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本当の「狂気」はすぐそこに!
1970年代の女性解放運動以降、欧米諸国では結婚後・出産後も働く女性がほとんどで、経済的に独立しているのが一般的です。
日本でも2019年に「働き方改革」が政府から提唱されてから「自立した女性」がフォーカスされ始めました。
内閣府男女共同参画局の調べによると、15歳から64歳の女性の就業率は71.3%、25歳から44歳に絞ればなんと80%近くにも及んでいます。
そんな自立している女性の方々にぜひ見ていただきたいのが、衝撃のサイコホラー映画『エル ELLE(原題:ELLE)』です。
自立した女性ミシェル(Michèle)を怪演したのは、フランス映画界を代表する女優イザベル・ユペール(Isabelle Huppert)。
原作はフィリップ・ジヤン (Philippe Djian)の小説「エル ELLE(Oh…)」。
それでは早速、映画『エル ELLE』のあらすじと、本作品を手がけたポール・バーホーベン(Paul Verhoeven)監督について紹介をします。
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あの過去があるから今がある!映画『エル ELLE』のあらすじ
ある日の昼間。
自宅で突然、覆面をした黒づくめの男に襲われたミシェル。
男が立ち去った後、床に割れて散らばってしまった食器を片付け、湯船につかりながら物思いにふけるのです。
夜、夕食を一緒に食べるために息子のヴァンサン(Vincent)が訪ねてきます。
男に襲われた際に殴られてできた顔のあざについて聞かれ、「自転車に乗って転んでできた」と冷静にミシェルは答えます。
久しぶりに会ったヴァンサンから、新しい仕事のこと、そして妊娠中の恋人ジョジィ(Josie)の近況のことを何事もなかったように聞くミシェル。
しかし息子が帰った後、金槌を手に持ったまま一人、部屋の電気を消しテレビを見だすのですが……
オランダの鬼才ポール・バーホーベン監督とは
映画『エル ELLE』を手掛けたのは、80年代後半から90年代にかけて数々のヒット作を生み出したポール・バーホーベン監督。
ここでは改めて、オランダが産んだ世界的監督ポール・バーホーベンについて見ていきましょう。
バーホーベン監督の生い立ち
バーホーベン監督は、1938年にオランダのアムステルダムに生まれます。
戦後に幼少時代を過ごしたバーホーベン監督は、名門ライデン大学で数学・物理学を専攻。
卒業後、海軍に入隊。
その間にドキュメンタリーなどの映像に携わるようになり、しばらくするとオランダのテレビ局に転職します。
バーホーベン監督の代表作
オランダでテレビドラマや映画の制作を担うようになったバーホーベン監督は、1985年からハリウッドに進出。
『ロボコップ(Robocop)』
1987年に公開されたSFアクション映画『ロボコップ』。
当初「イロモノ映画」として多くのアメリカ人監督が断った脚本でしたが、ハリウッドで一旗あげるためのチャンスを探していたバーホーベン監督は制作を承諾します。
ところが『ロボコップ』というタイトルでは「映画として売れない」とみなされてしまい、資金が集まらず低予算で製作しなければならなくなります。
しかし映画が公開されるやいなや、周囲の予想を大きく裏切りアメリがだけでなく日本を含め世界中で大ヒット!
1980年代を代表する作品になったのです。
『トータル・リコール(Total Recall)』
映画『ロボコップ』の世界的ヒットをうけ、次に監督として抜擢されたのが、1990年、アーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)主演のSFアクション映画『トータル・リコール』。
この映画の撮影で、当時はまだ無名だった女優シャロン・ストーン(Sharon Stone)と出会います。
『氷の微笑(Basic Instinct)』
映画『トータル・リコール』から2年後の1992年、シャロン・ストーンを迎えて制作したのがミステリー映画『氷の微笑』です。
こちらの映画も世界的に大ヒットし、シャロン・ストーン演じるキャサリン(Catherine)が、取り調べ中に足を組み替えるシーンは、2023年の今でも映画史に残る名場面として知られています。
『ショーガール(Showgirls)』
世界的ヒット作品を連発していたバーホーベン監督が、1995年に取り組んだ映画『ショーガール』。
その年の最低映画を決める不名誉映画祭ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)で、史上最多の13部門にノミネートされます。
驚くべきことにバーホーベン監督は、映画人として初めてラジー賞の授賞式に参加。
ラジー賞ファンの握手喝采を受け、映画『ショーガール』は史上最低の名作として映画史に名を残しました。
まとめ
恐ろしい過去のある女性ミシェルを中心に、どこにでも、そして誰にでもある「狂気」を描いた映画『エル ELLE』。
フランス語はかなり上級レベルなので、初級者の方は日本語字幕でお楽しみください!
本作品を手掛けたのは、80年代後半から90年代にかけてハリウッドで大活躍したポール・バーホーベン監督。
次々と起こる事件に、一気に見入ってしまうおすすめの映画です!
本作品で怪演を見せたイザベル・ユペール。
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フランス・パリ在住の、気分は二十歳の双子座。
趣味はヨーロッパ圏内を愛犬と散歩することと、カフェテラスでのイケメンウォッチング。
パリ市内の美術館ではルーブル美術館、オルセー美術館とポンピドーセンターがお気に入り!
好きな映画は70代80年代のフレンチ・コメディ。
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