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フランスへ行ったことがある人が、必ずと言ってもいいほど耳にする言葉。
”Putain!”
街を歩けば、毎日誰かしらが口にしています。

老若男女関係なく使われているこの言葉ですが、一体どういう意味なのかご存知でしょうか?
この記事では、フランス人がよく口にする“Putain”と、似たニュアンスで使われる単語“Merde”や“Pute”との違いや意味を、詳しくご紹介します。
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フランス人はみんな言っている!?“Putain”って本当はどういう意味?
あまりにもよく聞く言葉なので、みなさん一度は辞書などで調べたことがあるかもしれませんね。
“Putain”は、辞書でひくと「娼婦・淫乱女」などと出てきます。

確かに辞書に登録されている正式な意味は「娼婦・淫乱女」ですが、実は、そのような意味で“Putain”は使われていません。
この言葉は、「相手を侮辱する」というよりは、「自分の感情を表現する」意味で使用され、主に文頭や文末につけられます。
そして、「とても下品で使うべきではない言葉」だと言われていますが、シチュエーションによっては、実は必ずしも悪い意味ではない場合もあるのです。

怒っている時の“Putain”
これが一番想像しやすいシチュエーションではないでしょうか?
日本語の「クソ!」や「チクショー!」などと同じような意味で使われます。
“Putain! Ça m’énerve!”
「クソッ!イライラする!」
“Putain! Il est toujours en retard!”
「チッ!アイツはいっつも遅刻して遅いんだよ!」
びっくりした時の“Putain”
誰かに驚かされたとき、びっくりして「うわっ!」と言ったり「キャァ!」と叫んだりしますよね?
そのようなシチュエーションでも、“Putain!”は使われます。
“Ah putain! Tu m’as fait peur!”
「きゃぁ!びっくりした!」
“Putain! Qu’est ce qu’il fait froid!”
「うわぁ!めっちゃ寒〜い!」
嬉しい時の“Putain”
すごく嬉しいことがあった時、日本人だと「やばい!」「まじで!?」「嘘でしょ!」などと言って喜びますよね。
先ほどのびっくりした時にも似ていますが、嬉しいシチュエーションでも、フランス人は“Putain”を使って喜びを表現することがあります。
“Putain! C’est genial, ça!”
「やっばい!最高だね!」
“Putain! Je rêve ou quoi!”
「嘘でしょ!夢みたい!」
割と上品にしている女性でも“Putain”を使うシチュエーションとしてあるのが、このような状況ですね。
このように、“Putain”は色々な場面で使われる言葉で、状況にっては必ずしも悪い意味ではありません。
とはいえ、やはり下品な言葉には変わりありません。

実は“Putain”よりも汚い?“Merde”の使い方
“Putain”と同様に“Merde”という言葉も、フランスでは本当によく使われる言葉です。
“Merde”は、辞書で「糞・排泄物」と登録されています。
この言葉は、日本語と同様に「クソッ!」と言いたい時に使われます。
“Putain”との違いは、“Merde”はほとんどネガティブな意味でしか使われないということです。
“Merde! Tu me fais chier!”
「クソッ!お前って本当にムカつくよな!」
“Merde! C’est dégueulasse!”
「オエッ!コレ不味すぎ!」
ただし、「幸運を祈るよ!」と言いたい時にも、“Merde”と言う言葉が使われることがあります。

“Je vais passer un exam demain.”
「明日テストがあるんだよ」
“Je te dis merde alors!”
「頑張れよ!」
この表現の由来はわかりませんが、日本語でも「運」と「ウンチ」をかけて、「フンをつけられると縁起がいい」と言ったりしますよね。

“Putain”はカジュアルに、様々なシチュエーションで利用される言葉であるのに対し、“Merde”は主にネガティブなシチュエーションで、より下品な表現として使われている印象です。
ちなみにフランスでは、“Putain”と“Merde”は放送禁止用語とされており、テレビで誰かが使うと、日本でいう「ピー」が入ります。
やはり、使うのは極力避けた方が良いでしょう。
“Putain”に似ている単語“Pute”の意味とは?
こちらの単語を辞書で調べると「売春婦・娼婦」と出てくるかと思います。
この“Pute”は、まさに文字通り「売春婦・娼婦」の意味で使用され、相手を侮辱する際に使われる汚い言葉にあたります。
例えば、“Sale pute! (小汚い淫乱女!)”や“Fils de pute!(娼婦の息子!)”と言った表現で相手を罵ったりします。

ネイティブ同士は喧嘩するとすぐに使いますが、本当に下品な言葉なので、使わないようにしましょう。
ちなみに、この“Pute”という言葉はスペイン語では“Puta”となります。
そしてPutaに、定冠詞を入れると“La puta(ラピュタ)”になります。
ジブリの名作『天空の城ラピュタ』はスペイン語に翻訳される際、この「売春婦」という言葉を連想させる“Laputa”の使用するのを避け、スペイン語版のタイトルを“El Castillo en el cielo(天空の城)”だけにしたと言われています。
フランス語版のタイトルでも“Laputa”の名前がつかずに、“Le Château dans le ciel(天空の城)”が通称となっているのはそのためだそうです。
ちなみに、『Le Château dans le ciel』は、日本でもフランス語音声のBlu-Rayを購入することができます!

まとめ
フランス人がよく口にする“Putain”は、シチュエーションによって意味が若干異なってきます。
フランス語ネイティブは、あまりにも頻繁に“Putain!”や“Merde!”を口にしているので、フランスに留学したりすると、ついつい自分も言ってしまいたくなりますよね。


フランス文学部出身|DELF B2、仏検準一級
仏検準1級にはフランス語を勉強し始めて2年で合格。
大学卒業後はワイン商社でフランス産ワインを担当。
嫌なことは寝て忘れるオプティミスト。
好きなことや将来の夢などについては、詳しいプロフィールでご紹介しています。