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フランス語の「条件法現在(Conditionnel Présent)」には、語気緩和や推測、事実とは異なる事象を述べる仮定表現など様々な用法があります。
とても複雑で難しいイメージですよね。
しかし実際は、会話などでもよく使われるとても便利な表現なのです。
ここでは、条件法現在の使い方を詳しくご説明しますと共に、条件法現在を用いた丁寧なフランス語の話し方について解説します。
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条件法現在でよく使われる動詞と活用方法
条件法現在でよく使われる動詞には、以下があります。
- « aimer »
- « avoir »
- « désirer »
- « être »
- « pouvoir »
- « préférer »
- « souhaiter »
- « vouloir »
まずは活用をおさらいしましょう。
条件法現在の形を作るには、
直接法単純未来の語幹に、半過去の語尾(-ais, -ais, -ait, -ions, -iez, -aient)をつけます。
Tu serais
Il serait
Nous serions
Vous series
Ils seraient
Tu aimerais
Il aimerait
Nous aimerions
Vous aimeriez
Ils aimeraient
活用は何度も何度も書いて、全部覚えてしまいましょう。
『語気緩和』- 条件法現在を使った丁寧な表現
条件法を使うと、直接法よりも丁寧なフランス語表現になります。
例えば“Je veux un café.”と言えば「コーヒーが欲しい!」と、まるで物を欲しがる子供のようなストレートな表現になりますが、条件法を使って“Je voudrais un café.”と言えば「コーヒーが欲しいのですが…」のように、柔らかい丁寧な言い方になります。
英語で言う“I want (to)”と“I woud like (to)”の違いのようなニュアンスです。
例)
- Pourriez-vous m’aider, s’il vous plaît? (手伝っていただけませんか?)
- J’aimerais bien aller au Japon un jour. (いつか日本に行ってみたいなぁ。)
- Je voudrais essayer cette cravate. (このネクタイを試してみたいのですが…)
- Tu aurais un stylo, s’il te plaît? (ペン持ってたら貸してもらえる?)
また、誰かに助言や提案をする際にも、条件法を使うと口調が緩和されます。
例)
- Il faudrait finir ce travail aujourd’hui.(今日中に仕事を終わらせないと…。)
- Tu ne devrais pas être en retard. (遅刻しないようにね。)
条件法の語気緩和表現は、相手が友達などの親しい間柄でも使用するので、日本語でいう「敬語」のようなニュアンスとは少し違うかもしれませんが、ストレートに言い切るのではなく、やんわりと優しく相手に伝えたい時に使う表現として覚えておいてください。
『推測・伝聞・予定』- 不確かな話をしたいとき
天気予報やニュースなどの断定できない話や、噂話などでよく条件法現在が使われています。
例)
- Il devrait pleuvoir demain. (明日は雨が降るらしいよ。)
- D’après Romain, Nelly aurait un petit ami japonais. (ロマン曰く、ネリーには日本人の彼氏がいるらしい。)
- Pourquoi tu ne travaillerais pas plus?(もっと働いてみたらどう?)
「仮定表現」- 現在の事実とは異なる仮定の話をする場合
現在の事実とは異なる仮定の話、例えば、お金がなく狭いアパートに住みながら、
「もしもお金持ちだったら、大きな家に住めるんだけどなぁ」
と、理想や残念な気持ちなどを表現したいときに条件法が使われます。
例)
Si j’étais riche, je pourrais vivre dans une grande maison.
ここで注意しなくてはいけないのが、前半の動詞は直接法半過去、後半の動詞が条件法になるということです。
では、以下の2つの例文を見てください。
例)
- Si j’avais le temps, j’irais à Paris.
直接法半過去 + 条件法現在
(もし時間があったら、パリに行ったのになぁ。)
- Si j’ai le temps, j’ irai à Paris.
直接法現在 + 単純未来
(時間があれば、パリに行きます。)
1の場合は、実際に時間がなく、「行きたいのにパリにいけない」残念な気持ちが表現されています。
2では、「行けたら行きます」という現実的な思いが表現されています。
時制によって、「現実の話」か「仮定の話」かが変わってきますので、会話をする際には十分に気をつけるようにしてくださいね。
おまけ:「条件法過去」後悔の気持ちを表現
《pouvoir》《devoir》《vouloir》を複合過去の形にすることで、「〜できたのに…」「〜すべきだったのに…」「〜したかったのに…」というように、後悔の気持ちを表現することができます。
複合過去の作り方は、avoir動詞を条件法現在の形にし、《pouvoir》《devoir》《vouloir》を過去分詞の形にします。
例)
-J’ai oublié mon maillot de bain! J’aurais pu passé la journée à la plage.
(水着忘れちゃった!水着があれば、海で一日過ごせたのに…)
-J’aurais dû finir mes devoir avant ce matin!
(今朝までに宿題を終わらせるべきだったのに!)
-J’aurais voulu t’inviter chez moi mais je n’ai pas le temps.
(自宅に招待したかったんだけど、時間がなくて…)
少し難しく感じるかもしれませんが、活用さえ覚えてしまえば、誰もがつい口にしてしまう後悔の気持ちを表現できるようになります。
ぜひ丸暗記する勢いで頭に叩き込んでくださいね!
まとめ
「条件法」の使い方を詳しく解説しました。
語気緩和や推測、仮定表現など、一見複雑に思える用法ですが、実際に会話をしていると本当によく条件法が使われています。
特に語気緩和としての使い方は、旅行をする際などのちょっとした会話でもすぐに使える表現なので、必ず覚えておいてくださいね。
語気が緩和されているだけで随分と印象が変わるものです。
いくら外国人の話すフランス語だと言っても、失礼な印象は与えたくないですものですよね。
また、条件法を知っているだけで会話の幅がグンッと広がります。
よりネイティブに近づくためには是非マスターしてほしい用法です。
フランス文学部出身|DELF B2、仏検準一級
仏検準1級にはフランス語を勉強し始めて2年で合格。
大学卒業後はワイン商社でフランス産ワインを担当。
嫌なことは寝て忘れるオプティミスト。
好きなことや将来の夢などについては、詳しいプロフィールでご紹介しています。