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「花の都」、「愛の街」、「光の都市」などフランス・パリはその華やかなイメージから世界的にも大人気の旅行先です。
パリへの旅行は、数多ある観光スポットから「どこに行こうか。」と計画を練るところから始まります。
その数多ある観光地の中でも、誰しもが外せない必見のスポットとして候補に上がるのは、エッフェル塔(La tour Eiffel)、そしてルーヴル美術館(Le Musée du Louvre)ではないでしょうか。
今回ご紹介する映画は、人気観光スポットであるルーヴル美術館から始まる物語、世界で様々な物議を醸したダン・ブラウン(Dan Brown)著『ダ・ヴィンチ・コード(原題:The Da Vinci Code)』です。
この記事では、映画『ダ・ヴィンチ・コード』のあらすじとキャストを筆頭に、下記についてご紹介します。
- あらすじ
- キャスト
- レオナルド・ダ・ヴィンチの名画のフランス語名称
- ルーヴル美術館のピラミッド問題
- レオナルド・ダ・ヴィンチとフランスの関係
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世界中で物議を醸した映画『ダ・ヴィンチ・コード』について
『ダ・ヴィンチ・コード』は2006年に映画化されたアメリカ映画です。
パリとロンドンの二都市をメインに物語は展開していきます。
登場人物たちの会話は基本的には英語で行われますが、フランス人同士のシーンでは所どころでフランス語も使用されています。
原作はアメリカの人気作家ダン・ブラウンによる長編小説「ロバート・ラングドン(Robert Langdon)」シリーズです。
ハーヴァード大学教授で宗教象徴学を専門とするロバート・ラングドンが行く先々で事件に巻き込まれるも、その膨大な知識と記憶力を元に事件を解決していくミステリー作品となっています。
それぞれのシリーズ毎に、舞台や取り扱われる題材は異なるのですが、ラングドンが宗教象徴学を専門としていることから、"宗教的な"要素の強い作品が多く、歴史や芸術作品なども多く登場するため、ヨーロッパのその分野に興味がある方も必見の映画です。
映画『ダ・ヴィンチ・コード』のあらすじ
講演のためパリを訪れていたラングドンでしたが、その晩、ルーヴル美術館の館長であるジャック・ソニエール(Jacques Saunière)が何者かによって殺されます。
ソニエールが死の間際に遺したメッセージにより、ラングドンが犯人ではないかと疑ったフランス警察が、「専門家の意見が聞きたい。」と彼を現場であるルーヴル美術館に呼び出すところから物語は始まっていきます。
ソニエールのメッセージを見て、ラングドンはそれがレオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo Da Vinci)(フランス語 : Léonard de Vinci)が描いた有名なスケッチであるウィトルウィウス的人体図(L'Homme de Vitruve)であると気がつきました。
その現場へやって来たフランス警察の暗号解読課に所属するソフィー・ヌヴー(Sophie Neveu)とともに、ソニエールの死の謎と、そしてキリスト教を根底から揺るがす新事実に迫っていくこととなります。
映画『ダ・ヴィンチ・コード』に登場する豪華なキャスト
「ロバート・ラングドン」シリーズの映画は第三弾までが映画化されており、その主人公であるロバート・ラングドンをトム・ハンクス(Tom Hanks)が演じています。
『ダ・ヴィンチ・コード』では物語の鍵となるソフィー・ヌヴー役をオドレイ・トトゥ(Audrey Tautou)が演じ、ラングドン逮捕に猛進するファーシュ警部(Commissaire Bézu Fache)役をジャン・レノ(Jean Reno)、聖杯の探求に人生を捧げる宗教学者リー・ティービング(Sir Leigh Teabing)役をイアン・マッケラン(Ian McKellen)が演じるなど、豪華な俳優陣たちの共演も見どころです。
レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo DA VINCI)の名画
劇中では多くが英会話でのシーンとなるため、舞台はフランスでありながら、実はフランス語での会話は少ないです。
そこで、映画に登場したレオナルド・ダ・ヴィンチの名画をフランス語では何というのかお伝えしようと思います。
モナ・リザ 『La Joconde』
ルーブル美術館に展示されている、世界で最も有名と言っても過言ではない作品です。
「モナ・リザ」という女性の肖像画で、フランスでも「モナ・リザ」で通じるのですが、フランス語では『La Joconde(ラ・ジョコンド)』と呼ばれています。
諸説ありますが、大富豪ジョコンドの奥様という意味が有力だそうです。
巌窟の聖母『La Vierge aux rochers』
ルーヴル美術館所蔵のこの名画は、マリア、イエス、洗礼者ヨハネの人物像を通して受肉の神秘を讃える作品として知られています。
ルネサンスを代表する宗教画の一枚です。
最後の晩餐 『La Cène』
最後の晩餐は、聖杯の秘密を解読するシーンにおいて劇中に登場しますが、この作品があるのはイタリア・ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラッツィエ教会(Chiesa di Santa Maria delle Grazie)です。
食堂内の壁に描かれたこの絵は、1490年代に制作されイエスと12人の弟子達との最後の晩餐の場面を切り取ったものであり、イエスがこの12人の弟子のうち、1人が彼を裏切ると告知して驚きに満ちた瞬間を残しています。
ルーヴル美術館のピラミッド(Pyramide du Louvre)問題
劇中でファーシュ警部はピラミッドについて、"A scar on the face of Paris"(パリの顔の傷である)とラングドンに向けて断言するシーンがありました。
言語をフランス語で選択した場合、吹き替えは "傷" の代わりに un furoncle(=おでき、ニキビ)という単語が使われています。
今でこそ、パリやルーヴル美術館のシンボルとして、大きな存在感のあるガラスのピラミッドですが、建設当時は賛否両論のある問題児として登場したようです。
このピラミッドは1980年代、当時の大統領であったフランソワ・ミッテラン(François Mitterrand)が発表した「パリ大改造計画」の一部として、ルーヴル美術館の展示面積を2倍にするという「グラン・ルーブル」の計画に含まれたものです。
そして、エントランス部分のデザインを依頼されたアメリカ人建築家のイオ・ミン・ペイ(Ieoh Ming Pei)によって、673枚のガラス板でできたピラミッドが建設されるに至ったのです。
ピラミッドといえばエジプトが思い浮かびますが、なぜフランス・パリの真ん中にピラミッドを作ったのか、当時は様々な憶測が飛び交い、都市伝説なども数多く囁かれました。
歴史的建造物の中にある透明なピラミッドは「異質なもの」として、著名な作家や保守的なメディアなどは何年にもわたって「反対キャンペーン」を行ったほど、当時から"注目の的"でした。
その後、時は流れ2006年のこの映画公開時には、すでにルーヴル美術館の顔としてラングドンからも「美しい。」と言われています。
完成から30周年を迎えた後も、このピラミッドの前で様々なポーズで写真を撮る観光客の姿が途切れたことはなかったように思います。
例外的に2020年はコロナの影響によって、彼ら観光客の姿はパリから消え、ルーヴル美術館も長期の休業を余儀なくされていましたが。
長い年月を経てパリのシンボル的存在となったピラミッドは、『ダ・ヴィンチ・コード』においても、冒頭から末尾まで輝きを放つ神秘的な美しさを私たちに見せてくれています。
レオナルド・ダ・ヴィンチとフランスの関係
ルネサンスの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチはイタリア人ですが、実はフランスにも縁がある芸術家です。
レオナルド・ダ・ヴィンチとフランスとの関係についてご紹介します。
レオナルド・ダ・ヴィンチが晩年を過ごしたロワール地方
レオナルド・ダ・ヴィンチは、晩年をフランス、ロワール地方(Loire)のクロ・リュセ城(Château du Clos Lucé)にて晩年を過ごしました。
ロワール地方はワインの産地としても有名ですが、ロワール川流域に点在する中世の古城郡は世界遺産認定を受けており、天気の良い日には川の水面に映るお城のグレーとベージュの色合いが空の色と相まって、非常に幻想的な装いを見せる美しい街です。
パリからは日本語ガイド付きのツアーも組まれていますので、日帰りで楽しむことのできる観光地でもあります。
1516年、イタリアで活躍していたレオナルドは、ヴァロワ朝(dynastie des Valois)第9代のフランス王であったフランソワ1世(François 1er)に招かれフランスへとやってきました。
そのまま晩年をクロ・リュセ城にて過ごし、1519年、彼は以後500年以上にもわたって愛される「モナ・リザ」をフランスに残し、この世を去ったのです。
同じ景色をレオナルドも見ていたのかもしれない、と思いを馳せながらロワール川の景色やクロ・リュセ城からの樹々を眺めると、数百年の歴史の重みや尊さを感じました。
レオナルド・ダ・ヴィンチの名言
発明の天才であったレオナルドは多くの名言を残していることでも有名ですが、クロ=リュセ城内部にはレオナルドが暮らした当時のままに家具が整備され、壁には彼の多くの言葉がフランス語表記で飾られています。
その中でも、意外だなと思った言葉の一つをご紹介します。
"L’amour triomphe de tout."
(愛は全てに勝つ。)レオナルド・ダ・ヴィンチ
私の思っていたレオナルドのイメージは愛とは程遠いものだったのですが、とてもロマンチックで、現代の私たちにも響く言葉を残しています。
この文字のプレートの前で写真を撮る恋人たちも多く見受けられました。
まとめ
『ダ・ヴィンチ・コード』は、一見するとパリとロンドンを舞台に、その歴史に関わる芸術作品などを元に謎解きをするというシンプルな構成ではあります。
しかしその内容のセンシティブさから、ここではあまり深掘りできないことも多いなと感じました。(とにかく網羅している内容が多岐に渡りすぎている為です。)
また、芸術や歴史などに関する専門用語も多く、日本語字幕で追っていると、どういう意味だろうと一時停止しながら進める場面もあります。
私が映画『ダ・ヴィンチ・コード』をフランス語学習者にオススメする理由としては、「この映画がフランスの美術や歴史に興味を持つきっかけ」となれば良いなと思うからです。
フランスの街並みはご存知の通り歴史ある建築物が多く、街のどこかには必ず教会の尖塔を見つけることができるほど、キリスト教や当時の時勢を反映した建築物が人々の生活の中に多く残っています。
そのような歴史を知ることで、より一層フランス語やフランス文化などへの理解も深まると感じています。
深めた理解や知識とともに実際に現地を訪れ、また新たな発見から興味の幅を広げていくと"学ぶこと"もきっと楽しいものとなるということを、このミステリー映画を通して教えられました。