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フランス語学習を始めて、最初は楽しく進んでいても途中でつまずいてしまうということはよくあるものです。
私も何度もフランス語学習で壁にぶつかりました。
そんな時には、少しコツをつかむだけで壁を越えることができます。
この記事では、フランス語学習の初心者にわかりにくい、リエゾン、アンシェヌマン、エリズィヨンの違いについてご説明いたします。
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フランス語学習の初心者がつまずきやすいフランス語特有の発音の規則
フランス語にはフランス語特有の発音の規則があります。
その特有の規則はフランス語をフランス語らしく、美しい響きにするのに役立っています。
しかし、初心者にとっては発音することや聞き分けることが難しく、戸惑ってしまうことがあります。
この記事では、リエゾン、アンシェヌマン、エリズィヨンという3つの規則を取り上げます。
こうした規則により、音がつながって切れ目が変わってしまいます。
耳慣れない言葉に聞こえるかもしれませんが、文字を見ると、知っている単語だったということがあります。
では、一つずつ例を見ながら考えてみましょう。
フランス語特有の発音の規則―リエゾン
リエゾンとは、簡単に言うと、本来発音されない語末の子音字が、次にくる語の母音とつながって発音されるという現象です。
リエゾンには、必ず行う場合としてはならない場合といった規則があります。
幾つか例を見ながら、考えてみましょう。
必ずリエゾンする場合
- 主語人称代名詞+動詞
たとえば、nous avons(私たちは持っている)の場合、発音は「ヌ ザヴォン」のように聞こえます。
- 冠詞+名詞
たとえば、un ami(一人の友人)は「アン ナミ」、les amis(その友人たち)「レ ザミ」となります。
- 所有形容詞・指示形容詞+名詞
たとえば、mon enfant(私の子ども)は「モン ナンファン」、ces enfants(その子どもたち)は「セ ザンファン」と発音されます。
ちなみに、1989年から2013年にかけて、イギリスで放映された『名探偵ポアロ』をご存じでしょうか?
日本では1990年から日本語版に吹き替えられて放映されていました。
デーヴィット・スーシェ演じるポアロの名演技が高い評価を受けました。
エルキュール・ポアロは、ベルギー人です。
日本語の吹き替え版で『名探偵ポアロ』を見ていると、「ボン」、「モナミ」と言ったフランス語が登場します。
「モナミ」はフランス語で表記すると、«Mon ami»となります。
日本語にあえて訳す場合は、「私の友よ」と言った呼びかけの表現になるでしょう。
ポアロがよくドラマで口にする言葉なのですが、これもフランス語独特のリエゾンの形です。
- 前置詞+名詞
たとえば、en automne(秋に)は「アンノトール」、chez un ami(友人の家で)は「シェザンナミ」と発音します。
- êtreの3人称の後
たとえば、«C’est un livre.»(それは本です)は「セタンリーブル」となります。
リエゾンしてはいけない場合
リエゾンしてはいけない場合も規則があります。
- 名詞主語+動詞
たとえば、Cet enfant | est malade.(その子は病気です)の場合は、「セタンファン エ マラード」のようになります。
- 単数名詞+形容詞
たとえば、le plat | italian(イタリア料理)は「ル プラ イタリアン」と発音します。
- 接続詞etの後
たとえば、un garcon et | une fille(男の子と女の子)は「アン ガルソン エ ユヌ フィーユ」となります。
- 有音のhの前
たとえば、des | haricots(いんげん豆)は、「デ アリコ」となります。
フランス語特有の発音の規則―アンシェヌマン
アンシェヌマンとは、単語の最後の子音が次に続く母音とつながって発音されることを言います。
こちらもフランス語の発音を滑らかにする規則です。
たとえば、il estは「イル エ」ではなく、「イ レ」と発音されます。
フランス語特有の発音の規則―エリズィヨン
エリズィヨンは、ce, de, le, me, te, se, je, ne, queが母音、または無音のhで始まる語の前で、eが'(アポストロフ)に代わる現象です。
「母音字省略」ともいわれます。
たとえば、ce+estが、c’est「セ」、que+ilがqu’il「キル」、Je+aimeがJ’aime「ジェム」、Ja+habiteがJ’habite「ジャビトゥ」となります。
英語でも、I amがI’m、He isがHe’sと省略するのに似ていますが、フランス語では必ずエリズィヨンしなければなりません。
この点にもフランス語が音の響きを大切にしていることが表れていると言えます。
まとめ
この記事では、フランス語学習の初心者がつまずきやすいフランス語特有の発音の規則を3つ取り上げました。
最初から規則すべてを一つずつ覚えようとすると、挫折しそうになってしまうかもしれません。
まずは、こうした規則は、フランス語をフランス語らしくしている大切な要素であるということを頭の片隅に置いておくだけでも、気分が変わるのではないでしょうか?
聞き慣れない言葉が出てきたら、一旦立ち止まって、文字を確認してみましょう。
リエゾン、アンシェヌマン、エリズィヨンが含まれていることで、本当は知っている単語が組み合わさっているだけであることに気づくかもしれません。
1つ1つの単語にとらわれず、ひとかたまりに聞こえる言葉や節を何度も口に出して、発音してみると良いでしょう。
そのように練習していくうちに、フランス語の聞き取り力もアップしていくはずです。
フランス語をフランス語らしく話せるように、これからも楽しく勉強していきましょう。
慶應義塾大学文学部出身|英語教師・日本語教師
趣味は旅行とカフェでゆっくり過ごすこと。
座右の銘は「どの雲にも銀の裏地がついている」。
どんなに辛い状況でも、その先には明るい光が待っていると思うと「もう一歩先に進もう」と思えます。
フランス語を勉強し始めたきっかけについては、詳しいプロフィールでご紹介しています。