を見せるアニメーション映画『ペルセポリス』。
ここでは、知っておくと本作品をより面白く見ることができる3つのエピソードをご紹介します。
原作も映画も大ヒット
アニメーション映画『ペルセポリス』の原作は、2000年から2003年に出版された、漫画家マルジャン・サトラピ(Marjane Satrapi)の自伝漫画です。
アニメーション映画版では2007年にカンヌ映画祭、2008年にはセザール賞と合わせて3部門を受賞。
原作の漫画もまた2002年にアングレーム国際漫画祭(Festival international de la bande dessinée d'Angoulême)の最優秀脚本賞を受賞。
原作は世界中の言語に翻訳されていますが、「イスラム教を批判している」と解釈されている国では出版が禁止されているそうです。
国際議論に発展
2007年に公開され、世界中で大ヒットしたアニメーション映画『ペルセポリス』。
ところが、作者の祖国であるイラン政府は「イラン革命に汚名をきせた」として、本作品に対する抗議文章をテヘランのフランス大使館へ提出。
そしてカンヌ映画祭で審査員賞を受賞すると、イラン政府の文化担当者は「イスラム教徒への差別」とし、『ペルセポリス』は国内での原作漫画の発売、および映画上映が禁止となっています。
初の母娘共演
アニメーション映画『ペルセポリス』で思春期から大人になったマルジャンの声はキアラ・マストロヤンニ(Chiara Mastroianni)、そして母親のタージ(Taji)はカトリーヌ・ドヌーヴ(Catherine Deneuve)が担当しています。
その後、2011年(日本公開2013年)の映画『愛のあしあと(Les Bien-Aimes)』でも、母娘役で共演を果たしました。
ちなみに、キアラ・マストロヤンニの父親は、イタリア映画界を代表する国際俳優マルチェロ・マストロヤンニ(Marcello Mastroianni)。
まとめ
たとえ住む国を変えても、そして変わりゆく社会の中でも、ただ自分らしく生きようとしたイラン人漫画家マルジャン・サトラピ。
彼女の自伝漫画をアニメーション化した映画『ペルセポリス』は、世界中で多くの感動を呼びました。
フランス語も大変わかりやすいため、語学の教材として初級者にもおすすめです。
日本人にはあまり馴染みのない「イラン革命」ですが、本作品は8歳の少女の視点からも描かれているので大変わかりやすく、国際情勢を学び直したい人にもぜひ見てもらいたい映画の一つです。
その他、2000年以降に米国アカデミー国際長編映画賞のフランス代表作として出展された作品の関連記事はこちらをご覧ください。
世界的に有名なフランス人女優カトリーヌ・ドヌーヴ。
フランス・パリ在住の、気分は二十歳の双子座。
趣味はヨーロッパ圏内を愛犬と散歩することと、カフェテラスでのイケメンウォッチング。
パリ市内の美術館ではルーブル美術館、オルセー美術館とポンピドーセンターがお気に入り!
好きな映画は70代80年代のフレンチ・コメディ。
オススメや好きな作品は詳しいプロフィールで紹介しています。