映画『アデル、ブルーは熱い色』のあらすじ、みどころと使えるフランス語フレーズ

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フランスには、1946年から続く「世界三大映画祭」の一つでもあるカンヌ国際映画祭があります。

この映画祭は、作品の完成度の高さが評価されることを最大の特徴としており、その最優秀賞はPalme d'Or(パルムドール)と呼ばれ、しばしばアカデミー賞のオスカーと並び称されます。

今回ご紹介する映画は、2013年のカンヌ国際映画祭にて、パルムドールを史上初、監督と主演女優の二人が同時受賞した『アデル、ブルーは熱い色』(原題:La vie d'Adèle)です。

『アデル、ブルーは熱い色』は、ベッドシーンのショット(カット)が非常に長く「映画館で公開するには編集が必要」とも言われた程です。

しかしこの映画の魅力は、ベッドシーンではありません。

本記事では『アデル、ブルーは熱い色』あらすじと見どころに加え、日常生活でも利用できる劇中のセリフをご紹介します。

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フランス映画『アデル、ブルーは熱い色』のあらすじ

アデル(Adèle)は文学を専攻する高校2年生です。

彼女は「自分には何か欠けているのではないか。」と、漠然とした喪失感を抱きながら日々を過ごす中で、ある日、交差点で青い髪色の女性、エマ(Emma)とすれ違います。

その瞬間アデルは、自分の中で味わったことのない感情が生まれたことに気がつくのです。

そして彼女は、友人に誘われて行ったLGBTのバーで、再びエマと再会します。

この出来事をきっかけに、二人は運命のように引かれ合い、情熱のままに恋に落ちていきます。

満ち足りた暮らしを送る一方で、埋めることのできない価値観の溝が大きく開き始めた時、エマの髪色が金色に変わった時、アデルの寂しさが限界を越えた時……

それぞれが下した決断によって、アデルとエマは別々の道を歩むこととなりますが、アデルの中に残るエマへの情熱や葛藤は、その後数年をかけて、彼女自身を成長させていきます。

これは、初恋を経験した1人の少女が、大人の女性へと変貌を遂げていく一種のドキュメンタリーのような雰囲気も持ち合わせた映画です。

フランス映画『アデル、ブルーは熱い色』の見どころ

この映画は、フランス映画だからというよりも、「素晴らしい映画」の一つとして、是非皆さんに観ていただきたいと思っています。

アデルとエマのラブストーリーという観点からも、非常に面白い映画なのですが、その二人の女性が選ぶ「生き方」の違いについて考えながら観てみると、より面白くなるのではないかと私は考えます。

アデルは庶民的な家庭に生まれ、安定した職業として教師になる道を選びます。

対して、エマはある程度経済的にも余裕のある、自由で開放的な家庭で育ち、画家になるという夢を持っています。

映画の中でも、エマがアデルに対して「自分の本当にやりたいことをやるべきだ。」と問いかけるシーンが幾度となく登場します。

この問いは、映画を観ている私たちにも、どのような生き方を選び、歩んでいくかと問いかけられているように感じるのです。

また、この二人の女性の生き様をよりリアルにしているのが、アデル役のアデル・エグザルコプロス(Adèle Exarchopoulos)とエマ役のレア・セドゥ(Léa Seydoux)です。

彼女たちの類稀なる演技力から生み出されるスクリーン一杯に押し寄せる感情の渦に、中弛みすることなく一気に観終えられるのも、この映画のポイントです。

フランス人にとってのLa Vie

普段、私たちは人生についてどれくらい考えたり、言葉にするでしょうか。

人生はフランス語にすると"une vie"ですが、この映画を観ていると、フランス人がいかに日常的に人生と言う単語を使っているか改めて気づかされました。

その中でも、実際にフランスの街中で使われる頻度の高いものをご紹介します。

"Qu'est-ce que vous faites dans la vie ?"(あなたの職業は何ですか?/あなたは何をしている人ですか?)

これは初対面の相手に名前を伝えた後、必ずと言っていいほどに毎回使われます。

"La vie est dure."(人生は難しい。/人生は大変だ。)

これは映画の終盤、アデルとエマがカフェで話しているシーンにおけるエマの言葉ですが、彼女はこれに"c'est compliqué."(複雑だ。)と付け加えています。

フランスではこの二つはセットの如く、共に日常のあらゆる場面で頻繁に使われるので、シリアスなシーンではありましたが「フランス人」らしさに、クスッとするセリフでもありました。

"Sort de ma vie!"(消え失せろ!)

「私の人生から出て行って!」とは、まさに映画のセリフのようでなかなか使いどころはありませんが、とても印象的な言葉でした。

自身の人生にこだわり、大切にしているフランス人だからこそ、このような様々な表現があるのかなと考えます。

是非、映画の中で探してみて下さい。

まとめ

私が恋愛映画ばかりを漁っていた時期に出会ったのがこの『アデル、ブルーは熱い色』です。

その中でも特に衝撃を受けたのは、アデルを含む生徒たちが、ピエール・ド・マリヴォー(Pierre de Marivaux)の『マリアンヌの生涯』(La Vie de Marianne)を読み進めながら、「一目惚れ」(フランス語では"un coup de foudre"=雷の一撃)とは何かを考えるシーンでした。

さすが「ロマンチック・ラヴ」の起源である、フランスの高校生たちです。

この難解な問いに淡々と自身の考えを述べている姿に、私は衝撃を受けました。

同時に、自分の考えをきちんと持つことや、その考えを正確に言葉や行動へうつすことの重要性をこの映画を通して学んだ気がします。

皆さんはフランス映画についてどのようなイメージをお持ちでしょうか。

「難しそう」、あるいは「複雑そう」「つまらなそう」と思っている方も少なくないように感じます。

確かに、ハリウッド映画ほどの派手さもなければ、邦画のような分かり易さには欠けるかもしれません。

では、「良い」「面白い」フランス映画とは一体どのようなものでしょう。

フランス映画の面白さとは、『アデル、ブルーは熱い色』が描写するように、「日常のある1ページを切り取った中」にこそあるのではないでしょうか。

皆さんにとっても、この映画が「フランス映画の面白さを新たに発見する」きっかけとなれば幸いです。

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