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「スラッシュリーディング」という読解法をご存知でしょうか?
「スラッシュリーディング」は、フランス語の長文読解問題を解く際など、素早く文章全体の意味を把握するのにとても役に立つ読解法です。
この記事では、スラッシュリーディングのやり方と、メリットやデメリットについてご紹介します。
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スラッシュリーディングとは?
「スラッシュリーディング」とは、文章に「スラッシュ」を入れてこまめに区切りながら、そのままの順序で訳していく方法です。
「区切り読み」とも呼ばれます。
フランス語をきれいな日本語に直して読む「返し読み」と比べると、何倍も早く長文を読み解くことが出来る、画期的な読解法です。
「スラッシュリーディング」のやり方をご紹介する前に、まず「返し読み」について、例を挙げてご紹介します。
「返し読み」とは
突然ですが、皆さんはこちらの文をどのように訳しますか?
“Je ne sais pas pourquoi il est venu en retard.”
「なぜ彼が遅刻してきたのか、私にはわからない」と訳す人が多いのではないでしょうか。
こちらの文は、後半の“pourquoi”以下の文を先に訳し、前半の“Je ne sais pas”を後で訳すことで、自然な日本語の訳ができますよね。
このように、文を一度最後まで読み切ってから日本語に合わせて並び替えて訳していくことを「返し読み」と言います。
日本語は、英語やフランス語とは語順が全く違うため、美しく訳そうとすると「返し読み」をする必要があります。
学校の授業では「和訳」の練習をすることが多いので、ついつい自然と「返し読み」をする癖がついてしまっている人も多いでしょう。
テストなどで「この文の日本語訳を答えなさい」と問われている場合は、自然な日本語に訳すことが大事です。
しかし長文読解などで、「いかに早く読み問題に答えるか」が求められる場合は「返し読み」をしていると大幅に時間をロスしてしまいます。
そこでオススメなのが「スラッシュリーディング」という読み方です。
スラッシュリーディングのやり方
スラッシュリーディングのやり方は簡単です。
上述の通り、「スラッシュリーディング」は文章をこまめに区切りながら、そのままの順序で訳していく方法です。
例えば、以下の文章をスラッシュリーディングで訳すと下記のようになります。
Il m’a dit / qu’on se verrait / demain / à la gare / vers 10h.
彼は私に言った / 会おうと / 明日 / 駅で / 10時頃に。
日本語としては不自然ではありますが、意味はきちんと理解することができますよね。
このように単語を並び替えることなく、そのまま訳しながら読んでいく方法が「スラッシュリーディング」なのです。
スラッシュリーディングのメリットとは?
スラッシュリーディングをする上でのメリットをいくつかご紹介します。
長文読解の速読に強くなる!
先ほどもお話しした通り、スラッシュリーディングをすることで読むスピードが格段にアップします。
「美しく訳す」のではなく「大まかに意味をつかむ」ことに重点を置いて読んでいきましょう。
特に時間が限られているテストなどの場合は、長文をいかに早く読むかが合格へのカギとなります。
ざっくりとであっても、内容が理解できていれば問題は解けますからね!
スラッシュリーディングはフランス語の長文読解問題を素早く解く際に非常に役立つテクニックと言えます。
フランス語の長文読解力を伸ばすために効率的な勉強法「多読」とは?
リスニングにも効果的!
リスニングでは「返り読み」のように、「まず最後まで聞いてから順番を並び替えて訳して…」なんてやっている時間はありません。
聞こえたとおり、頭から順番に訳して理解していく力が必要となります。
そこで、日頃からスラッシュリーディングに慣れておくことで、リスニングでも焦ることなく対応することができるようになるのです。
フランス語の語順のまま理解するというテクニックは、リスニングでこそ活かせる技です。
まずはリーディングでたくさん練習を積んでから、リスニングで応用してみるのが良いでしょう。
同時通訳者の方々は、スラッシュリーディングの要領で大量の言葉を素早く処理しています。
テレビなどで同時通訳を見る機会があれば、どのように翻訳しているか、ぜひ参考にしてみてくださいね。
スラッシュリーディングのデメリットとは?
良いところばかりに思えるスラッシュリーディングですが、もちろんデメリットもあります。
スラッシュを引く位置に悩む
慣れるまではスラッシュを引く位置がうまくつかめず、逆に混乱してしまう人がいます。
上手く区切ることができないと、もちろん文章を理解することができなくなってしまいます。
さらに、スラッシュを引くことに集中しすぎるあまり、内容がつかめなくてもスラッシュが引けたことに満足して終わる人もいます。
これではスラッシュリーディングの意味がありませんよね。
スラッシュを引く位置は、基本的に下記の3つを押さえておけば大丈夫です。
スラッシュを引く位置
- 前置詞の前(dans, sur, à, en, pour…)
- 接続詞の前(et, ou, mais, donc, pourquoi, si…)
- 関係代名詞の前(que, qui, dont…)
まずは意味のカタマリごとに区切っていくことを心がけて読む練習してみましょう。
スラッシュがないと読めなくなる
スラッシュリーディングをする上でスラッシュを引くことはマストなのですが、スラッシュがあることに慣れすぎると、スラッシュがないと読めないということが起こり得ます。
読書をする場合にも、常にペンでスラッシュを引きながら読むというのは大変ですよね。
さらに、スラッシュを引かずには読めないとなると、リスニングに全く対応できなくなります。
そうならないためにも、ある程度慣れてきたら、実際にはスラッシュは引かずに頭の中で区切る練習をしていくことも大切です。
最終的には意識して文章を区切ることなく、自然と頭から訳していけるようになるのが理想です。
まとめ
スラッシュリーディングの説明と、メリット・デメリットについてご紹介しました。
日本語との語順の違いは、外国語を勉強する上で非常に大きな弊害となります。
しかしスラッシュリーディングの要領で文章の読解に慣れることができれば、リーディング力はもちろん、リスニング力も格段にアップさせることができます。
最初は区切る場所で悩むかもしれませんが、習得すれば必ず役に立ちますので、ぜひ練習してみてくださいね。
フランス文学部出身|DELF B2、仏検準一級
仏検準1級にはフランス語を勉強し始めて2年で合格。
大学卒業後はワイン商社でフランス産ワインを担当。
嫌なことは寝て忘れるオプティミスト。
好きなことや将来の夢などについては、詳しいプロフィールでご紹介しています。