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誰もが生きやすい社会を目指して!
みなさん、「生きづらい」と感じたことはありませんか?
「学校や社会のルールに合わせようとしても、なぜか合わせられない」
「頑張っても周りの空気が読めない」
「人に合わせすぎて自分がなくなる」
「他人の顔色ばかり見てしまう」
など、さまざまな理由で、生きることに疲れている方も少なくないと思います。
そんな方に見ていただきたいのが、フランス映画『スペシャルズ!政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話(以下『スペシャルズ!』で表示、原題:Hors Normes)』です。
日本でも大ヒットしたフランス映画『最強のふたり(Intouchables)』を手掛けたナカシュ(Nakache)監督とトレダナ(Toledano)監督の最新作です。
フランス映画『最強のふたり』をフランス語学習者にお薦めする理由
出演は映画『憎しみ』で衝撃デビューを果たした名優ヴァンサン・カッセル(Vincent Cassel)と、映画『ヒポクラテスの子供達』でセザール最優秀男優賞を受賞した実力派俳優のレダ・カテブ(Reda Kateb)。
・フランス映画『憎しみ(La haine)』のあらすじと感想
・リルティ監督作品『ヒポクラテスの子供達』のあらすじと、映画を理解するための3つのポイント
それでは早速本編のあらすじと、映画のモデルになった2人をご紹介します!
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どんな時でも解決方法はみつかる!映画『スペシャルズ!』のあらすじ
パリの繁華街シャトレ(Châtelet)。
ガヤガヤ騒がしく人通りの多い通りを、グングンと駆け抜けている一人の少女。
そんな彼女をガバっと捕まえたマリク(Malik)は、ドロップアウトした青年たちの社会復帰を手助けする団体「寄港」の代表者。
彼は、バタバタと暴れ回る自閉症の少女を抱きしめながら、なんとかワゴンに乗せることに成功します。
同じ頃、ブリュノ(Bruno)はパリ市内の駅構内を、ジョゼフ (Joseph)を迎えに行くために走っていました。
ジョセフもまた自閉症の青年で「目にしたボタンを全て押してしまう」ことから、この日も車内の「非常ボタン」を押し、電車を止めてしまったために鉄道警察官に確保されていました。
なんとかジョゼフを家まで送り、その足ですぐに緊急医療センターへ向かうブリュノ。
センターでは数カ所の施設から受け入れを断られた、重度の自閉症の少年ヴァランタン(Valentin)の外出アシスタントを頼まれます。
頭を打ち付ける行動をとるためヘッドギアをつけられ、床に座り込んでいるヴァランタンを見たジョゼフは「なんとかしなければ」と思い、長年の友人であるマリクにコンタクトを取ります。
ブリュノに頼まれたマリクは、いつも遅刻し真面目に仕事をしない団体の問題児、ディラン(Dylan)に担当させようと考えるのですが……
映画のモデルになった2人、ステファン・ベナムとダーウド・タトウ
ここからは映画『スペシャルズ!』のブリュノとマリクのモデルとなった、ユダヤ教徒のステファン・ベナム(以下ステファン、Stéphane Benhamou)と、イスラム教徒のダーウド・タトウ(以下ダーウド、Daoud Tatou)が共に活動するまでをご紹介します!
自閉症の青年ジョアンとの出会い
ユダヤ人の子どものための「サマーキャンプ運営団体」の代表を務めていたステファンは、1992年、自閉症の息子を持つ両親から「参加希望」の連絡があります。
その自閉症の子どもこそ、本作品のジョセフのモデルとなったジョアン(Johan)です。
サマーキャンプの成功
多くのスタッフが、ジョアンが他の子どもたちからいじめられるのでは、と懸念していました。
そころが始まってみると、ジョアンの世話を子どもたちが率先し、無事にサマーキャンプが終了しました。
このことが口コミで広まり、年々自閉症の子どもたちの参加が増えていったのです。
1996年、ステファンは自閉症の子どもたちの自立を助ける団体「Le Silence des Justes」を設立します。
ダーウドとの出会い
ラップが得意な青年が自閉症の子どもたちのケアの一環で、ラップ教室を行ったところ大人気に!
イキイキとラップを歌う子どもたちを見たステファンは、若者に人気のアーバンカルチャーをケアに取り入れられないかと考え始めました。
その頃、知り合いを通じて、ドロップアウトした若者たちをケアアシスタントとして育て、ハンディキャップがある子どもたちのためにレクリエーションを行っていたダーウドの活動を知ります。
ステファンがダーウドにコンタクトを取ると、すぐに意気投合しました!
映画『Let’sダンス』のあらすじと新フランス文化「アーバンカルチャー」とは
Relais Ile de Franceを設立
彼らの活動は医療関係者、教育関係者からも次第に認知されるようになり、需要が高まっていきました。
そんな中、ユダヤ教徒のステファンとイスラム教徒のダーウドは、それぞれのコミュニティを超え、2000年、ついに自閉症の子ども、そしてドロップアウトした青年の自立を助ける団体「Relais Ile de France」を設立したのです。
まとめ
日々、真の「寛容社会」を作る姿を描いているフランス映画『スペシャルズ!』。
あれは、ユダヤ教が頭につけるキッパという小さな帽子を隠し、差別や不当な扱いを避けるために被っているのです。
自閉症を演じていたのは、なんと実際に「Le Silence des Justes」に所属している子どもたち。
ジョゼフを演じたベンジャミン・レシュール(Benjamin Lesieur)は、自閉症の若者で初めて、2020年のセザール最優秀助演男優賞にノミネートされました。
フランス語学習にはもちろんのこと、フランスにおける宗教や自閉症の世界を知ることができる素晴らしい映画です!
みんなで「みんなが生きやすい世界」を作ろうとする映画『スペシャルズ!』、2022年の今だからこそ、ぜひ見ていただきたい映画の一つです!
フランス・パリ在住の、気分は二十歳の双子座。
趣味はヨーロッパ圏内を愛犬と散歩することと、カフェテラスでのイケメンウォッチング。
パリ市内の美術館ではルーブル美術館、オルセー美術館とポンピドーセンターがお気に入り!
好きな映画は70代80年代のフレンチ・コメディ。
オススメや好きな作品は詳しいプロフィールで紹介しています。