映画『ヤマカシ』のあらすじと、パリ郊外発!世界的に人気のスポーツ「パルクール」について

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若者のヒーローたちは、24時間以内に無事に少年の命を救えるか!?

「パリの郊外」と言うと、不良が多く治安が悪い、というイメージを持っている人が多いのではないでしょうか?

そんな方にぜひ見ていただきたいのが、映画『ヤマカシ(原題:Yamakasi)』です。

こんにちは!カタクリです!

2001年に公開され、フランスのみならず世界中でヒットした本作品は、パリ郊外で生まれたアーバンカルチャーの一つ「パルクール(​parkour)」に焦点を当てています。

そして、実在するパフォーマンス集団「ヤマカシ」の名を世界に知らしめました。

フランスに住んでいると、アーバンカルチャーのパワーを感じずにはいられません!

それでは早速映画のあらすじと、パルクールの生みの親であるダビッド・ベル(David Belle)、そしてヤマカシメンバーが開校したADDアカデミーをご紹介します!

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彼らは不良かヒーローか!? 映画『ヤマカシ』のあらすじ

公共団地がドーンと立ち並び、北アフリカ、アフリカ諸国、アジアからなどの移民や子孫が多く住む地域で生まれ育った7人の「ヤマカシ」メンバー。

柔術、ラップミュージック、ダンスなど、それぞれの特技がある彼らは、地元の郊外だけでなく、パリの有名建築物などを舞台に、ハラハラドキドキの「パルクール」パフォーマンスを行っていました。

その圧倒的なテクニックで、若者のヒーローのような存在でしたが、大人たちから見ると、危険なことをしているただの「不良集団」。

そんなある日、ヤマカシに憧れていた少年ジャメル(Djamel)は、校庭の木にグングン登り、友達の前で、彼らのマネをしようとします。

しかし、登り終えたところでスルッと足を踏み外し、ズドンと落ちてしまうのです!

彼の母親であるファティマ(Fatima)が病院に到着すると、担当医から「心臓病を患っているジャメルは、24時間以内に手術をしなければ助からない」と告げられます。

その手術費は40万フラン。

40万フランとは、約6千ユーロのことで、日本円に換算すると70万円ほどです。ちなみに2001年当時の月給最低賃金が1126.40ユーロでした。

生活費でギリギリのファティマには、そんな大金は支払えません。

絶望して自殺を図ろうとした彼女を助けたのは、なんと「ヤマカシ」メンバーでした。

事情を聞いた彼らたちは、責任を感じ、ジャメルの手術費を調達する決意をするのですが……

迫力満点の予告編はこちらです!

パリ郊外で誕生したスポーツ「パルクール」とは

「パルクール」とは、パフォーマンスを兼ねたスポーツで、今や世界中に「トラスール(traceur)」と言われる競技者がいます。

ここでは、パルクールの生みの親ダビッド・ベル(David Belle)と、ヤマカシメンバーが開校したADDアカデミーをみていきましょう!

ダビッド・ベルとは

軍人一家に育ったベルは、パリから南に電車で約1時間の所に位置するリス(Lisses)市で青春時代を過ごします。

幼い頃からスポーツが得意だったベル「フランス軍の伝統的トレーニング方法」を父から学び、パルクールの基礎となる動きを作っていったそうです。

その後、同じくスポーツ好きの友達と一緒に、1997年、パルクールのパフォーマンス集団「ヤマカシ」が誕生します。

ベルはすぐにグループを離れたため、本作品には出演していません。

現在でもパルクールのトップトラスールとして世界中を飛び回る彼は、映画俳優としても活躍しています。

ダビッド・ベルのインタビューもあわせてご覧ください!
彼のパフォーマンスをまとめたのはこちらです。

ADDアカデミー

ヤマカシメンバーの4人が2005年に「パルクール」の学校を開校!

その名も「ADDアカデミー(ADD Academy)」

ADDとは、「Art Du Déplacement」の略で、日本語では「移動術」と言われています。

パリ郊外のエヴリー(Evry)という町で開校し、2021年現在ではボルドー(Bordeaux)やナント(Nantes)など、フランス国内に5校、シンガポールやケベックなど、全世界に6校を構える世界最大の「パルクール」の学校になりました。

その他に、パリ市内のあらゆる施設でコースを開いています。

子どもから大人、初心者から上級者までクラスが別れており、誰でも気軽に参加できるそうです。

初心者向けの授業の様子です!すごく楽しそう!

興味がある方は、ADDアカデミーのサイトもご覧ください!

まとめ

「ヤマカシ」とは、アフリカの言葉で「強靭な人」「強い精神力」を意味し、そのまま映画のタイトルとして使用されました。

フランスではサブタイトルに『Les samouraïs des temps modernes(現代の侍)』と付いているため、いまだに多くのフランス人が日本語だと思っているのが面白いところです!

第二次世界大戦後から労働の担い手として、旧植民地である北アフリカやアフリカからの移民を多く受け入れてきたフランス。

日本の雑誌で見るような「おしゃれなパリ」とはかけ離れていますが、2021年の現在、郊外に住む彼らの子孫たちが「アーバンカルチャー」を発信し、それこそが「新しいフランス文化」として世界中に認識され始めています。

本作品では俗語が多く、郊外独特のアクセントがあるため、聞き取りずらいかもしれません。

それでも郊外が舞台の映画の中では、比較的見やすい内容になっているので、フランスにいつか住んでみたいと考える方が見ておくべき映画の一つです!

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