※当ブログにはプロモーションを含みますが、記事内容は公平さを心がけています。
「フランス語を勉強しているのに、フランス映画が全然聞き取れない」と感じたことはありませんか?
その理由の一つに、フランス映画には口語表現やスラング、くだけた表現がたくさん出てくる事が挙げられます。
教科書にはなかなか出てこない口語表現を積極的に学ぶことで、フランス映画の聞き取りの力は、大幅にアップさせることができます。
この記事では、映画『最強のふたり』の中から「どいてほしいとき」や「いなくなってほしいとき」に使われるフランス語口語表現をご紹介いたします。
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「どいてほしいとき、いなくなってほしいとき」に使われる口語フランス語表現
映画『最強のふたり』の中には、「どいてほしいとき」や「いなくなってほしいとき」に使われる口語フランス語表現が度々使われています。
実際に使われている場面と共に、3つの表現をご紹介しましょう。
Dégage, toi!|Dégagerの意味と使い方
dégagerは「出ていく」、toiは「君、おまえ」という意味です。
この表現は映画の冒頭で、主人公であるドリスが運転中に発する言葉として使われています。
状況としては、少し渋滞気味の道で、前の車にイライラして「おい、どけよ」と独り言を言うという感じでしょうか。
このような状況は、日常生活でもありそうですね。
ただ、この言葉はあまり上品な言葉ではありません。
「どきやがれ!」というニュアンスを含む、強めの言い方です。
この場面のドリスのように独り言として言うのであればいいかもしれませんが、直接言ってしまうとトラブルのもとになることもあるので注意しましょう。
ちなみに、『最強のふたり』の主人公ドリスはかなりくだけた表現やスラングを次々に使うタイプです。
映画のその他の場面でも、«Dègage.»という言葉を連発している場面が出てきます。
自分が使うことはないとしても、聞き取ることができるようになると、映画の世界により入り込むことができるでしょう。
Va-t’en!|S'en allerの意味と使い方
この表現は、s’en aller(「立ち去る」「帰る」「出ていく」)の命令形で、「出ていけ!」と相手を追い払う時に使います。
映画の中では、主人公ドリスが叔母から小言を言われている場面で使われています。
叔母は、しばらく家に帰ってこなかったドリスに対して怒りをぶつけます。
会話の最後に、イライラが頂点になった叔母はドリスに«Va-t’en.Va-t’en.»と言っています。
こちらの表現もきつい言い方にはなりますが、子ども同士のけんか、家族間のけんかのような場面ではよく耳にすることがあります。
最初に挙げた«Dégage-toi.»よりは少しやさしい言い方と言えるでしょう。
何度も何度もじゃれついてくるペットの犬に、「あっちへ行ってなさい!」と言いたいときや、いたずらをしてくる仲の良い友だちに対して「やめてくれよ!」と冗談めかして言いたいときなどには使えるかもしれませんね。
また、もしフランスの街角で異性に何度もしつこくナンパされるような場合、「私の好みじゃないわ」と思うなら、きっぱりと«Va-t’en!»と使ってもよいかもしれません。
Barre-toi!|Se barrerの意味と使い方
この表現の原形は、se barrer(「立ち去る、逃げ出す」)です。
辞書で「俗語」表記になっているように、今までに取り上げた2つの表現と比べてよりスラング的な表現と言えるでしょう。
この表現は主人公ドリスが弟のアダマとの会話で使っています。
警察に拘束されていた弟のアダマを迎えに来た場面を見てみましょう。(和訳は意訳です)
Driss: Qu’est-ce que tu as dit? (それで?)
Adama: Rien.(何も。)
- Ils m’ont chopé avec 30g.(俺が持ってたのは、たった30g《の薬物》だ。)
- Tu connais :garde-à-vue et bye bye.(ちょっと拘留して、すぐバイバイだよ。)
Driss : Tu veux un grec?(メシ《軽いギリシャ料理》でもどうだ?)
Adama : Je monte pas.(冗談だろ。)
Deiss : Viens.(来いよ。)
Adama : Lâche-moi.(ほっといてよ。)
【Admaが離れ去っていこうとします。】
Driss : Tu vas où?(どこへ行く?)
【Admaはそのまま離れてこうとします。】
- Tu te ramènes!(戻れ!)
Adama : Lâche-moi.(ほっとけ。)
Driss : Tire-toi.(もういい、消えろ)
Adama : C’est pa tes affaires.(おまえにゃ関係ねぇことだろ。)
Driss : Barre-toi.(消え失せろ。)
引用:映画『最強のふたり』より
弟の交友関係を気遣って一緒に時間を過ごそうとしたドリスですが、言うことを聞かないアダマの様子に腹を立てて、最後に「消えろ!」「行ってしまえ!」というような意味で、«Barre-toi.»と言っています。
難しい年ごろの弟に手を焼いている様子が伺えます。
«Barre-toi.»の表現を実際に使う機会はないかもしれませんが、映画などではよく使われているようですので、覚えておくとよいのではないでしょうか。
「どいてほしいとき、いなくなってほしいとき」に使われるその他のスラング表現
口語フランス語に、他にも「どいてほしいとき、いなくなってほしいとき」に使われるスラング表現がありますので、取り上げておきます。
- Fiche le camp. (出ていけ。)
- Va te faire foutre. (出て行け。くたばれ。)
- Foutre le camp. (あっちへ行け。くたばれ。)
こうしたスラングを実際に使う可能性は低いとしても、フランス映画や現地では耳にする事があるでしょう。
フランス語初心者から中級者へとステップアップしていくためには、実際に使われている「生のフランス語」に触れる機会を増やすのが大切です。
まとめ
この記事では、「どいてほしいとき、いなくなってほしいとき」に使われる、口語フランス語表現をご紹介しました。
このような口語表現やスラング表現を覚えることで、「フランス映画で話されている会話がなかなか聞き取れない」という悩みも、少しずつ解決して行くことができるでしょう。
くだけた口語フランス語の勉強を取り入れると、より一層楽しくフランス語を学んでいきましょう!
高頻出の口語フランス語動詞【Foutre】の意味とよく使われる例文
慶應義塾大学文学部出身|英語教師・日本語教師
趣味は旅行とカフェでゆっくり過ごすこと。
座右の銘は「どの雲にも銀の裏地がついている」。
どんなに辛い状況でも、その先には明るい光が待っていると思うと「もう一歩先に進もう」と思えます。
フランス語を勉強し始めたきっかけについては、詳しいプロフィールでご紹介しています。