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就職に向けて何かアピールができる公的な資格がほしい、自分の実力がどれくらいなのか客観的に知りたい、というように、仏検準1級の受験を迷っている人には、それぞれの想いはあるでしょう。
ですが、安くない受験料を考えると、藪から棒な受験ではなく、受けるからには一発合格したいですよね。
そのためには、仏検準1級の難易度をきちんと把握し、どれくらいのレベルまで自分のフランス語力を上げれば良いのかを知ることが大切です。
この記事では仏検2級と準1級の難易度の違いを明確にし、準1級合格を勝ち取るために必要なフランス語力がどの程度のものなのかをご紹介します。
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仏検2級の難易度とは?
仏検準1級の難易度をイメージするためには、仏検2級と比較するのが分かりやすいので、仏検2級の難易度についておさらいします。
仏検2級は、大学時代に取得した人も多いのではないでしょうか。
実際、APEF(公益財団法人フランス語教育復興協会)が正式に定めている仏検2級の難易度は以下のとおりで、大学卒業レベルが目安となっています。
程度:日常生活や社会生活を営む上で必要なフランス語を理解し、一般的なフランス語を聞き、話し、読み、書くことができる。
標準学習時間:400時間以上(大学のフランス語専門課程4年程度で、読む力ばかりでなく、聞き、話し、ある程度書く力も要求される。)APEFは仏検2級を大学のフランス語専門課程4年程度と言い切っていますが、実際には仏検2級の保持者でも、なかなか「日常生活や社会生活で必要なフランス語力」を身につけていると実感できる人は少ないのではないでしょうか。
筆者は、「仏検2級=日常生活で困らないフランス語力がある」とはあまり思えないのですが、一応そのような定義となっています。
それでは同様に、仏検準1級の難易度を確認してみましょう。
仏検準1級の難易度とは?
準1級の難易度は、APEFが定める定義によると次のとおりです。
程度:日常生活や社会生活を営む上で必要なフランス語を理解し、一般的な内容はもとより、多様な分野についてのフランス語を聞き、話し、読み、書くことができる。
標準学習時間:500時間以上(大学のフランス語専門課程卒業の学力を備え、新聞・雑誌などの解説・記事を読み、その大意を要約できるだけのフランス語運用能力と知識が要求される。)
「多様な分野についてのフランス語を聞き、話し、読み、書くことができる。」とされつつも、想定されているのは大学のフランス語専門課程卒業の学力程度です。
つまり、大学でフランス語を専門として勉強していた学生であれば、難なく合格できて然るべきレベルであると表現されています。
学習時間も500時間以上とされていて、仏検2級の400時間以上と比べても100時間の差です。
100時間と言うと、毎日1時間勉強した場合2級合格後3~4ヶ月で準1級に合格できる計算になります。
筆者の実感としては、2級に合格してから100時間の学習時間で準1級に合格できるとはあまり思えませんし、就職活動で「仏検準1級」をアピールできるということは、逆に考えると、大学でフランス語を専門にして勉強した大学生の多くは仏検準1級に合格できていないということです。
もしも準1級が大学のフランス語専門課程卒業の学力程度で「大学でフランス語を専門にして勉強した大学生なら誰でも合格できる」水準であれば、就活で他の学生と差別化できるアピールポイントになりえません。
つまり、仏検準1級の難易度は、標準学習時間が500時間以上で、大学のフランス語専門課程卒業程度の学力として捉えるのではなく、次の能力を有する水準であると考えるほうが良さそうです。
仏検準1級に求められるフランス語力
- 日常生活や社会生活を営む上で必要なフランス語を理解し、一般的な内容はもとより、多様な分野についてのフランス語を聞き、話し、読み、書くことができる。
- 新聞・雑誌などの解説・記事を読み、その大意を要約できる。
仏検2級と仏検準1級の具体的なレベルの違いは?
仏検2級と準1級の大きな違いの1つは、ずばり「社会性の高い語彙力」です。
「社会性の高い語彙力」とは、具体的に表現すると、一辺倒の当たり障りない日常生活で必要な単語だけでなく、学術的分野を含め、広く社会で使われている単語をある程度の高さの水準で知っているということになります。
広く社会で使われる単語とは、高校卒業までに学習する教科の内容も含まれます。
例えば、数学、物理学、生物学、地学、倫理、政治経済、歴史、地理、美術、音楽といった分野の単語です。
さらに、テレビのクイズ番組に出されている内容や、特集が組まれるような最近の流行や時事問題等、日常生活の中で知らず知らずのうちにアップデートされながら脳に蓄積されている知識で、日本語でならなんとなく説明ができるような単語も対象になります。
仏検準1級で求められる2次試験の難易度
仏検準1級の2次試験では、試験開始の3分前にテーマが2題渡されます。
この3分間の内に、渡された2題のテ―マから1題を選び、自分の考えをまとめておきます。
試験では、選択したテーマについて、3分間、自分の意見をフランス語で発表します。
その後、その内容について試験官と質疑応答が行われます。
仏検準1級の2次試験で渡されるお題は次のようなものです。(試験ではランダムに1,2,3のどれかが選ばれて渡されます)
1
A: La présence de troupes américaines à Okinawa est-elle nécessaire ?
B: Avec la publication du Guide Michelin 2012 (Tokyo, Kansaï), le Japon est devenu champion du monde des restaurants 3 étoiles devant la France. Qu’en pensez-vous ?2
A: La fréquentation touristique du Japon a considérablement chuté depuis le 11 mars. Selon vous, comment peut-on faire revenir les voyageurs étrangers ?
B: Le gouvernement doit-il tout dire à la population ?3
A: Que pensez-vous de la taxe dite « obésité » ? (Après les Danois, le gouvernement français envisage de taxer les aliments gras et sucrés ― sodas, chips, etc.)
B: On dit que les manifestations sont rares au Japon. Qu’en pensez-vous ?
問い自体は非常に易しい仏文構文ですし、日本語でなら回答するのは難しくないでしょう。
しかしフランス語で答えるとなると、多くの単語を知らないと回答に困るような題材です。
地球は自転している…、最近はジェネリック医薬品が流行っている…、分煙がスタンダードになっている…、近隣諸国の軍事費が増大している…、働き方改革を実施している企業が多くなっている…。
このような話題について、フランス語で自分の考えをきちんと口頭で表現できる水準が仏検準1級のレベルに相当すると言えるでしょう。
もっと先を見越して言うならば、仏検1級で求められる水準は、これらの知識をいかに深く掘り下げられるかにかかっています。
2級なら日常会話を中心とした単語を習得すれば合格することができますが、準1級では求められる単語の水準と大きく異なるのです。
いかに多くの単語を知っているか、そしてそれを自分の言葉で説明できるかが、準1級の合否を左右するポイントになります。
まとめ
仏検準1級は、仏検2級までで培ってきた語彙力をさらに広げ、使えるようにすることが大切だということ。
特に「社会性の高い語彙」をインプットし、アウトプットできる能力が、仏検2級に比べて一段と求められています。
社会人としての一般常識や時事問題に関するフランス語単語をしっかりと覚えること。
そしてこのようなトピックについて自身の考えを常日頃から持っておくことができていれば、仏検準1級合格に近づくことができるでしょう。