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君との約束を守りたかった!
ふとした時に、10代の頃の「初恋」のことを思い出すことはありませんか?
あの頃の自分は幼かったなぁ、と微笑ましく思う反面、なんであんなことをしてしまったんだろう、という後悔もあるかもしれません。
そんな気持ちを思い出したい時おすすめなのが、この記事で紹介させていただくフランス映画『Summer of 85(原題:Été 85)』です。
フランスでは2020年、日本は2021年に劇場公開されました本作品を手掛けたのは、下代フランス映画の巨匠フランソワ・オゾン(François Ozon)監督。
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主人公のアレクシ(Alexis)とダヴィッド(David)を、オーディションで選ばれた新人のフェリックス・ルフェヴル(Félix Lefebvre)とベンジャマン・ヴォワザン(Benjamin Voisin)が生き生きと演じています。
ダヴィッドの養母を演じたヴァレリア・ブルーニ・テデスキ(Valeria Bruni Tedeschi)や、アレクシの相談相手でもある国語の教師には、同監督の映画『グレース・オブ・ゴッド告発の時』で主人公を演じたメルヴィル・プポー(Melvil Poupaud)など実力派俳優が脇を固めています。
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それでは早速、甘酸っぱくて切ない青春映画『Summer of 85』のあらすじと、本作品の映画化までの道のりを紹介します!
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それは二人だけの秘密だったから……映画『Summer of 85』のあらすじ
1985年、少年裁判所。
器物損壊の罪で訴えられたアレクシ(Alexis)は、社会福祉士との面会を待ちながら、彼との出会いを思い出していました。
全ての始まりは数週間前。
ノルマンディ地方(Normandie)の海沿いの街ル・トレポール(Le Tréport)は、夏休みを楽しむ観光客や地元の人でにぎわっていました。
「死」に魅せられていた文学青年のアレクシは、友達のヨットで一人、沖に出ていました。
しかし、突然の嵐に巻き込まれ、乗っていたヨットが転覆し海に投げ出されてしまいます。
たまたま通りかかった青年ダヴィッド(David)によって一命を取り留め、無事に岸へ到着。
全身ずぶ濡れになり寒そうにしているアレクシを見たダヴィッドは、身体を温めるように自宅に誘います。
ダヴィッドの自宅に到着すると、彼の母親が暖かく迎えてくれました。
最近、不良グループと連むようになったダヴィッドを心配していた母親は、アレクシのような育ちのよさそうな友達と一緒にいてほしいと願っていたのです。
お風呂に入り、ダヴィッドの勧めるままに着替え、台所で軽食をとるアレクシ。
自信家で堂々としている、自分とは真逆の性格のダヴィッド。
そんな彼に少しずつ引かれていくアレクシでしたが……
『Summer of 85』の映画化までの道のり
たった6週間の激しくも短い恋を描いた映画『Summer of 85』。
出会いは1985年
1985年、オゾン監督が17歳の頃、フランス映画の『Summer of 85』の元ネタとなっているイギリスの小説『おれの墓で踊れ(Dance on My Grave)』に出会います。
10代向けの青春小説にも関わらず、同性愛を扱っていた本作品に衝撃を受けたと言います。
監督自身、同性愛者ではないかというセクシュアリティで悩んでいた頃でしたが、性別と関係ない普遍的な愛を描いているストーリーに勇気づけられ、「将来、もしも映画監督になったら、絶対映画化するぞ!」と心に誓ったそうです。
原点に戻るきっかけになった映画『グレース・オブ・ゴッド告発の時』
2019年、衝撃の実話を映画化し大ヒットした『グレース・オブ・ゴッド告発の時(Grâce à Dieu)』。
発表直後、政治性や宗教性メッセージが強いとして、監督は各方面から激しく批判されました。
そんな頃、自分の本棚を眺めていると、たまたま目に入ったタイトルが『おれの墓で踊れ』。
そこからオゾン監督は80年代の青春映画やラブコメ映画を研究し、舞台をイギリスからフランスに移して映画化に踏み切ります。
『Summer of 84』になるはずだった
原作のイギリス小説『おれの墓で踊れ』で、主人公の青年が16歳という設定だったことから、自身が同年齢だった1984年を映画の舞台にしようと考えたオゾン監督。
ところが、オープニングに選んでいたイギリスのロックバンドザ・キュアー(The Cure)の名曲『イン・ビトウィーン・デイズ(In Between Days)』がリリースされた年が1985年だったことを知ります。
まとめ
21世紀のフランス映画界を代表するフランソワ・オゾン監督が手がけた、甘酸っぱいフランス映画『Summer of 85』。
主人公のアレクシとダヴィッドを、オーディションで選ばれた新人のフェリックス・ルフェヴルとベンジャマン・ヴォワザンが見事に演じています。
セリフは若者言葉が多く、若干聞き取りづらいため、日本語字幕なしでの視聴は中級以上のフランス学習者におすすめです。
同性愛を超えた普遍的な愛の形を描き、フランスで大ヒットした本作品。
美しい映像とおしゃれな音楽、そして切ない青春映画を見たい方におすすめです!
フランス・パリ在住の、気分は二十歳の双子座。
趣味はヨーロッパ圏内を愛犬と散歩することと、カフェテラスでのイケメンウォッチング。
パリ市内の美術館ではルーブル美術館、オルセー美術館とポンピドーセンターがお気に入り!
好きな映画は70代80年代のフレンチ・コメディ。
オススメや好きな作品は詳しいプロフィールで紹介しています。