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絶体絶命、だからこそ人生は面白い!?
フランス映画というと、みなさんはどのようなイメージを思い浮かべますか?
日本ではフランス映画といえば、2023年現在でも60年代の「ヌーヴェルヴァーグ」の印象が強く、
- 話が小難しい
- 面白くない
- 人間関係がわかりにくい
などネガティヴなイメージを持っている人も少なくありません。
そんな方々にぜひ見ていただきたいのが、2003年にフランスで公開され翌年のセザール賞で11部門にノミネートされた映画『ボン・ヴォヤージュ-運命の36時間(原題:Bon voyage)』です!
主演はイザベル・アジャーニ(Isabelle Adjani)、ジェラール・ドパルデュー(Gérard Depardieu)、ヴィルジニー・ルドワイヤン(Virginie Ledoyen)、イヴァン・アタル(Yvan Attal)などフランスの超有名俳優が共演。
監督は1960年から活動しながらも、なんと2023年現在までに8作品しか製作してないことで有名なジャン=ポール・ラプノー(Jean-Paul Rappeneau)。
それでは早速、セザール賞11部門ノミネート作品『ボン・ヴォヤージュ-運命の36時間』のあらすじと、本作品をより面白く見るために知っておきたい3つのポイントをご紹介します!
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悲劇の中にある喜劇!映画『ボン・ヴォヤージュ-運命の36時間』のあらすじ
1940年6月、パリ。
あるザーザーと雨の降る夜、フランス映画界のスター女優ビビアン(Viviane)は、自分にストーカー行為をしていた男性を誤って殺害。
慌てたビビアンは、幼馴染でありかつて恋人だった作家フレデリック(Frédéric)に電話をします。
何も知らないフレデリックは、ビビアンからの「一刻も早く自分の家に来てほしい」との突然の連絡に、ササっと支度をして彼女の自宅を訪れることに。
部屋に入ると、ソファのそばにバタッと倒れた男性の死体が。
その男性についてビビアンは「寝室のバルコニーから転落した」と話し始めるのですが……
面白く見るために知っておきたい3つのポイント!
サスペンスと思いきや話が進むにつれてユーモア満載のストーリーへと展開し、フランスで大ヒットした映画『ボン・ヴォヤージュ-運命の36時間』。
セザール賞11部門ノミネート!
映画『ボン・ヴォヤージュ-運命の36時間』は、2004年のセザール賞において
- 最優秀作品賞
- 最優秀監督賞
- 最優秀助演男優賞
- 有望男優賞
- オリジナル脚本賞
- 最優秀音楽賞
- 最優秀編集賞
- 最優秀撮影賞
- 最優秀音響賞
- 最優秀衣装賞
- 最優秀セットデザイン賞
以上の11部門にノミネートされました。
このうち、フレデリックを演じたグレゴリ・デランジェール(Grégori Derangère)が有望男優賞、日本でも知られているリュック・ベッソン(Luc Besson)監督の作品を手掛けている撮影監督ティエリー・アルボガスト(Thierry Arbogast)が最優秀撮影賞を、そしてハネケ監督作品『愛、アムール』の美術セットも担当したカトリーヌ・ルテリエ(Catherine Leterrier)などが最優秀セットデザイン賞を受賞。
ビビアン役はイザベル・アジャーニじゃなかった?!
映画『ボン・ヴォヤージュ-運命の36時間』の撮影に入る前に決まっていたキャストは、ビビアンにソフィー・マルソー(Sophie Marceau)、そしてカミーユ(Camille)にはオドレイ・トトゥ(Audrey Tautou)で決まっていたそうです。
しかし、撮影直後にソフィー・マルソーの妊娠が発覚、そしてオドレイ・トトゥとは契約内容の折り合いがつかなかったため、イザベル・アジャーニとヴィルジニー・ルドワイヤンが代役を務めたそうです。
フランスを代表する映画音楽家を起用!
本作品の音楽を担当したのは、フランス映画界を代表する作曲家ガブリエル・ヤレッド(Gabriel Yared)です。
70年代に歌謡曲の作曲家としてデビューしたヤレッドは、日本でも人気のシャルル・アズナブール(Charles Aznavour)、シルビー・ヴァルタン(Sylvie Vartan)などの作品を手がけた後、ヌーヴェルバーグを代表する監督ジャン=リュック・ゴダール(Jean-Luc Godard)と出会い、映画音楽に取り組み始めます。
ここではフランス映画音楽を中心に、ヤレッドが担当した5作品を見ていきましょう!
1979年『勝手に逃げろ/人生(Sauve qui peut la vie)』
しばらく映画界から離れていたゴダール監督の商業映画復帰第一作として発表された映画『勝手に逃げろ/人生』。
1985年『Scout toujours』
俳優でもあるジェラール・ジュニョ(Gérard Jugnot)監督の大ヒットボーイスカウト・コメディ映画『Scout toujours』。
フランス1986年、日本1987年『ベティ・ブルー 愛と激情の日々(37°2 le matin)』
激しく純粋な愛を絵描いた衝撃のフランス映画『ベティ・ブルー 愛と激情の日々』。
1992年『愛人/ラマン(L' Amant)』
原作はマルグリット・デュラス(Marguerite Duras)の実体験を小説にした『愛人-ラマン』。
フランス2016年、日本2017年『ショコラ 君がいて、僕がいる(Chocolat)』
大ヒット映画『最強のふたり(Intouchables)』のオマール・シー(Omar Sy)主演の映画『ショコラ 君がいて、僕がいる(Chocolat)』。
まとめ
第二次世界大戦直前1940年のパリやボルドーを舞台に、激動の時代にほんろうされつつ生きた人々をスリルとサスペンス、そしてユーモアたっぷりに描いた映画『ボン・ヴォヤージュ-運命の36時間』。
イザベル・アジャーニ、ジェラール・ドパルデューなどフランスを代表する豪華キャストが勢揃い。
60年ものキャリアで8作品しか製作してないラプノー監督の話題作であり、歴代で最もセザール賞でノミネートされた作品の一つです。
フランス語学習者はもちろんのこと、フランス映画に苦手意識がある人にもおすすめです!
その他、2000年以降に米国アカデミー国際長編映画賞のフランス代表作として出展された作品の関連記事はこちらをご覧ください。
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フランス・パリ在住の、気分は二十歳の双子座。
趣味はヨーロッパ圏内を愛犬と散歩することと、カフェテラスでのイケメンウォッチング。
パリ市内の美術館ではルーブル美術館、オルセー美術館とポンピドーセンターがお気に入り!
好きな映画は70代80年代のフレンチ・コメディ。
オススメや好きな作品は詳しいプロフィールで紹介しています。