※当ブログにはプロモーションを含みますが、記事内容は公平さを心がけています。
フランスのティーンを魅了したカルト的な映画、『グラン・ブルー(原題:Le Grand bleu)』。
『グラン・ブルー』の魅力をご紹介すると共に、リュック・ベッソン監督が抱えた苦難や実在のジャックやエンゾのエピソードを披露いたします。
また、結末が違う、様々な映画のバージョンについても解説いたします。
男たちが命を賭けて潜る、魅惑の深海が見せる夢物語をお楽しみください。
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映画『グラン・ブルー 完全版 -デジタル・レストア・バージョン』の予告編と視聴できる動画配信サービス
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サービス名 | 有無 | 無料期間 | 月額(税込) |
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≪注意事項≫
紹介している作品は、2021年3月時点の情報です。
現在は配信終了している場合もありますので、詳細は各VODの公式ホームページにてご確認ください。
『グラン・ブルー』の概要
『グラン・ブルー』は酸素ボンベをつけずに水中に潜るフリーダイビングの世界を描いた仏・伊合作映画で、実在のジャック・マイヨール、エンゾ・マイオリカがモデルです。
文字通りグラン・ブルーの大洋、光が届かない深海を舞台に、二人の幼馴染みが競技会で世界記録に挑みます。
この映画をご覧にならなかった方でもエリック・セラの主題歌を聞いたら「あっ知ってる!」と思われるでしょう。
物語はギリシャから始まり、ペルー、ニューヨーク、コートダジュール、シチリアー島とあちらこちらに移動するので、違う国の景色が楽しめます。
もちろんグラン・ブルーの海は果てしなく広くて深く、幻想的ですらあります。
監督は『レオン』『フィフス・エレメント』のリュック・ベッソン。
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ベッソン監督は、この映画を撮影後に重い病気を背負って生まれた娘に捧げました。
あらすじと登場人物
幼い時に潜水夫だった父を失ったジャックは、大人になっても水のある場所で生活をしていました。
それはペルーの凍った湖だったり、フランスの海だったり…。
彼には深海に潜れる類まれな能力があり、ローレンス博士の研究対象になっていました。ジャックはもともと内気で友達がおらず、海で友人のイルカと一緒に泳いで孤独を紛らわせる寡黙な青年です。
そんな彼の生活に変化をもたらしたのが、アメリカ人のジョアンナ。
明るい性格の彼女は少しずつジャックに人間らしい感情を開花させ、お互いに惹かれるようになります。
しかし、ジャックはエンゾとの再会によって深海に挑む決心をします。
それはかつてからジャックが思い描いていた世界に近づく一歩になりました。
ジャック・マイヨール(Jacques Mayol)を演じるキャスト:マルク・バール(Jean-Marc Barr)
フランス人で潜水夫の父とニューヨーカーの母を持つ、物静かなフランス人。
両親は離婚して母をほとんど知らず、子供の時に父も潜水事故で失ってしまいます。
それ以降、イルカが彼の大切な家族になりました。
かなり人間離れした思考の持ち主です。
この「海の申し子」とも言えるジャック・マイヨールを演じたマルク・バール(Jean-Marc Barr)の「無垢」な笑顔が印象的です。
エンゾ・モリナーリ(Enzo Molinari)を演じるキャスト:ジャン・レノ(Jean Reno)
イタリア人で幼い時からジャックを知っている、どちらかと言えばガキ大将タイプ。
彼も潜水が得意で、世界チャンピオンになります。
幼い時に別れたジャックこそがエンゾの究極のライバルだと理解していて、20年ぶりにジャックを探し当てます。
尊大でマッチョなエンゾですが、典型的なイタリアのマンマである母親にはアタマが上がらず、逆らわないでいい子になります。
エンゾを演じたジャン・レノ(Jean Reno)はフランスでも人気のある俳優で、『レオン』や『ニキータ』などのリュック・ベッソンの他の映画にも出演しています。
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ジョアンナ・ベイカー(Johanna Baker)を演じるキャスト:ロザンナ・アークエット(Rosanna Arquette)
保険会社で働く、平凡なニューヨーカー。仕事でペルーに出張した時に、凍てつく湖に潜るジャックに一目ぼれをしてしまいます。彼に再会するために会社に嘘をついてジャックがいるシシリー島に向かいます。
ジョアンナ・ベイカーを演じたロザンナ・アークエット(Rosanna Arquette)はニューヨーク出身のアメリカ人です。
彼女がニューヨークにいるシーンはセリフが英語になっていて、リアリティが出されています。
ローレンス博士(docteur Lawrence)を演じるキャストポール・シェナー(Paul Shenar)
ジャックの潜水能力の高さに目をつけ、専門的に彼の研究をしているドクター。そしてフリーダイビングの危険性を見抜いて、競技会の中止を要請します。
このローレンス博士を演じたポール・シェナー(Paul Shenar)ですが、残念なことにグラン・ブルーが上映された翌年に53歳で亡くなりました。
ロベルト(Roberto)を演じるキャスト:マルク・デュレ(Marc Duret)
エンゾの弟で、小さい時からいつも兄のそばにいます。兄をたいへん尊敬し、兄を励まし、兄のために必ず競技会に同伴します。
マルク・デュレ(Marc Duret)が演じたロベルトは、とても家族の絆を大切にするイタリア人の特徴が出ており、愛らしいキャラクターになりました。
笑顔が素敵だけど不可解な言動が多いジャック
雄大な大洋、海中から海面を臨む光の美しさ、月光に浮かぶシルエット、表情豊かなイルカたち…エリック・セラの音楽と見事にマッチして、海へのあこがれを誘います。
二人のライバルが限界に競う結果や、ジャックとジョアンナの愛の行方が気になりますが、最初から色々な伏線が引かれているので、セリフをよく噛みしめてご覧ください。
ジャックは「水中から上がってくる理由が見つからない。」とジョアンナに言うような、不思議な言動をします。
フランス映画に出てくる特有の「私たちが普段、社会で使う常識で理解できない不思議な」人物で、掴みどころがないために、ジョアンナはだんだん不安にかられていきます。
ずっとシリアスにならないようにところどころにギャグも入っていますが、その一つのシーンに競技会に出場する日本人グループが出てきます。
筆者は「え?こんな風に日本人を捉えているの?」と意外でしたが、撮影された当時は日本の経済力は世界でも1,2位を争っていた時代だったので、日本人の勤勉さを誇張したのかも知れません。
色々なバージョンがある『グラン・ブルー』
『グラン・ブルー』の完全版は非常に長かったので、カンヌで公開された時はいくつかのシーンがカットされました。
世界に配信する時はもっと短くなりました。
フランス公開版『Le Grand Bleu』(132分)
カンヌ上映作品で、英語で上映されており、フランスでの公開時にフランス語に吹き替えられました。
国際版『The Big Blue』(120分)
日本でも最初は『グレート・ブルー』という邦題でした。のちに『グラン・ブルー』に改題されました。
アメリカ公開版『The Big Blue』(118分)
音楽がエリック・セラではなく、ビル・コンティに差し替えられ、ラストシーンが全く違うものに変わっています。
完全版『Le Grand Bleu』(168分)
1992年に未公開部分が全て公開されました。
カンヌ映画祭でプレスが「海」に関連する言葉を使って意地悪な批評!
『グラン・ブルー』はカンヌ映画祭のオープニングを飾ったのですが、プレスはそろって酷評しました。
「Grand blues sur la grande bleue」
「Grand blues sur la grande bleue」は、「地中海の大きなブルース」という意味ですが、『グラン・ブルー』が失敗作だったために「カンヌの大きな悲しみ」だと表現されています。
「la grande bleue」は“地中海”の意味ですが、カンヌは地中海側にあるのでここでは“カンヌ”という意味で使っています。
音楽のブルースは悲しさを表現します。
「La mer à boire 」
「La mer à boire 」は、「海を飲み干す」という意味で、“難しい”という言い回し。この映画は「難しいよね、君には」という意味です。
「Que d’eau, que d’eau」
「Que d’eau, que d’eau」は、「水ばっかり、水ばっかり」という意味です。水しか出てこなくて「退屈だ」と酷評されてました。
まとめ
日米でも興行成績は悪く、日本では早めに打ち切られてしまいました。
ところが、フランスで公開されると10代の若者たちを熱狂させ、187週連続上映、920万人の観客を動員して爆発的な成功を収めたのです。
その成功を受けて後に日本でも後に人気に火がつきました。
Le Grand Bleuのシネ・コンサートはその後も人気を博し、2022年にも計画がされております。
リンク先のサイトの下の方に動画もありますので、ぜひ御覧ください。
当時の若者たちは「グラン・ブルー」の海で、イルカと一緒に戯れるジャックになることを夢見たのです。
ちょうど生まれたばかりのお嬢さんの手術を控えており、心労が重なっていたベッソン監督はカンヌ映画祭のプレスの辛辣な批評に大変傷ついたそうです。
しかしながらその後は映画が大成功し、お嬢さんは元気になって成長し女優になりましたから、ベッソン監督の心配が良い結果で終わったと知って、筆者は安心しました。
実在のジャックとエンゾですが、ジャックは映画と違って饒舌なタイプだったそうです。
日本と交流があり、日本のドキュメンタリーに出演していましたが、残念なことにジャックは74歳の時に自死されてしまいました。
エンゾも映画のタイプと違って、逆に真面目な方だったようですが、2016年に天寿を85歳で全うされました。
お二人とも魂は海に還っていかれたかもしれません。
本物のジャック・マイヨール
LE GRAND BLEU. 💦 1988, "Le Grand Bleu" de Luc Besson cartonne au cinéma (9,2 millions de Français feront le déplacement en salle). L'occasion pour Antenne 2 de partir à la rencontre du "vrai" Jacques Mayol dont les prouesses sous l'eau ont inspiré le film. #LeGrandBleu pic.twitter.com/WmOy2To9eU
— Ina.fr (@Inafr_officiel) January 24, 2021
筆者は20年ぶりに『グラン・ブルー完全版』を見直した時に、音楽と澄み切った海がいつまでも脳裏から離れませんでした。
神秘的な映像が心に残る映画です。
映画『グラン・ブルー完全版』が観れるビデオ・オン・デマンド(VOD)サービス
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スイス・ジュネーブ在住
スイス生まれのフランス人と結婚した、二人の娘の母。
趣味は料理。フランス料理は義母から教えてもらったブルゴーニュ料理が得意。
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