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前世に会いに行く!
みなさんは「誰かに似ている」と言われたことはありませんか?
もしそれが、自分が生まれた年に亡くなった人に瓜二つだと言われたら……
この記事で紹介するのは、そんな不思議な経験をした方におすすめのフランス映画『英雄は死なない(原題:Les héros ne meurent jamais)』です。
主演は、他人の一言から運命に翻弄される主人公ジョアキム(Joachim)を演じた若手俳優ジョナサン・クージニエ(Jonathan Couzinié)、そして彼の親友アリス(Alice)は、フランスの大ヒット映画『B P Mビート・パー・ミニット(120 battellements par minute)』でアクティビストとして活躍するレズビアンのソフィを演じた、日本でも人気の個性派女優アデル・エネル(Adèle Haenel)が演じています。
フランス映画『B P Mビート・パー・ミニット』のあらすじと感想
それでは早速、フランス(ベルギー、ボスニア・ヘルツェゴビナ合作)映画『英雄は死なない』のあらすじと、映画をより面白く見るために知っておきたい3つのエピソードを紹介します!
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自分は一体何者なのか?映画『英雄は死なない』のあらすじ
パリ12区のアパートの一室。
親友のアリスが構えたカメラの前に立ったジョアキムは、ボソボソとある出来事について語りはじめます……
「その日、自宅近くのアリーグル市場でいつものように買い物をした後、行きつけのカフェを曲がったところで路上に座っていた男と目があったんだ。
しばらくすると、その男はロシア語訛りで僕にこう叫んだ『ゾラン、おまえが殺したんだ!拷問にかけて!そして1983年8月21日、おまえは殺されたんだ!』と。
その言葉が今でも頭から離れない……だって、そのゾランが死んだ日は、僕の生年月日なんだ!」
この言葉をホームレスから投げつけられた瞬間、戦場の場面がスッと頭をよぎったというジョアキムは、もしかしたら自分はゾランの生まれ変わりかもしれないと感じ始めていたのです。
そして、その撮影日の夜。
ジョアキムはぼーっと夢遊病のように部屋を歩き回り、朝目覚めると、腕に見覚えのない文字が書いてありました。
セルビア出身のアリスにはそれが「キリル語」であることがわかります。
彼は本当にゾランの生まれ変わりなのか?
それを探るために、友人のヴェイルジニ(Virginie)とポール(Paul)とともに、ボスニアへ向かったのですが……
映画をより面白く見るために知っておきたい3つのエピソード
「前世」をテーマとし、戦争で傷ついた街や人々を映し出した映画『英雄は死なない』。
ここでは、そんなわかりづらいと言われる本作品を、より面白く見るために知っておきたい3つのエピソードをご紹介します!
ボスニアと映画との出会い
映画『英雄は死なない』で監督として長編映画デビューを果たしたオード=レア・ラパン(Aude-Léa Rapin)。
ラパン監督は高校卒業と同時に、首都のサラエボにあったアンドレ・マルローフランス文化センター(le Centre André Malraux)の受け入れによりボスニアへ旅立ちます。
パリから30時間かけて到着し、現地で最初に会ったフランス人がなんとあの映画監督ジャン=リュック・ゴダール(Jean-Luc Godard)!
ゴダールの映画や文化に対する情熱や知識に触れ、「私も映画に携わる仕事がしたい!」とラパン監督は決意します。
ドキュメンタリー風へのこだわり
本作品でジョアキムの友人でカメラマンとしてともにボスニアを訪ねたポール。
10年間のボスニア生活の後、フランス国立映画学校La Fémisへ入学したラパン監督は、同校で知り合ったポールと一緒にこの作品に挑みました。
戦争の傷を残したボスニアをリアルに伝えるために、映像の美しさよりもドキュメンタリーのような臨場感にこだわったそうです。
旧友ジョナサン・クージニエ
ジョアキムを演じたジョナサン・クージニエとラパン監督は、なんと高校時代の友達!
ラパン監督の短編作品にも出演しているジョナサンですが、本作品では脚本にも携わり、まさに若い時の夢を実現させた作品になりました。
まとめ
命の尊さを描いたフランス、ベルギー、ボスニア・ヘルツェゴビナの合作映画『英雄は死なない』。
衝撃的に始まる本作品は、予想できなかったラストを迎えたことで、賛否両論になっています。
劇中では話すスピードや語彙ともに、とてもナチュラルなフランス語を聞くことができるので、リスニングの練習として最適な教材です。
日本、フランスともに決して評価は高くありませんが、今までにあまりなかったストーリー展開には、ラパン監督の「挑戦」が感じられます。
新しい感覚のフランス映画をみたい方、そして「生まれ変わり」を信じる方におすすめの映画です。
フランス・パリ在住の、気分は二十歳の双子座。
趣味はヨーロッパ圏内を愛犬と散歩することと、カフェテラスでのイケメンウォッチング。
パリ市内の美術館ではルーブル美術館、オルセー美術館とポンピドーセンターがお気に入り!
好きな映画は70代80年代のフレンチ・コメディ。
オススメや好きな作品は詳しいプロフィールで紹介しています。