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弱いからこそ強くなれる!
みなさんは今の仕事が好きですか?
「毎日が同じことの繰り返し」「お給料がもらえればそれでいい」「他の仕事を探すのが面倒くさい」……
そう考えているのは、警察官も一緒なんです!
この記事でご紹介する映画『Pinot, simple flic(読み方:ピノ、サンプル・フリック)』の主人公ロベール・ピノ(Robert Pinot)、通称ピノは、毎日最低限の労力で生活のために淡々と仕事をこなす警察官。
そんな「平凡なピノ」が、ある事件をきっかけにヒーローになってしまう姿は、軽いタッチのコメディ映画でありながら、いろいろなことを考えさせてくれる作品になっています。
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それでは早速、本邦未公開映画『Pinot, simple flic』のあらすじと、映画を楽しくみるための3つのエピソードを一緒にみていきましょう!
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誰だって誰かのヒーローになれる!映画『Pinot, simple flic』のあらすじ
「Police」が「Gardien de la paix(平和のガードマン)」と呼ばれていた1984年。
パリ13区の警察署に勤めていたロベール・ピノは、平凡な警察官。
不器用ゆえに不運なことが「その日も」続きます。
通報があった暴力現場に向かう途中、たまたまひったくり現場に居合わせたピノ。
グングン走って逃げるひったくり犯の少女を追いますが、返り討ちに遭い取り逃がした上に、被害者にも逃げられてしまいます。
「始末書を書け」と上司に怒られた後は、老人の孤独死の現場に向かい、プンプンと悪臭を放つ遺体の回収作業をすることに。
こうしてクタクタになりながら一日の任務を終え、デスクに戻って報告書を作成しようと思った途端、タイプライターが故障!
これもまた「ついていない」ピノの日常でした。
翌朝、通勤途中で朝から不良に絡まれたピノは「また今日も始まる」と、覚悟しながら警察署に向かいます。
同僚とのパトロール中に、前日のひったくり犯の少女と遭遇し、捕まえることに成功。
少女の身分証明書を調べると、なんとピノと同じ出身地だということがわかるのですが……
映画を楽しくみるための3つのエピソード
40代以上の方には懐かしい80年代カルチャーがたくさん詰まった、大ヒットコメディ映画『Pinot simple flic』。
ここでは、本作品にまつわる3つのエピソードをご紹介します。
『Pinot simple flic』のポスターは『ランボー』のパロディ!?
ハリウッド俳優シルベスター・スタローンの代表作『ランボー(Rambo)』シリーズ。
この『ランボー』の一作目が1982年に上映され、本国はもちろんのことフランスや日本に至るまで世界的な大ヒットとなりました。
そして、なんと大胆にも本作品の宣伝ポスターは、『ランボー』の完全パロディなんです!
下記がそれぞれのDVDのジャケットですが、構図がそっくりです。
ちなみに、本作品中で女子更衣室にスタローンのポスターが貼ってあるのが、『ランボー』のパロディの付箋になっています。
監督たちの友情出演!
映画『Pinot simple flic』は、ジュノの初監督作品。
『レ・ブロンゼ〜日焼けした連中』のパトリス・ルコント監督
ピノがホームレスの服を着て、ひったくり犯の少女を尾行しながら地下鉄に乗り込むシーンで、彼の座席の隣にいた男性をルコント監督が演じていました。
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『サンタクロースはゲス野郎』のジャン=マリ・ポワレ監督
ボウリングで遊んだ後、地下鉄のホームで電車を待っているピノの隣に「ウォークマン」でノリノリに音楽を聴いていた男性を演じたのがポワレ監督です。
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『Le Quart d'heure américain』のフィリップ・ガラン監督
後半、傷を負いながら原付バイクでひったくり犯の少女を探しに行くピノの隣を、スーッと追い抜いていくパリジャンを演じたのがガラン監督です。
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テーマソングはルイ・シェディッド
Police Police Police Police Secours !という耳に残る本作品のテーマソングを手がけたのは、当時人気絶頂だった歌手ルイ・シェディッド(Louis Chedid)。
フレンチミュージックファンの方であれば、「シェディッドって、-M-のこと?」と思うかもしれません。
レバノン系エジプト人のルイ・シェディッドは、70年代にフランスでシンガーソングライターとしてデビューするも鳴かず飛ばず。
1981年に「Ainsi soit-il」が音楽チャートでトップになり、一気に80年代スターの仲間入りを果たします。
ルイ・シェディッドは現在も現役のミュージシャンとして新曲を発表し続けていますので、ぜひチェックしてみてください!
まとめ
1984年に発表された映画『Pinot, simple flic』は、ジェラール・ジュニョの監督デビュー作品。
これまで彼が演じてきた、真面目だけれど不器用で、運が悪く、いつも不満ばかり言っているフランス人男をベースに、見事に主人公の「ピノ」を作り出しています。
日本語字幕がないため、内容を理解するには中級以上のフランス語力が必要ですが、80年代カルチャーが好きな人は、映像を見ているだけでも十分楽しめるでしょう。
2022年の今の日本人の感覚で本作品を見ると引いてしまうエピソードもありますが、それこそ80年代感覚!
ぜひ固定観念を取り外して楽しんでください!
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日本語に訳されていない作品が多いですが、この機会にぜひご覧ください。
おまけ
ルイ・シェディッドには4人の子どもたちがいますが、-M-をはじめ全員ミュージシャンで「シェディッド一家(La Famille Chedid)」として、家族で音楽活動もしています!
フランス・パリ在住の、気分は二十歳の双子座。
趣味はヨーロッパ圏内を愛犬と散歩することと、カフェテラスでのイケメンウォッチング。
パリ市内の美術館ではルーブル美術館、オルセー美術館とポンピドーセンターがお気に入り!
好きな映画は70代80年代のフレンチ・コメディ。
オススメや好きな作品は詳しいプロフィールで紹介しています。