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「フランス語学習を始めたけれど、フランス語の文法が難しくて、なかなか頭に入らない」という方は多いのではないでしょうか。
私自身、フランス語を学習し始めた時、文法の難しさに頭を抱えてしまったことがあります。
少しでも楽しくフランス語文法を学ぶ方法はないのでしょうか?
そんな悩みを抱えている方におすすめなのが、サン=テグジュペリ著の『星の王子さま』でフランス語文法を学ぶ方法です。
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『星の王子さま』を使ってフランス語文法を学ぶメリット
フランス語を学んでいる方の中には、『星の王子さま』が大好きだという方が多いかもしれません。
一方、『星の王子さま』のことを全く知らないという方もおられるかもしれません。
『星の王子さま』という作品については別の記事でご紹介していますので、この本について知りたい方はぜひお読みください。
『星の王子さま』では、比較的平易でわかりやすい言葉が使われています。
また、対話形式で作品がつづられている部分も多いので、初級のフランス語文法を学ぶのに役立ちます。
「好きこそものの上手なれ」ということわざがありますが、大好きな「王子さま」と一緒であれば、フランス語文法の学習も楽しく進むのではないでしょうか。
『星の王子さま』が好きな方にお勧めのフランス語文法書の紹介
とはいっても、『星の王子さま』の原文にいきなりチャレンジするということは、お勧めしません。
いきなりハードルを上げてしまうと、挫折してしまいがちです。
あくまでも、フランス語文法を楽しく学ぶということを目標にしてみましょう。
お勧めの書籍は、『「星の王子さま」で学ぶフランス語文法』(三野博司著)です。
『「星の王子さま」で学ぶフランス語文法』(三野博司著)の特徴
こちらの書籍では、一通りのフランス語の初級文法が説明されています。
『星の王子さま』から引用された豊富な例文
フランス語の文法事項の一つ一つに対して、『星の王子さま』から引用された例文がついています。
たとえば、フランス語で否定文を作るときは、動詞をne...pasではさみますが、ここでは次のような2つの例文が示されています。
Ce n’est pas un homme, c’est un champignon!
それは人間じゃないよ、キノコだよ![王子さまがパイロットに言います]
Je ne suis pas une herbe.
わたしは草じゃないことよ。[誇り高いバラの花のセリフです]
出典:『「星の王子さま」で学ぶフランス語文法』三野博司著
王子さまやバラの言葉として引用されていると、否定文という文法事項も無味乾燥ではなくなってきます。
作品の中で、だれが話した言葉なのかという説明書きがあるので、お話を思い出しながら、勉強を進めていくことができます。
続く部分では、キツネの有名なセリフも紹介されています。
On ne voit bien qu’avec le cœur.
心で見なくっちゃ、よく見えない。[キツネのセリフです。直訳すれば、人は心によってしかよく見えない、となります。Voitは不規則動詞voirが直接現在に活用したものです。→p.56]
出典:『「星の王子さま」で学ぶフランス語文法』三野博司著
この例文があれば、「~しかない」という意味のne...queという表現も覚えやすくなりそうです。
物語の進行に合わせた文法説明
こちらの書籍では、物語の進行と、文法学習の速度が平行するように工夫がされています。
40のユニテそれぞれに、基本文、物語の抜粋、文法の解説が載せられていますので、物語を楽しみながら読み進めることができます。
「文法説明だけでは、挫折してしまいそう」という方には、ぴったりの解説法です。
たとえば、フランス語では二人称である「あなた」に相当するものとして«tu»と«vous»という2つの表現があります。
«tu»は、家族や友達など親しい人に対して、«vous»はそれ以外の人に対して使うといった説明もあるので、«vous»については日本語でいう「敬語」というニュアンスを持っている方が多いのではないでしょうか。
しかし、実際にはこの使い分けには「心理的な距離感」が関係しているようです。
その点が、王子さまとバラの花との関係を使って、とてもわかりやすく説明されていました。
さんざん王子さまを悩ませたバラの花ですが、いよいよ王子さまが星を去る段になると、愛の告白をするのです。
「ええ、そうよ、あなたが好きよ…幸せになってね…。(Mais oui, je t’aime...Tâche d’être heureux...)」
…(中略)…初めは王子さまをvousで呼んでいたバラの花ですが、この別れの場面ではtuに変わっています。そこで、直接目的語人称代名詞も2人称のteが使われています。
出典:『「星の王子さま」で学ぶフランス語文法』三野博司著
バラの花の王子さまへの心理的な距離感が縮まったことから、表現が変わったということに気づくことができます。
このように、フランス語ならではの表現に関しても意味をつかみやすくなっています。
まとめ
この記事では、『星の王子さま』が好きな方にお勧めのフランス語文法書をご紹介しました。
「フランス語の文法を学び始めたものの難しくて挫折しそう」という方、「『星の王子さま』が大好き」という方にはぜひ一度手に取っていただきたい書籍です。
フランス語の初級文法を一通り学び終えたら、今度は『星の王子さま』の原文にも挑戦してみてください。
きっとそれまでに覚えた表現や単語を見つけることのできる感動体験になることでしょう。
慶應義塾大学文学部出身|英語教師・日本語教師
趣味は旅行とカフェでゆっくり過ごすこと。
座右の銘は「どの雲にも銀の裏地がついている」。
どんなに辛い状況でも、その先には明るい光が待っていると思うと「もう一歩先に進もう」と思えます。
フランス語を勉強し始めたきっかけについては、詳しいプロフィールでご紹介しています。