※当ブログにはプロモーションを含みますが、記事内容は公平さを心がけています。
軽いキスが命取り?!大人の恋愛コメディの傑作!
この記事では、フランスで人気の若手監督エマニュエル・ムレ(Emmanuel Mouret)の出世作、2007年に公開された映画『キッスをよろしく(原題:Un baiser s'il vous plaît !)』をご紹介します。
こんにちは!フランス映画に出てくる「頼りのない駄目男」が大好きなカタクリです。
早速、「映画のあらすじ」そして監督「エマニュエル・ムレ」について一緒に見ていきましょう。
※当ブログにはプロモーションを含みますが、記事内容は公平さを心がけています。
全ての始まりはキスから!?映画『キッスをよろしく』のあらすじ
パリでインテリア用の布のデザイン販売をしているエミリ(Émilie)は、出張のためフランス西部のロワール川沿いの都市ナントに来ていました。
パリに戻る前夜、エミリがタクシー乗り場を探していると、ガブリエル(Gabriel)と出会います。
「行きたいとことまで送っていく」というガブリエルの提案を承諾したエミリは、彼の車に乗り込むことに。
会話をするうちに二人は徐々に惹かれていき、一緒に夕食へ。
お互いにパートナーがいて、翌日にはエミリがパリに戻ってしまうので、どうすることもできないと分かっているのに、ドキドキが止められない二人。
せめてもの思い出に、と別れ際に「キス」をしたいとガブリエルは申し出ますが、エミリーは「そのキスが、人生を変えてしまうキスになるかもしれない」と言い拒みます。
納得が行かないガブリエルに対し、エミリが「キス」が原因で友達の身に起こった「悲劇」を語り始めました。
エミリの友達の研究者のジュディット(Judith)は薬剤師のクロード(Claudio)と側から見ると完璧なカップル。
ジュディットの幼馴染で大親友のニコラ(Nicolas)は、数学の教師の仕事をし、客室乗務員の美しい彼女もいたのです。
そんなある日、ニコラはジュディットに「身体的な愛情」飢えていることを告白し、「キスだけでもしたい」と言い出します。
ジュディットは戸惑いますが、「キスだけなら」ということで彼の要求を受け入れてしまうのですが……
「恋愛」を描き続ける監督、エマニュエル・ムレ
どこか頼りなく、おしゃべりで、かっこよくはないけと憎めないニコラを演じたエマニュエル・ムレは、監督・脚本・主演をこなすことが多いため、「フランスのウディ・アレン」と言われることも。
日本では未公開の作品が多いため、この記事で彼のことを知る人もいるかもしれませんが、2018年に『令嬢ジョンキエール:愛と復讐の果てに(Mademoiselle de Joncquières)』、2020年には『Les choses qu'on dit, les choses qu'on fait(日本未公開作品)』で、共にフランスの「アカデミー賞」にあたる「セザール賞」に複数部門でノミネートされている人気映画監督です。
2000年に『Laissons Lucie faire !(日本未公開作品)』でデビューし、2007年に発表した本作『キッスをよろしく』のヒットで、フランス国内で名前が知れ渡るようになりました。
ジュディットとニコラの恋愛物語が繰り広げられた「パリ」が縁で、パリ市公式ユーチューブチャンネルに、本作に関する監督のインタビューが掲載されているので、合わせてご覧ください。
ムレ監督の作品のテーマ
ほんわりした雰囲気のムレ監督ですが、数々の有名フランス人監督を排出している国立高等映像音響芸術学校(École nationale supérieure des métiers de l'image et du son)、通称「La Fémis 」という演劇専門の高等教育機関を首席て卒業したエリートなんです。
ちなみに、彼の卒論のテーマは、イタリアン・ホラー映画の巨匠、ダリオ・アルジェントス(Dario Argento)監督の 1996年の作品『スタンダール・シンドローム(Le Syndrome de Stendhal)』。
そんなインテリのムレ監督の映画のテーマが「恋愛」。
シンプルでありながら複雑なこのテーマを、「何からも影響を受けずに、純粋に自分の描きたいものを、いかにリアルにするか!」を信念に描き続けるムレ監督。
そのこだわりは飽きさせないストーリー展開にだけでなく脚本にも出ており、自虐的とも取れる「フランス人らしい言い回し」が人気です。
映画作りに対する思いを語ったムレ監督のインタビューも必見です。
まとめ
頼りのない駄目男を演じさせたらフランス映画界トップクラスのエマニュエル・ムレは、監督・脚本もこなし「フランスのウディ・アレン」とも言われることも。
残念ながら日本では未公開の作品が多いですが、セザール賞のノミネート常連という一面もあり、今後の活躍も大いに期待できます。
過激な性描写や暴力的な内容の映画が多くなっている中、純粋なフランスのエスプリが漂う「恋愛」作品を発表し続けるムレ監督の作品は、昔からのフレンチ恋愛コメディ映画ファンの期待を裏切らない内容になっています。
日本語字幕ではその面白さがなかなか出てこないので、初級の方でも辞書を片手に是非フランス字幕に挑戦してください。
おまけ
キスに関するフランス語の記事を3つご紹介します。
フランス人の恋愛観とフランス語を同時に学んじゃいましょう!
フレンチ・キスの名前の由来は?
フランスを代表する新聞「ル・フィガロ」より『L’histoire alléchante du «French kiss»』
キスを上手にする方法とは?
日本でも人気の「コスモポリタン」より『L’art du baiser : nos conseils pour apprendre à embrasser』
フランス人にとってはどこからが「浮気」?
フランスの人気女性雑誌「フェミナ」より『Enquête : où commence l'infidélité pour les Français ?』
フランス・パリ在住の、気分は二十歳の双子座。
趣味はヨーロッパ圏内を愛犬と散歩することと、カフェテラスでのイケメンウォッチング。
パリ市内の美術館ではルーブル美術館、オルセー美術館とポンピドーセンターがお気に入り!
好きな映画は70代80年代のフレンチ・コメディ。
オススメや好きな作品は詳しいプロフィールで紹介しています。